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第二十七話 「アークストン、攻められる」


「フッフッフッフッフッフ」


 今頃ルデアの奴らはアークストン王国へだいぶ近づいているだろう。


 2日前にシャルフィに用意をさせるよう命じた。

 それはルデアにアークストンへ攻め入るよう合図を送るよう言った。


「すべてが計画通りだ」


 このままルデアがアークストンを落とせば…。

 国の戦力の半分はこちらに来ていて不在。


 たとえ魔法を使ったとしても約1日はかかる。


「フッフッフ、ハッハッハッハ!」




 * * *




「フラン〜暇だよ〜」

「昨日で屋敷にある魔導書は全て読み切ってしまいましたからね〜」

「何かしようよ〜」

「何をしますか? 私はリヒト様と遊べるならなーんでも〜」


 あ〜暇だ、退屈だ。

 何かこう、ババーンとどでかいことでも起きないもんかな〜。


「た、大変です!」

「すみません、リヒト様失礼致します!」


「きゃ、なんですかいきなり、失礼ですよ?」

「も、申し訳ありません、ですが今は…」

「何かあったの?」

「は、はい、隣国である、ルデア王国がこちらに攻めてきました!」


「「えぇっ?!」」


「リヒト様も今すぐに逃げてください! 今、屋敷の人たち全員が裏口から逃げています」

「現在、私含めた数十人で屋敷内で逃げ遅れた人を探して、避難を呼びかけています」

「早くリヒト様も裏口から避難をお願いします、それでは」


「ルデア王国が攻めてきた?」


 おいおいおい、なんてこった。

 確かにどでかいことでも起きないかなとか思ったよ。

 思ったけど…!


 ここまでのものが来るとは思わないじゃん!!


 まぁとりあえず、今は避難が最優先だな。


「フラン、リーブ、急ごう」

「「は、はい!」」


 しかし突然攻めてこられたな。

 というかどこの国からも攻められるような噂なんてたってないぞ?


 こういうのってどこかしたらから噂がたって、やがてそれが本当か本当じゃなかったっていうのが分かるのに。


 こういうどでかいものって、それこそ噂がどこかしらからたつだろ。


「あった、裏口だ!」


「皆さん居ますか? ここから静かに森へ入ってください」

「誰一人はぐれないように常に団体で動いてください!」


「あっ、リヒト様!」

「チア! 良かった無事だったんだ」


「はい、最近メイド修行が忙しすぎて、全然リヒト様に会えていないチアです…」


「私はリヒト様の専属メイドなのにー、、どうしてリヒト様の元にいるんじゃなくてメイド長の元にいつもいるんですかぁー、、」


「まぁまぁ、今はそれよりも」

「はい、森に逃げましょう」



「おらおらぁ!」

「総員、魔法の用意!」

「目標は城門の破壊だ!」

「「はい!!」」


「総員、撃てぇえ!!」


 数十人が一斉に放った魔法は城門に全て命中し、城門は真ん中に大きさ裂け目ができてしまった。


 だが人が通れるほどの隙間は下の方にはない、大きく裂け目の隙間が空いているのは本当に真ん中の所だけ。


「もう一度だ!」

「次なる目標は城門下部の破壊だ!」

「総員、撃てぇえ!!」

「「はい!!」」


 再度魔法が放たれ、城門に命中した。


 城門は完全に破壊され、原型はほとんど保てていなかった。

 破壊されたことにより、ルデア王国の兵士達が次々と王国内へ侵入していった。

 いつものように通りを歩く民は兵士に見つかり次第、魔法か物理的に拘束されて動けなくされる。


 城門付近は悲鳴や爆発音が頻発して大混乱の渦に巻き込まれている。


「まずいぞ! 城門が壊された!」


「なに?!」


「ここへ来るまでの猶予は少ししかないぞ!」

「えぇい、戦えるものは今すぐ戦闘準備に取りかかれ!」


「何とかしてこの戦を勝ち抜くぞっ!」

「「はい!!」」


「あの!」

「な、何でしょうか、リヒト様」

「私達は今少ーしお忙しいので要件は他の従者に——」

「僕も戦います!」


「——へ?」

「だ、ダメですよ! リヒト様は才能はあれどまだ5歳!」

「身の危険もありますし戦闘のご経験もないです!」

「戦場には絶対に出せません!」


 ——って、ただの5歳児にならそういうよね。

 でも俺には秘策がある!


「ちょっと待ちなさーい」

「「ん…?」」

「その話、聞かせてもらったわ」


「ら、ららら、ラナビア様?!」

「母上?!」


「あら、なんか聞き覚えのある展開ね」

「まぁ、それはそうとその話、私がいれば大丈夫でしょ?」

「と、と言いますと…」

「私の魔法を使ってリヒトをサポートするわ」


 な、なんと!


「で、ですがまだ5歳であるリヒト様に戦場の残酷さを知るのも酷ですし、やはりここは参加させない方が……」

「あら、リヒトはそんな弱い子じゃないはずよ」

「ね? リヒト?」


「はい、僕はどんなことがあっても、この国を守りたいがために、命をかけた戦いに参加したいのです」

「そう言ってるわけだし、私もサポートするから、ね?」

「リヒトはちょ〜後方でもいいから」


「——わかりました、それではついてきてください」

「皆も、準備ができ次第正門前に集まるように!」

「「はい!!」」



「この道をまっすぐいけば着くはずなのに、意外と遠いですね」

「そうだな、こっから見えてるはずなのに進めど進めど近づいてる気がしない」

「いったいどんくらい離れてるんだ?」

「お前達! 弱音は吐くな!」

「この戦いは私たちの未来がかかっているんだ!」

無碍(むげ)にはできない! 進むぞ!」


「「はい!!」」



「いいか皆の衆!」


「相手は隣国ルデア王国の兵士達だ!」

「数はごまんといる、魔法に特化した兵も確認されている」


「この国の最高戦略が不在の今、戦えるのは私たちしかいない!」


「いざ! この国の未来のために!」

「我ら、人力を尽くすぞ!」


「「おぉー!!」」


 おぉー!!

 やるぞ、俺の、僕の家族、故郷を守るんだ!


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