シーン4:反発と崩壊
リリアの声が、白い空間に響き渡った。
その言葉は、まるでガラスをひび割らせるように、静かな世界に亀裂を走らせる。
リリア
「そんなの……恋じゃない。
“結果”しかない恋なんて、死んだ感情よ。」
アマリエの瞳が、冷たい金属光を帯びた。
微笑がゆっくりと消える。
その瞬間、空間のあちこちでデータの断層が崩れ始めた。
光のコードが切れ、床のようなものが波打ち、
遠くに――教室の映像、旧校舎の廊下、夕焼けの空が、
まるで“上書き保存”の途中で混ざったようにちらつく。
アマリエ
「壊せば、世界が壊れるわ。
それでも、あなたは“恋”を否定するの?」
彼女の声が、金属音と混ざって歪む。
背景の恋愛ルートの映像が次々と破損していく。
笑い声が途切れ、微笑みが静止し、フラグゲージが赤く点滅する。
リリア(低く、しかし確信を持って)
「……否定する。
偽りの恋なら、いらない。」
一瞬の静寂。
そして――空間全体が、崩壊した。
白が反転し、赤いコードの嵐が吹き荒れる。
無数のハートアイコンがノイズとなって弾け、
世界の境界が歪んでいく。
その余波は、鏡の外へも届いた。
現実世界の旧校舎が激しく震え、壁がノイズのように波打つ。
電灯が明滅し、時間の流れが逆再生される。
モノローグ(リリア)
「……境界が、壊れていく。
現実も、仮想も、恋も、すべて――。」
時計の針が逆に回り始めた。
風景が溶け、音が消え、
最後に残るのは、リリアの小さな決意の声だった。
リリア
「――もう、一度だけ。
本当の“恋”を、見つける。」
赤い光が一閃し、世界は静かに暗転した。




