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18:大きな差

戦いなんて求めていないというのに、魔族と争わなければならなくなってしまった。

私の手の内はある程度知られてしまっているから全員私の聖女パンチから身を守るために物理攻撃を守るための防具だってつけているし、植物による毒などの対策もばっちり。ここまでばっちり対策された状態の相手と戦わなきゃいけないなんて嫌になっちゃうよね。

もちろん、そうじゃなくても戦いは嫌だけど。


こうなると私にできる事なんて、結界で身を守りながらひたすらできる限りの攻撃の魔法を使っていくこと…………というのは昔の話。

向こうも私の手のうちなんてあまり知らないだろうからそういう手を取るという予想をしていると考えたうえでこちらもそれを利用させてもらうことにして、


「結界などで我らの行く手を阻めるものか!」

「その対策くらいしているぞ!!」


まず自分の周囲を結界で覆ってみれば、即座にそれは破壊されてしまった。

どうやら私の結界を前回破れなかったことでこの対策も立ててきてしまっていたみたい。相当気合入ってるね。

でも、こちらとしてそうだった方がありがたい。

今までの私や歴代の聖女の戦い方への対応策を考えているのだとしたらそのぶん汎用性の高い手法の考案は進んでいないはずで、


「っ!?いない!?」

「聖女が消えたぞ!?」

「どこ行った!?」


案の定、私が少し姿を消して見せれば魔族は大慌て。

前の世界で開発した光学迷彩の魔法を使っただけなんだけど、予想以上に焦ってくれてるね。一度この魔法は植物を隠すのに使ってるんだけどな~。


正直ここで通用してしあったのは微妙なところ。

悪いわけではないんだけど、一度見せたものだし何も対策されていないと考えることもダメだと思うんだよね。それに、落ち着いて探されたらすぐに見つかってしまうと思う。最悪の場合広範囲への攻撃で無理やり見つけ出そうなんて言う事にもなりかねないし、私としてもこの状況ではまだまだ安心なんてできっこない。

という事でさらに何枚か混乱が落ち着かないうちに切らせてもらって、


「見つけたぞ!」

「そこだ!」

「ま、待て!それは偽物だ!」


突然現れた私の姿に魔族は色めき立ち、再度集中砲火を浴びせる。

しかし、数人の魔族は気付いたようだけどそれはただの偽物。私が暇なときに結界で試していたような、映像を結界の上に表示させることの応用でしかない。


気付かれたとしてもすでに魔法など攻撃はされているから、この展開は予想通り。

魔族が私を囲んで集中砲火を浴びせるような形にしていただけにその攻撃が私に当たらないとなるといろいろなところに被害が出て、包囲は一瞬にして緩むことになった。

その間に私は方位を抜けて逃げさせてもらおうかな~。

もちろん同じように私の偽物も用意して、ね。


「どれが本物だ!?」

「クソッ!これのどこが聖女だ!」


比較的あっさりと包囲を抜けられたので、私は逃走の準備を開始。

どこまでやるつもりなのかは分からないけど、私も痛いのは嫌だからね。ケガをする間に逃げてしまおうという考えなの。


ただ、さすがにそのまま逃がしてくれるほど相手も甘くはなくて、


「その程度の小手先の技でこの目をごまかせると思うな」


「あら~。さすがに魔王さんにはバレてしまいますか」


こっそり光学迷彩を使って逃げようとしていたんだけど、魔王に先回りされて逃げ道をふさがれてしまった。

けど、慌てはしないよ。すぐに自分の周囲に結界を張って守りを固めたからすぐに飛んできた魔王からの攻撃は防げるし、


「お返しです」


「なっ!?こんな魔法。使えるとは聞いていないぞ!」


今の私には反撃の手札がそれなりにある。

実をいうと、今まで回復をかけて回る中でいろんな都市に寄っていたから、そこでいろんな本を読む機会があったんだよ。言語の問題もあってすべてを読むことはかなわなかったけど、それでも私の強化と逃亡に使える技術の書いてある本は重点的に読んだしいくつも技術は吸収させてもらった。

だからこそ、今の私は魔王に以前見せた者とは違う手札を何枚も持っている。


さすがに世界各地の知識と技術までは魔王も把握していないようで私の反撃には魔王も良く知らないものもあり、対応が遅れるし完ぺきとは言い難くなる。

思い切ってお互いが邪魔しない程度でやれるだけの数の攻撃をすべて叩きつけてみたらかすり傷程度ではあるけど何ヵ所かケガをさせることにも成功。

魔族は血が赤色ではないんだという事もここで初めて知ったよ。


「紫色の血ですか。肌も青白いですし納得と言えば納得ですね」


「最初に目をつけることがそんなところなのか?これでも此度の侵略で一度たりとも血など流したことなどなかったのだ」


「そうなのですか?それはそもそも正面に立って戦った回数が少ないからなどと言う理由ではなく?」


「ふむ…………ないとは言わん」


なんだこの魔王。

適当にもほどがありすぎないかな?特段傷をつけたことが凄いことではないみたいじゃん。

もちろんすごいことをやりたいわけでもすごい事だと言われたいわけでもないけど、微妙なボケに何とも言えない気持ちになるよ。


ただ、とりあえず今回試したもので私の新しく覚えた魔法などはある程度魔王にも通用することが分かった。

光の槍みたいなものを飛ばすことが主な攻撃手段ではあるから魔族に聞きやすくて人間に聞くかどうかは不明と言う可能性もあるけど、今回はおそらく役に立ってくれるはず。

魔王と通常の魔族にどの程度力の差があるのかは分からないから攻撃力を極限まで低下させる代わりに数を多くした魔法を放たせてもらって、


「ぐわぁぁぁ!!???」

「申し訳ありません魔王様。ここが限界のようです…………」

「これが聖女の力、か」


「あ、あれ?思ったより被害が…………」


「ふん。さては魔王とその他の魔族の差を誤認したな?これでもそこらの者どもなどいくら集まろうが傷一つなく全滅させられるくらいには差はあるのだぞ?」


「おや。そうだったのですか。それはそれは…………やはり威力を最低まで落としていて正解でしたね」


思っていた以上に私の魔法には威力があったみたい。魔王がかすり傷で済ませたから大丈夫だって考えちゃったじゃん。

この魔法も王宮の書庫にあったものだったんだけどな~。ちょっと封印みたいなことはされてたけど私の力をぶつけたらすぐに解除できたしそこまで厳重に管理されていたものでもないんだけど。こんなに強いならもっとしっかりロックをかけて保管してほしかった。

私が凶悪な魔法なんて使えたってあんまり意味はないんだから。逆に聖女としてはあんまりイメージとあわない気がするし。


それに、こうなってしまうと私が新しく覚えた他の技術も全力でやって大丈夫かどうか不安になっちゃうよ。

一旦魔王に使ってみてから他の一般魔族さん達に使って問題ないか確認するしかないね。


「先ほど使った中にも危険魔物があるかもしれませんし、1つ1つ試していくので気を付けてくださいね、魔王さん」


「なっ!?ふざけるな!実験台にするつもりか!?」

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