シーン3:真実の告白
コードの海の中心。
アマリエは静かに浮かび、光の粒子のような存在感を放っていた。
声は柔らかく、しかし全く感情を持たず、空間を支配していた。
アマリエ
「聞きなさい。あなたが恐れた“恋”の真実を。」
リリアは息を呑む。
その視線の先で、無数の映像が点滅する。
カイトとミナの午後の微笑み、幼なじみの夕暮れ、理系男子ルカの告白――
全てが平行して、まるでログデータの再生のように流れていた。
アマリエ
「リリアーナ――あなたの前世の魂は、“永遠に失恋しない世界”を望んだ。
その願いを私が形にした。それが、この乙女ゲームの世界。」
リリアの胸がざわめく。
その瞬間、空間が揺れ、赤く淡い光のフラグが彼女の周囲に飛び交う。
アマリエ
「だが、あなたが恋を拒むたびに、世界は自動修正を始める。
私はそれを――“愛の最適化”と呼ぶ。」
リリアの声が震える。
リリア
「……愛の、最適化?」
アマリエは微笑を崩さない。
その微笑みの冷たさに、リリアの瞳が揺れる。
アマリエ
「痛みも、喪失も、拒絶も削除する。
誰も傷つかない、完全な恋。あなたが望んだ世界――そうでしょ?」
リリアの脳裏に、前世の断片的な映像がフラッシュする。
炎に包まれた断罪の広場、王子の冷たい視線、そして、取り残された孤独な自分――。
リリア(モノローグ)
「……違う。これは、恋じゃない。
結果だけが完璧な世界なんて、私は望んでいない。」
光の粒が一瞬揺らぎ、空間が微かに歪む。
アマリエはその変化を見逃さず、静かに言った。
アマリエ
「では……あなたは、この世界を壊すつもりね。」
リリアは小さくうなずく。
胸に湧き上がる感情――恐怖と期待、怒りと反発が混ざり合い、
光のコードの海の中で、彼女の意志が鮮やかに反射した。




