攻略不可ヒロイン
「ちなみにこの辺りの毒素が一番強めに入ってたの盾の精霊だったよ。あの時は焦っていたけど、まあ……岩谷尚文くんを選定している段階でね。大丈夫ではあったね」
「お義父さんへの信頼は同意しますが何かあるのですかな?」
「そこはー……君も知ってる伝えちゃいけない事に関わるよ? あの予言にあったでしょ?」
う……いけない事がお義父さんにはあるのですぞ。
これに接触するのならば聞かない方が良いですな。
「何より、岩谷尚文に所持者として繋げられるのって盾の精霊が相性が良いのは間違いないし、相性という意味で」
「アークがお前を使っていた事がありますな」
「アレは例外処理に近いけどね。あのアクセサリーが媒介だから。とはいえ同時に貰った力は結構凄いもんだよ? 実の所、あれだけで相当俺、力を増してるんだよね。まあアーク先生の力に成るようにと寄付された力を貰ったようなもんだけど」
何を自慢しているのですかな?
「話は戻って精霊種と力を合わせるとまあ勇者に近い力が出せていたでしょ。このループ」
ああ、なんか後年。そう言った技術が広まっていましたな。
世界中で出来る種族の研究が進んでいたのですぞ。
「つまりはこのループが形となれば精霊たちが生まれやすい世界になる訳。失われた技術だったのがね」
波を起こした奴が関わった世界じゃ、精霊になる例が非常に少なくなっちゃって居て大変なんだよ。
と、槍の精霊は続けましたぞ。
「だからまあいい感じに出来上がったこのループの評価は非常に高いんだよ」
「俺が薄っすらと思い出せるのは……女王がブレザーな戦士になった辺りまでですな」
ぼんやりとその後もあったのを思い出せるのですが、大分霞が掛かって来てますぞ。
「言うまでもなくあの後は波が終わるまで戦ったあとは世界は平和になったよ。弓の勇者の活躍とか色々とあったけどね。で、精霊種の研究が進んで、精霊技術と言う要素が発展していったよ。色々と予想外ではあったかな?」
「ラフミはどうだったのでしたかな?」
「大分後年に精霊だってバレたよ。本人も暴露はしてたけどね。一応、この領域にも来れるけどまだ来てないね」
キョロキョロと槍の精霊はラフミを探しているのですぞ。
「結構な頻度でイミアがあの時の私に荷が重すぎる事振らないで下さいと観測しながら愚痴ってたよ」
クススと樹みたいに皮肉な笑いをしやがってきますな。
「ラフミの奴、技術が進んでいるならそのまま解体されろですぞ」
「そこまでへまはしないよ。何より精霊を冒涜する研究なんて許されてない割と精霊からすると住みやすい世界だし……まあ、精霊も一枚岩じゃないから悪に落ちないかが不安な所だよ」
「絶対正義みたいなところがあるかと思ってましたぞ」
「買いかぶりは……まあしないと思うけど精霊であっても、問題が無いわけじゃないのも事実さ」
「ところで、このループのお義父さんはどうなったのでしたかな?」
思い出そうと思ってもぼんやりとしか出てこないのですぞ。
お姉さんと結ばれたのでしょうか? お姉さんのお姉さんやパンダとは仲良くしていたような気もしますが……う、ワニ男やウサギ男、ヴォルフ達と一緒に居る姿が浮かんできますぞ。
「さて、それはどうだったかな? 不安なら君が娶りなさい」
く……このホモ精霊が!
「お義父さんはノーマルなのですぞ」
「まだ言ってるよ……いい加減、既成事実とか色々として欲しいんだけどね。攻略できそうにないフィーロちゃんより脈があると思うんだけど」
「フィーロたんと俺はいずれ結婚するのですぞ!」
お義父さんに許可を貰う為に日夜世界を平和にしているのですぞ!
時々、どこまで平和にしたら良いのかわからない時がありますが、千里の道も一歩からなのですぞ。
脳内で、月に行くために走り続けるような無駄な行為をしてないか? と助けられなかったお義父さんが仰いますがきっと気の所為なのですぞ。
「わー……バカの一念ってホント凄まじいね。そういう所、嫌いじゃないけどさ」
「俺は馬鹿じゃないですぞ! バカってバカって奴が馬鹿なのですぞ! アーホ!」
「ふふ……実に愚かしい。バカな子ほどかわいいとはこういう時に使うのかねー」
うるさいですぞ!
俺を優しい目で見つめるなですぞ!
「は!? まさか俺のを狙っているのですかな!? 嫌ですぞ!」
槍の精霊に掘られるなんて御免ですぞ!
「まあいい加減してやろうと思う時はあるけどさ。車輪の軸にするし。生憎とそう言う構造では出来なくなってしまったのが口惜しいね」
このホモ精霊! 最悪ですぞ。
タクトを掘ってもまだ満足しないのですかな!
「ま、君を選んで力を貸している段階で既に掘っていると言えば掘っているようなものとしようか」
「やめろですぞぉおおおおお!」
俺は掘られてないですぞ!
もっと車軸にしてやるのですぞ!
「精神攻撃を辞めろですぞ! 何があっても俺は諦めないですぞ!」
「別に何かを諦めさせたい訳じゃないけどね。こんな所じゃないと伝えられない事が多いから困ったもんだ。一応声が聞こえる人も居るというのに」
「知りませんぞ!」
「まあいいや。他に知りたい事とか……他のループだとあんまり見ない仲間とかも今回は居たね」
「ヴォルフとかですかな?」
「そうだね。色々と行動の結果でね。ツメの精霊は割と満足していたよ」
「ツメは浮気性なのですぞ。フィーロたんの持ち物なのですぞ」
「君からしたらそうだろうけど、雄々しさを見せている分だけ良いと思うけどね」
フィーロたんの専属なのですぞ。
「まあツメの精霊は割と原初の武器だからか適合する人が多いんだよね。主に野生を宿す者ほど選びやすいし」
そう言えば……と、槍の精霊が何か心当たりがあるような口ぶりになりましたな。
「アーク先生も言ってたけど妖魔の彼女が作ったのが最初に精霊の器として宿りやすい武器となったんだけど……何か気づいてそうだったな。あいつ、結構思わせぶりでね……何を知ってる、気づいたんだろ?」
「そんなの俺も知りませんぞ」
お前よりも思わせぶりな奴が居るなんて御免ですぞ。
「そもそもフィーロの手にも宿っているし美味しい所に居るよね。あいつ」
だから同意を求めるなですぞ。
「この流れで仲間外れにするのもどうかと思うからワニ男と君が呼んでる彼に関しても少し話してあげようか」
「何かあるのですかな?」
「まあ、ウサギ男ことテオドールもだけど、色々と因果と言うかこっち側に多少有利な運命と言うのが後でわかるもんだね。ラフタリアちゃんのご先祖やアトラちゃんやフォウルみたいなね。いやぶっちゃければ最初に起こされた波の箇所がピンポイントではあったけど」
ワニ男もお姉さんと実質同郷の範囲なのですぞ。
「盾の勇者に最初に従っていた従者って事らしいね。俺とは管轄が違うけどー……まあ彼の種族の絶滅にはどうやら波の主犯の暗躍があったのは間違いないみたいだよ」
「また赤豚ですかな? この世界の不幸は奴の所為ですかな?」
「だろうね。そうだなー……君は覚えて無いだろうけど転生者とか勇者が皮肉る時に『どうして魔王は勇者を最初に殺さないんだ? 弱いうちに殺さないのはおかしいだろ?』ってのがあるのだけど、文字通り魔王が本気で勇者を潰そうとあれこれしてると思えば不思議じゃないよね?」
「嫌な例えですぞ」
俺たちは赤豚本体の仕込みでボコボコにされたのですぞ。
ゲーム知識なども厄介な範囲で間違いだったのですぞ。
「もしかしたら彼って……うーん」
「ワニ男が何なのですかな?」
「いや、俺も見切れないな……何かありそうだけどテオドールよりわからないや」
「ウサギ男の方が分かるのはどういう事ですぞ」
「だって彼の由来は精霊、しかも――それを言うのは憚られるし関係は無いから」
そんな匂わせやめろですぞ。
「代わりにアーク先生の小話してあげるね」
「変に逸らされたですぞ」
「良いから、養子を育てたって話のヤバイ二代目ってさ精霊になった際に凄い人の嫁になったんだよね。上位も上位、精霊神獣って精霊の神様にね」
「へー……ですぞ。ん?」
なんか引っかかりますぞ。




