18 赤燐竜サラマンダー
初手、ダンが即座にデータを送信した。
<<生物情報を取得しました。内容は以下の通りです>>
Name:赤燐竜サラマンダー
種族:竜
危険度:A
攻撃力:A 防御力:A 敏捷性:B 知性:C
魔法攻撃力:B 魔法防御力:C 魔法回復力:E
スキル:[煉獄の息吹] [咆哮] [飛行]
耐性: [竜の鱗・赤] [時間耐性]
スペル:なし
詳細情報:炎を操る赤い鱗が特徴的な上位竜属。赤い鱗は炎耐性に優れており、防御力においても高い。しかし、鱗は防御力が高い分、剥がれやすくなっている。
弱点:衝撃
最初にユシリズが仕掛けた。
「炎が効かないなんて知らねぇよ!」
<<発動:大発火>>
ユシリズの放った炎による爆発は見事サラマンダーの顔面に直撃した。しかし、黒い煙が立ちこめるだけでサラマンダーは傷一つついてはいなかった。
「だ……だよねぇ……」
攻撃を行ったユシリズに対してサラマンダーは標的としてユシリズに襲いかかった。
<<発動:電磁砲>>
しかし、横からアマの放った電流の一閃がサラマンダーに命中しその攻撃は阻まれ、吹き飛んだ。
「大丈夫か? ユシリズ」
「ああ……大丈夫」
サラマンダーは吹き飛ばされ少しひるんだが、鱗が少し焦げていただけで体力に影響はないようだった。鱗による防御力がこいつの最大の強みなのだろう。
「鱗を剥がせば良いんだろ!」
<<発動:身体硬化>>
ガクトは黒く装甲を帯びた右腕で、サラマンダーの顔面を殴る。しかし、その顔にも傷一つつかなかった。サラマンダーはそのままけたたましい咆哮をあげ、ガクトを吹っ飛ばした。飛んできたガクトをユウビスが受け止める。
「ユウビス、あいつに時間攻撃はできないのか?」
「確認したけど、あいつ耐性で時間攻撃が効かないんだ。俺は何もできんからダンと一緒に後衛で援護をする」
「そうか、ならダンに伝えてくれ。あいつの顔の鱗が一番堅い。おそらくあの顔が弱点だ。堅いところには弱点があるもんだ。人の弱いところに毛が生えるようにな」
「なるほど! 分かった。すぐ伝えるよ」
ユウビスはガクトを起き上がらせるとユウビスはダンの元へと走って行った。
一方で俺はシンシアとお付きの妖精2匹を守っていた。
<<発動:風刃竜巻>>
俺はサラマンダーを中心として竜巻を生み出し、その渦の中へと閉じ込めた。
「これならどうだ」
サラマンダーは渦の中で暴れ始めると、内側から大量の炎がまき散らされ、竜巻を消滅させた。そしてその炎の威力は弱まることなく、そのまま俺たちを襲う。全員攻撃を食らってしまった。ガクトとアマが吹き飛ばされ、後衛にいたダンとユウビスも倒れている。俺も妖精達をかばい、その炎を食らっていたため、背中が今まで感じたことのない肌が焼けただれるような痛みに襲われる。このままではまずい。
「やはり素晴らしいペットだ! 燃えるゴミのようにたやすく焼くことができるぞ!」
ゼニがこの状況を見て上機嫌に俺たちを煽る。
俺はすぐさま自分に回復魔法をかけようとするが詠唱に時間がかかる。時間が欲しかった。サラマンダーは次のブレス攻撃に備え、口内に炎をため込んでいた。このままでは俺の魔法詠唱よりも早くあいつが攻撃してくる。どうすれば……するとシンシアがサラマンダーの前に立ち塞がる。
「ケルトよ、ここは私に任せてそなた達は早く仲間を連れて逃げなさい。これくらいの魔物なら私の力でどうにかできるはずです」
「シンシアさん、だめだよ……私も戦いますから」
「あなたたちは、今まであってきた人間と違う臭いがしました。あなたはもしかすると……」
サラマンダーは炎を貯め終わっていた。黒い目で辺りを見回し、シンシアを見つけた途端、怒号と共にシンシアに向けブレス攻撃を放った。
「シンシアさん!」
シンシアも何かを詠唱し始めるがもうそこまで炎が迫っていた。
だめだ、間に合わない。シンシアに炎が直撃する。
辺りには煙が立ち込み、様子がよく見えない。
だめだったか……
そう思ったとき、煙が晴れその中から無傷のシンシアがそこにはいた。
目を閉じたシンシアが口を開く。
「やっぱりあなたたちはお強いわ……」
シンシアの目の前にはユシリズの姿があった。
「おい! ゼニ! お前のペットはゴミのように俺たちを燃やすなんてことをほざいたようだけどな、どうやらその炎は俺には良い養分になりそうだぜ!」
無傷のユウビスを見てゼニが後ずさりをする。
「なぜだ!? あの高火力を食らって無傷なんだ!?」
俺はユシリズの様子を見ると、サラマンダーと戦う前よりもダメージが癒えてるように見えた。
<<ユシリズ様のスペシャルスペックが新たに解析されました。内容は以下の通りです>>
スペシャルスペック::火術者
スペシャルスペック専用スキル
解放:火炎吸収
あらゆる炎系攻撃を吸収することができる。吸収するほど自身は回復する。
「ケルト、俺が肉壁になってやるから早くこいつを叩き潰せ!」
「……分かったよ」
<<詠唱:完全回復>>
俺の傷とやけどがすべて消え、服も新品同様になった。
「そなた、回復魔法も使えるのね……分かったわ。サラマンダーの討伐はあなたたちに任せる。そしてあなたにはこれを授けます」
シンシアは俺の頭に手を置くと俺は緑に輝く。その瞬間、また自分の中で何かがはじけた感覚と不思議な力がみなぎった。
「何を?」
「これは私からの些細なお守りです、さあこの忌々しき竜を退治してください」
体に力がみなぎる。さあ、反撃開始だ!
シンシアは後ろでケルトを静かに見つめていた。
「ふふふっ、お願いしますね……神様……」





