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女体化転生から始まる異世界新(神)生活〜TSした元男子大学生、第二の人生はチート能力【創造者】を手にして神の元で働く傍らでいつの間にか『神』扱いされる〜  作者: 霞杏檎
1章 妖精ノ園編

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19 大妖精の加護

 不思議な力がみなぎるケルトと新たな能力が覚醒されたユシリズはこの妖精の園を襲うサラマンダーを討伐することを強く決心する。ゼニは焦りと怒りの表情で叫んだ。


「貴様ら!! いい加減にしろよ!! この俺とサラマンダーが負けるわけがない!!」


「そういう台詞を吐くやつはアニメとかですぐ死ぬんだぞ」


 俺は静かな口調で皮肉を言った。


「何を言っている! クソが! やれサラマンダー!!」


 サラマンダーは口内に紅蓮に染まった炎を溜めると、俺たち2人に向かって吐き出す。それは主の怒りに比例してるかのように火力が高まっていた。


「ユシリズ!」


「オッケー!」


 大きな炎はすべてユシリズの方へ惹かれるように向かい、ユシリズは軽々とその炎を手中に入れる。そして、俺のシステムに追加情報が届いた。


<<データ受信>>

 顔が弱点やで! 攻撃しまくって鱗を剥がすんや!


 この口調はダンか! 俺は横を見るとダンが倒れている。その手は親指が立てられていた。


「ダンありがとう!」


 俺は全力でサラマンダーの顔面まで走った。サラマンダーは次の攻撃の準備をしている。しかし、先にケルトが距離を詰めた。


「これでも食らっとけ!!!」


 サラマンダーの前に右手を突き出した俺は手が光り出す。


<<発動:荒ぶrt*?!>


<<更新中>>


<<『大妖精の加護』によりスキルが更新されました>>


<<発動:獰猛な大気>>


 スキルを放った途端、轟音と共に目の前大気が一瞬止まり、衝撃波よりも爆発に近い風を起こした。その強力な風圧によりサラマンダーの顔は鱗もろとも頭が潰れ、そのまま妖精の園の外まで吹っ飛んだ。


「おいおいケルト! 鱗剥がすだけで良かったのに全部持って行きやがって~」


「討伐完了だ」


 俺はゼニの方を見ると呆然としていた。


「その力は……まさか……」


<<スキルの更新を確認しました>>

 応用スキル:[荒ぶる大気]→[獰猛な大気]


 効果:発動者の半径2メートル範囲内の空気を破裂させ衝撃波を起こす。

 →発動者の半径2メートル範囲内に空気を圧縮し大爆発並みの衝撃波を生み出す風属性上級スキル。


 威力:中→超大


 EXスキル:[大妖精の加護]


 説明:妖精の長に認められた者にしか持つことのできないスキル。その力は風を暴風にするとされ、大妖精の力を借りることができる。


「さて、ケルトさん残るはあの者のみです」


 四つん這いになって帰ろうとするゼニをユシリズは後ろから引っ張り胸ぐらをつかんだ。


「ちょっと待て、どこに行くつもりだ?」


 ゼニの顔は大量の汗と涙と鼻水で顔は酷いほどぐしゃぐしゃになっていた。


「た……頼む見逃してくれ! お前達の欲しいものを手配する! そしてもうお前らに手をださん! 殺さないでくれ!」


「何を言ってやがんだ! 俺たちのことなめてかかってただで済むと思うな!!」


「待てユシリズ、こいつには少し聴きたいことがある。まずは話を聞いてからにしよう」


 俺は気になる点があった。この妖精の園やセルフィアを襲った魔物についてだ。


「おい、あんたがここ近辺に魔物をうろつかせたのか?」


 ゼニはうなだれた後、くっくっくと笑った。


「ああそうだ、全部俺さ。この森は竜族系の魔物が多くいるサーティ地方に近い。俺はある方と契約をして妖精の羽を手に入れるべく、サーティ地方の魔物をこちらに誘導した」


「だから、この森には生息しない魔物達が最近うろついていたんですね」


 シンシアはその事実に気がつき驚きの顔をしていた。


「だから、人々からは強力な魔物が出ると噂されていたのか……それは誰に頼まれたの?」


「それは……言えねぇ」


 この状況でも言わないと言うことは何か大きな存在なのだろう。しかし俺には分からなかった。分かったのは俺たちを人質で心を揺さぶり、頼んだ場所へ出向かせ、この場所ごと俺たちを消そうとしていた事。そう考えると、自分たちのこともそうだが、妖精達がかわいそうだった。その思いと共に怒りがあふれてくる。俺は小太刀を腰から抜き取り、ゼニの首元に押しかける。


「いや、おい、やめろ!」


「うわぁーーーー!!!!!!」


 俺は小太刀をゼニの顔面ギリギリの地面に刺した。ゼニは恐怖に耐えられなくなり、泡を吹き出して気絶してしまった。


「私は……もうすでに人を殺めているが、あまり人を葬りたくはない」


 俺は肩の力がすっと抜けた。その様子を見てシンシアが寄ってくる。


「大丈夫ですよ。あなた達はよく頑張りました。この者の始末は私たちで行います」


「ありがとうございます、シンシアさん」


「いえいえ、皆様お疲れ様でした。『癒やしの雨(ヒールレイン)』!」


 シンシアさんはスキルを使用すると雨が降ってくる。その雨は倒れていた仲間達の傷を癒やし、荒らされた妖精の園は段々と元に戻り、綺麗に元通りになった。倒れていた仲間達が起き出す。


「やっとおわったんか? 長かったわ~」


「油断してたよ、全く」


「この件はもう良さそうなのか」


 ダン、ユウビス、ガクトに念のために俺も回復魔法をかけて回る。


 こうして、妖精の園を脅かす脅威を追い払い、避難していた妖精達はまた此処に戻ってきた。ゼニの言っていた依頼者が気になるがこれは後で考えよう。何はともあれ、俺たちとシンシアさんの活躍によりこの地にまた平和をもたらしたのだった。





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