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盾の勇者の成り上がり  作者: アネコユサギ
外伝 真・槍の勇者のやり直し
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1323/1327

漁阻止計画


「じゃが……あの英知の賢王に船が沈んで行けなかったと報告したらメルロマルクの者たちがなんと言うか……」

「奴らが企んだんだ! こんな真似しやがって!」

「そうだそうだ! セーアエット様の立場を悪くさせる為に英知の賢王が企んだに違いない!」

「間違いない! 奴らがやりそうな手口だ! 頼んでおきながら船を沈めて魚とりすらまともに出来ない無能な奴らだ! って笑おうとしてるんだ!」

「何が融和政策だ! こんな真似しやがってくそぉおおおおおお!」


 と、糾弾の声が上がっていきますぞ。


「ううむ……賢王は娘の喜ぶ顔を見たいと心から思っていると思ったのだが……」


 エクレアの親はクズを信じている顔ですぞ。

 そして概ね当たっていますな。


「こちらはその方を見たことは無いので何も言えませんが……」

「皆の意見は聞いたが、少なくとも英知の賢王の様子からして、違うと言いたい。まあ他の貴族が聞いてこんな真似を企んだ可能性は否定できない。何にしてもどのような手段でこんな真似をしたのかの調査を継続して行って欲しい」


 と言う流れで住民たちをエクレアやお姉さんの親は宥めているようでしたな。


「差し当たって……仮に魚を捕って来れない事を理由にこちらの失墜を企んでいるとするなら……」

「それでも捕って来ることで見返してやるのが良いと思う……」


 行けるものはおるか? と言う様子でエクレアの親は領地内に居る亜人獣人たちに聞いてますぞ。


「船が無くても泳いで行けなくはないです」

「こっちにも凄腕の漁師がおりますよ。自慢の子です」


 お姉さんの親が胸を張って微笑んでおります。

 間違いなくお姉さんのお姉さんを船無しで行かせようとしているのですぞ!

 水棲系の獣人も居ますからな……これは俺の読みが浅かったですぞ。

 思えば最初の世界でもお義父さんがお姉さんのお姉さん以外の者たちで泳ぎが得意な人種を村で住ませていましたぞ。

 く……どうしましょうかな。


「ならば頼むほか無い。皆の者! どんな妨害があろうともやり遂げてほしい!」

「「「おおー!」」」


 結束が強いのですぞ。

 確かに時に結束は力に成りますが未来の状況を考えてよい方向にはならないと断言できますぞ。

 しかも水棲系の獣人たちに乗せて行ってもらう流れで話を纏めております。

 丸太や廃材で足場にするなどの話もしております。

 くうううう……ですぞ。

 一人一人状態異常で出発不可にさせるわけにもいかないですぞ。さすがに。

 どうしたらいいでしょうかなー……もはや割り切るしかないのですかな?

 どうやら酒が抜けた明日の朝に予定通りに漁に出ようと話しております。

 諦めたくないのですぞ。

 せっかくの機会なのですぞ。

 俺はお姉さんのお姉さんの後悔を知っております。

 俺たちの助力で明るく振舞っておりましたがこの後の件は生涯、続くのですぞ。

 もはや俺だけで対処しきれないかもしれないのですぞ。

 ではどうしたら良いかを考えるのですぞ。

 ううむ……。


 案1,町と村を襲撃し、漁師たちを行動不能にする。もちろんエクレアの親も同様に動けなくしておく流れですな。


 楽な手段ではありますな。殺さずに行けば良いだけですぞ。

 波が来る頃に動けるように成ればどうにかなるかもしれません。

 いくら群がって来ても俺なら対処可能ですからな。

 問題は……俺の活動が阻害されるかもしれない所ですぞ。

 仮面とかローブを羽織って置けばある程度はどうにかなりますが、問題はここにいる連中は亜人獣人、鼻が利くので覚えられてしまいそうですな。

 何より騒動に便乗して波が起こる前にメルロマルクの連中が襲撃に来るかもしれない所ですぞ。

 俺が何処かで召喚された槍の勇者と認識されたら大変ですな。

 奴らにとって都合の良い動きをする勇者とは大義になりかねませんぞ。

 勝利を確信したメルロマルクの貴族連中やクズが便乗して波所の騒ぎではなくなりますぞ。

 そうなったら大きな戦いになってしまいますな。

 しかも戦えるものが減ってしまいますからさじ加減がかなり面倒ですな。

 船を無理やり破壊するのは早計だったのかもしれませんぞ。

 ……むしろ領地に戻るエクレアの親を早めに生け捕りにして波まで軟禁した方が良かったかもですぞ。

 く、悠長に見届けたのは口惜しいですな。

 赤豚抹殺よりも優先すべきだったと後悔してますぞ。


 案2,エクレアの親かお姉さんの親辺りを説得する。


 素直に身の上を話して漁に出るのを遅らせるのですぞ。

 問題は信じて下さるかですなー……まあ案1に移行するのでも良さそうですが最終手段としますかな。

 結局通報されて面倒事は増えますぞ。

 どうにも上手く行かなそうな流れになってきてしまっております。

 ですが妥協、諦めは俺の辞書に無いのですぞ。

 ただ、あまりこういう説得が上手く行った事が無いのが懸念点ですぞ。

 パンダを雇用するのに失敗した記憶が蘇りますな。

 こういうのはお義父さんが得意な事でしたので……本当にお義父さんいらっしゃらないのが辛い所ですな。

 一緒に波の前に召喚されていたらとヒシヒシと思いますぞ。

 槍の精霊! せめてお義父さんも一緒に転移された設定にしろですぞ! 全くですな!

 召喚直後のお義父さんでも、お義父さんならば事情を話せば信じてくれなくても面白がって付き合ってくださると思いますぞ。

 それをしなかった槍の精霊は実に困った奴なのですぞ。

 ブルンブルンですな!

 愚痴っていても始まらないので次の案ですぞ。


 案3,目的の魚を俺が捕って来る。


 ドライブモード等を併用して遠い所の魚を文字通り捕ってくる流れですな。

 更に絞めてポータルで持ってくればある程度は鮮度も確保できますぞ。

 問題は件の魚がどんなものかと言うものですぞ。

 結構珍しい魚らしいですからな……赤豚め、ピンポイントで面倒な魚を要求するとは確信犯ですぞ。

 更なる問題として俺一人で持って来れる量には限度があるのですぞ。

 1匹だけなら良いですが、どうにも複数必要そうですぞ。

 他にも捕って来たとしてどうやって渡すのかコネクションが無いですし、ゼルトブル経由で金を積んで商人からの匿名の寄付としても怪しまれるのですぞ。

 使われないかもしれないですな。

 しかも時間のロスが気になりますぞ。

 最終手段としましょう。


 案4,お姉さんのお姉さんを説得、及び封殺。


 勘が非常に良いお姉さんのお姉さんにこの後、接触を試みて説得できるか試してみましょう。

 どうも船が無い遠洋漁業に置いて、お姉さんのお姉さんが要となって居そうな流れなのですぞ。

 確かにこの村やエクレアの親の領地に居る水棲系の亜人獣人の中では体格が大きいですし、腕も立つ方なので頼りにされるでしょう。

 そんなお姉さんのお姉さんが遠洋漁業の代表として頼りにされているのは必然。

 とすればお姉さんのお姉さんが次のターゲットとなりえるのですぞ。

 交渉が失敗した場合、最悪はお姉さんのお姉さんを動けないように捕縛する事で妨害にはなりえますぞ。

 少なくとも漁を遅らせられますな。

 ではどのようにしたら良いかと考えれば……これまでのループで考えれば、とりあえず素直に事情を説明して考えて貰えば良いかもしれないですぞ。

 ただー……お姉さんのお姉さんはスパイなども出来るほどの諜報員的な側面があるので頷かれても情報をリークされかねないので流せる情報の範囲で信用を得て貰わねばなりません。

 ですが、俺が出来る手順としてはまずはお姉さんのお姉さんを抑えるのは良いですな。

 失敗したらこれまで閃いた案を実行していくので良いでしょう。


 という訳で案4のお姉さんのお姉さんに接触を試みるのですぞ。


 船が全て沈んだ騒動の落ち着きも無い不安な夜の中、お姉さんのお姉さんが自身の家である秘密基地とする島に何かを取りに来た所を気づかれないようにそっと追いかけたのですぞ。

 ずっとお姉さんやその家族の近くに居たら困った所でしたが陽気なお姉さんのお姉さんが思いのほか早く一人になって下さったので助かりましたな。

 で、島に到着して割とすぐですぞ。

 物置に入らずにたき火を炊いてお姉さんは振り返りざまに口を開きましたぞ。


「誰かそこに居るのかしらー?」


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― 新着の感想 ―
うーん…交戦することは避けておきたいよな 秒殺できるとは思うけど波も近いし
ウサウニー姿になり接触を試みる その場合、危険な匂いや予感がしたからどことなく召喚されたピョン…といった流れから入り、過去の槍の勇者と対峙するようならずっとウサウニー姿のままでいるとか
焚き火って良いですねえ さてどんな美味しい魚なのかなあ 海底に腐乱死体がある描写があったですね ラフタリアやエクレールの親御さんが元気なルートはどうなるんでしょうかね?
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