表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/40

36:いらない支持

予想外に魔族や追放された人たちの活動は活発。

どうやら侵略するのは私のいた国だけは収まらないようで、次々と国や集落が制圧され支配されていくことになった。


もちろんこうなると私も働かずにはいられない状況となり、


「聖女様!どうかこの子を!」

「癒しを頂きたく」

「救いは聖女様のみ…………」


「皆さん一度にまとめて治しますのでできるだけ詰めて集まってください。痛みで動けない方はもちろんその場で止まっていていただいて構いませんが、迅速に完了させられるよう協力をお願いします」


破壊された城壁のがれきがぶつかった人。逃げる貴族などの馬車にひかれた人。

なぜそうしたのかは分からないけど貴族が人質に取った人々。

そうした人たちを魔法で治療していくことで私は侵略された土地での後始末を行なっていた。

やることはけが人病人の治療にはとどまらず、辺りに散らばったがれきの撤去なども仕事にはなっているね。


そして稀にではあるけど、


「聖女よ!民の命が惜しければ私を治すのだ!」


「た、助けてください聖女様!!」


「民を人質にして私に要求をするとは。なんと愚かな」


逃げて隠れていた貴族が、魔族などが去ったタイミングで姿を現し人質を取って私に要求をしてきたりすることもある。

そう言う時には頼れる見方がいないため私が動くことになり、


「目つぶし、からの聖女パンチ」


「ぐわぁぁ!!???」


バフをかけて人質に取られている人たちがケガをしないようにしたうえで、フラッシュライトのような魔法を使って相手の目つぶしをした後に聖女パンチをお見舞いする。もちろんその後悪さができないように適当な柱に括りつけたうえで力を奪わせてもらうことで無力化もできるね。


そこまでやってある程度平穏を街に戻すことができたらまた別の場所へと全力ダッシュ。

こんなことの繰り返しで、私もなかなかハードワークをしているよ。

後始末ができる人間が私1人だけと言うのがなかなかつらいね。魔族は兎も角、せめて追放された人たちの数人くらいはこちらの手伝いに回してくれてもいいと思うんだけどな~。


「聖女様!ありがとうございます!」

「うぅぅ。聖女様がいなければどうなっていたことか」

「魔族ではなく聖女様が上に立ってくれれば幸福だったのですが」


「私もそれなりの力はあると自負してはいますが、さすがに1人ですので限界があるのです。魔族のように相手が1人でない場合は私ではどうしようもありません。攻め手1つの国に1人の聖女がいるとなっていればまだ違ったのかもしれませんが」


各地での活動の結果、私の人気は急上昇。

前の土地に戻ることはしていないから実際に目で見たわけではないんだけど、どうやらいろいろな場所で私の石像だったり銅像だったりを立てようという話が出ているらしい。そして何故かは知らないけど私が行く先にはすでに私の肖像画が出回っていたりする。

これでもかなり私の移動速度は早いはずなんだけど、なぜこうなっているのやら…………。


ただこの現象は悪い物ではなく、私の姿を知られていることでスムーズに協力してもらえるようにはなっていた。

私に気づいた人が率先して声をかけてけが人や病人を集めるよう声をかけてくれるし、変に引き留めようとする人は引きはがしたりもしてくれっる。

たまに権力者が私を引き留めようとしてそれを身分の低い人達が止めようとした結果反乱に近い状態に陥っていることすらあったよ。


ただ問題もあって、予想以上に私に世界の統治を望む声が多い。

魔族よりも聖女に上に立ってほしいという気持ちが分からないわけではないけど、こちらとしてはいい迷惑だよ。


「私に政治的な能力を求められても困ってしまいます。小さな街すら管理をしたことがないというのに、いきなり国を超えてほぼ世界のすべてを統治するなんてできるわけがないというのに」


「それはそうですけど、統治能力を期待できないのは魔族も同じですからなぁ」

「魔族に任せるくらいなら聖女様にお任せしたほうが何倍も良いという考えです」


私こうして困って見せてもすぐに反論をされてしまう。

確かに魔族が長らく表に出てくることはない容易だったから、その統治能力に不安があるのは理解できる。

とは言っても私はその味方公爵令嬢だった推定主人公さんがいることは知っているし、それ以外にも元役人の日音などもいることを理解しているため統治した後の運営能力がそこまで低いとも思えないんだよ。

もちろんいくら公爵令嬢と役人がいるからと言っても、全ての制圧してきた国を完璧に管理するというのは無理があると思うけどね。公爵家の領地と制圧した国々の面積は明らかに違い過ぎるし。


どうやってこれから広大な面積の土地を支配して統治していくつもりなのか疑問には思うんだけど、さすがに考えてはあるよね?もし計画していないとしても主人公補正でうまくいくことに期待しておこうかな。

ただ、その程度の認識しかできてないから今の状況に私が焦っていることも間違いない。聖女と言う役割の関係上、私をトップに持って行こうとする人たちを容赦なく始末するというのは無理な話だからね。


「何かうまく魔族が支持を獲得できるような手があればいいんだけど」


どこに行っても魔族は恐れられているし、誰もが魔族が支配をすることに恐怖し不安を感じている。それだけに私に向けられる期待も大きい。

この件の解決には魔族のイメージアップが必要だし、そうしなければ私をトップに据えようとする人たちが団結して反乱を起こしかねない。


正直そこで反乱を起こすのは勝手にやってというところなんだけど、そこで私の名前を使われてしまうのが問題。

魔族に人間が刃向かう理由になってしまうのだとすると、私が邪魔だという風に考えられてしまいかねないんだよ。


「逃げるための準備と化しておくべき?」


私の手の内はかなり魔族に走られてしまっている。

依然軽く戦った時のように透明にした植物で毒をばらまくみたいな戦い方はもう通用しないだろうし、真正面から戦えば勝ち目なんてないと思えてしまう。

となると、私に残された手は逃げる事のみ。

どうしても争わなければならなくなるようであれば、逃げて縛ら姿をくらますしかないかな~という結論に行きついてしあった。


そのために少しだけ闘争方法も考えたし、姿を隠しておく潜伏先の候補探しも始めた…………んだけど、どうやら私の行動は遅かったみたい。

毎日同じことの繰り返しで仕事しかしていないと言って良いほどの量の治療をこなしていたんだけど、いつの間にか私はこの世界のほぼすべての国を回ることに成功していたようで、


「いい加減聖女を押す人間が面倒になってきてな。一度奴らには現実と言うものを教えなければならんだろう。聖女1人で我々を超えることなどできんなとな」


「あら。戦いですか。あまり私はそうしたことは得意ではないのですが」


「ふんっ。どの口で言っているんだか」


当たり前のように私が魔王と、それもあの日以上の数の魔族と共に私と対峙する魔王と戦うこととなってしまった。

聖女って、戦うための役職じゃない気がするんだけどなぁ…………

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ