5人は見かけによらぬもの
★お待たせしました!
レティシアさんのアレルギー騒動が無事終わり、わたしは今メラースと冒険者ギルドにいる。
行きたくはなかったけど、メラースが昨日わたしが騒動を解決するときに、魔物をオークやらブラックサーペントやらたくさん狩って来たから、買い取ってもらうしかない。商人ギルドにも行って来たけど、こういうのは冒険者ギルドの専門だと言われた。
別に売らないで、アイテムボックスに入れてもよかったけど、まあわたしだって魔物の死体を大量に中に入れたくはない。さすがになんというか、エグい的な?というわけで来たが、周りがおっさんばっかだ。違和感がすごい。
「こんにちは!ミーナといいます。今日はどんなご用ですか?」
わお、色気満々のボディ!
「こんにちは。魔物の素材ってここで売れますか?」
「はい、扱っておりますよ。よろしければ出してもらえませんか?」
「はい」
わたしはオーク、ブラックサーペントとなんなのかわからない魔物の死体を出した。
「オークと…!!これはブラックサーペント!!キメラ!さらに、レッサードラゴン!?」
「「「「「!!!!??」」」」」
「あ!…コホン、失礼いたしました」
「いえ」
いやー、変に注目集めちゃったなー。
「なんだ、騒がしいな」
「マスター!」
「ん?…ドラゴン!?とサーペント!?」
ギルドマスターは、ポカンとした顔から、急に暗くなってぶつぶつ言い始めた。
「…失礼、中で話をしよう」
「はい…」
わたしはギルドマスターに案内され、接待室らしき部屋に入った。
中は豪奢すぎず、かといって簡素でもない。調度がいい部屋だ。
「さっきは失礼した。俺はジークだ。しかし、お嬢ちゃん、これはどこで手に入れたのだ?」
もしかして…他の冒険者が倒した魔物の死体を拾ったと思われている?
「あの、手に入れたんじゃなくて、このメラースが倒したんです」
「は?何を言っている?冗談はよせ」
「本当です!ねえ、メラース」
「ああ、我が倒したぞ」
「!!?ねこがしゃべった!!?」
ギルド長は顔を真っ青にしながら、叫んだ。
あー、そりゃ突然ねこがしゃべったら驚くかー。
「すみません、驚かせてしまって…実はメラースは大精霊なんです」
「だ、大精霊だと!?」
「ええ、だからしゃべれますし強いです」
「…はあ、事情はわかった。その大精霊様が倒したんだね。さっきはすまない」
「いえ」
納得してもらえたのかな。ひとまずよしとするかー。
そういえば、これを機にギルドに入れないかな?これからもメラースは魔物を狩りそうだし。ヒャッハーとか死ぬ仕事は嫌だけど、それ以外ならわたしとしては入った方が便利だよね。
でも、メラースはどうなのかな?ほら、大精霊って魔物じゃないけど、魔物みたいな存在じゃん。それが冒険者ギルドに入ったら、魔物と敵対するって宣言するようなもんじゃん。…あれ、でもライオンとライオンって食べ合うんだっけ?それに、メラースは昨日魔物を狩ったんだし??…んーわからん。
「ねえ、メラースはギルドに入れる?」
「?別に構わんよ」
「わたしはいいけど、メラースは立場があるじゃん?」
「?構わぬ。そなたが勝手にするとよい」
んーそう言われてもなー。
いやー、でもこれからもメラースは魔物を狩るだろうし、ギルドに素材を売りに来ないといけないもんね。それならあったほうがいい?…よし、決めたわ!
「…あの、ギルドに入ってもいいですか?」
「おう、もちろんだよ!入るかい?」
「ええ、入ったほうが便利そうですし」
「そうだね…でも申し訳ないが、当ギルドの規定によって、最初はFランクから始めないといけないんだ…」
「構いませんよ」
むしろそうして欲しい。じゃないと目立っちゃうしね。
「い、いいのか?」
「はい」
「…わかった。制度は俺から説明する。冒険者ギルドにはランクが7つあってな。君のようなFランクからSまでなんだ。最初はみんなFから始まって、徐々に依頼をこなしていたら昇格する。特別な例もあるがな。依頼もFからSランクまであって、冒険者は自分のランクか一個上のランクしか受けられないんだ。君の場合はFとEな」
「はい」
「それと、あと一つだけ。冒険者が怪我などしても、ギルドは責任を負わないから気をつけてくれよ」
「わかりました」
「それじゃあ、ここに個人情報を書いてくれ」
名前は商人ギルドと同じくリリ・ハナグルマ。従魔は…闇っぽくないけど闇の大精霊、メラース…と。あとはサインだけ。
「できましたよ」
「おう、ちょっと待ってな」
ギルドマスターはわたしの資料を持って、急ぎ足で出て行った。
そういえば、ずっと気になっていることがあった。わたしのスキルの中に『快速成長』というのがあったんだけど、なんだったのだろうな?メラースはわたしよりずっと長く生きているだし、もしかしたら知っているかもしれない。…聞いてみるか。
「メラース、『快速成長』というスキルがあるんだけど知ってる?」
「ああ、そなたのスキルか。悪いが、我も見たことがない」
「なんでわたしのスキルだとわかったの?それに、見たことがないってどういうこと?」
「我には鑑定スキルがあるからな。見たことがないというのはそのままの意味だ。我が今まで会ったやつの中で、そのスキルを持っているのはそなただけだ」
レアスキルってことね。でも、わたしってそんなに速く成長してないよ?効果あまりなくない?それとも、『快速成長』のそのままの意味じゃないの?
「ねえ、その効果についてなんか知ってる?」
「そのままじゃないのか?」
「でも、わたしの成長速度は普通なんでしょ?」
「ふはっ、そんなわけなかろう!普通一ヶ月でやっとできるようになる小さな水玉を、そなたは3日くらいで習得したぞ!しかも、水玉じゃなくて水弾をな!」
「んーたしかにそうなんだけど…」
そんなに速くはないんじゃない?まあ、一応効果があるのかな…?
バンと、ギルドマスターはドアを開けた。
「できたぞ!これがギルドカードだ。失くすなよ」
「ありがとうございます」
「なくしたらねー、手数料とかがかかっちゃうんだ」
「わかりました」
「それと今更だが、登録費が必要でね。銀貨3枚貰えるかい?」
やっぱりかー。お金がどんどんなくなっちゃうわ。
「はい、どうぞ」
「ありがとう。またいつでもいらっしゃいな!リリのお嬢ちゃん」
「はい!」
いい人だった。わたしたちのこと最初は疑っていたっぽいけど、それでも最初から最後まで丁寧に接してくれた。強面だったが、人は見かけによらぬものというのは本当だね。
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お腹が空いたな…でも妹の分を取らなきゃ…。
ある少女は思った。
「ああ…いつまでこの生活は続くの…」
彼女はつぶやいた。
★この謎の少女はーー!?
★メラースは今年で746歳です!
★読んでくださり、ありがとうございます!評価などしていただけると大変嬉しいです!




