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もふもふと楽しむ無人島のんびり開拓ライフ ~VRMMOでぼっちを満喫するはずが、全プレイヤーに注目されているみたいです~(旧題:Iris Revolution Online)  作者: 紀美野ねこ
興禍同心

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第634話 秘密の共有

 1時間ほどみっちりと会議し、互助会でやりとりする物だけでなく、その量、時期や間隔といった細かいことも詰めた。

 突発的に何かしら欲しい物ができたり、やりとりに問題が起きた時は『リヴァンデリ』に連絡することに。

 ちなみに本土にあるほとんどの物は、マスターシェフさんの知り合いが調達可能らしく、すごいなあと。


「他に何かあります?」


 ユキさんからそう言われて、サバナさんが挙手。


「えっと、今日渡すハクの種籾です。先に鑑定してもらえますか?」


 サバナさんが小さな袋を二つ、インベントリから取り出す。

 ありえない話だけど、ちゃんとしたものを渡しますよってことか。


「ショウ君とカシスさん、できればアズール様にも見てもらうのがいいかな?」


「あ、はい」「了解にゃ」「おっけー」


 ってことで、一つを受け取って開くと、じいちゃん家で見たことのある種籾が。

 少し手のひらにとって鑑定。


【ハクの実】

『月白の女神の祝福を持つと言われる実で栄養価が非常に高い。

 料理:さまざまに利用可能。素材加工:醸造に利用可能』


「間違いないです」「ですにゃ」


「ねーねー、ショウ君。醸造ってことはお酒になるの?」


「あー、はい、なると思います。俺としては先に味噌、醤油、みりんが欲しいところですけど……」


 お酒、日本酒ができても、俺やミオンは飲めないからなあ。

 とにかく味噌と醤油が先に欲しい。新鮮なキュウカ(キュウリ)に味噌だけでもすごく美味しいだろうし。


「月白酒っていうのかな? 度数が高めで、ワインやブランデーとは違った味わいのあるお酒になると思いますよ」


 そう説明してくれるマスターシェフさんに、目を輝かせるアズールさん。

 あんまり期待させないで欲しいんだけど。

 まあ、それはいいや。


「えっと、俺からもいいですか?」


「あ、どうぞ」


 うん。ここにいる人には、もうバラしちゃってもいいや。

 エメラルディアさんがサバナさんの島に行ったことはバレてるし、なら、俺が行けても不思議じゃないわけで。


「これ、サバナさんにお返ししておきます」


 インベントリから特大サイズの魔晶石を取り出し、テーブルの上へと置く。

 それを見たみんなが口をあんぐりと開けて驚いている。あ、いや、アズールさんはニコニコしてるか。


「え、えっと、返すってどういうこと?」


 いわゆる離島襲撃事件って呼ばれてるやつ。

 俺が竜族にお願いして、アズールさんが転移魔法陣を使えるようにし、エメラルディアさんも現地に救助に行ったことになってるわけだけど。


「実はですね……」


 俺もあの日、アージェンタさんに乗って島に行ったこと。

 古代遺跡に裏口から侵入し、いろいろあって俺がこの再起動用の非常用魔晶石を確保。封印されてた転移魔法陣を使えるようにして帰ったことを話した。


「それって、ここにいる人たちが聞いていいことなのかい?」


「正直、全然関係ないのに聞いちゃって気まずいのにゃ」


「あはは……」


 ユキさんやマスターシェフさん、カシスさんには申し訳ないけど、今のタイミングで渡しておくのが一番かなって。


「これは……、聞いてないことにしてもいい?」


「それはダメー。今ここでの竜族の代表として、その魔晶石がショウ君からサバナさんに渡ったことを見届けたからね」


「あ、はい……」


 アズールさんにそう言われて白目になるユキさん。

 ベル部長と似てるな……


「サバナさんは古代遺跡の制御室って行けました?」


「あ、うん。魔女ベルさんから話は聞いてたから」


 襲撃事件に混じってた悪魔から『蒼星の指輪』を手に入れてたのもあって、制御室にはすんなり入れたと。

 で、悪魔に倒された侵入者の遺品(ドロップ)とかは見つけたんだけど、再起動に必要な非常用魔晶石は見当たらず。

 元からなかったか、生き残った悪魔が持ち帰ったんだろうと思ってたそうで。


「すいません。さっき話したとおり、侵入した連中が探してたんで、先に入ってた俺が取っちゃってました。で、返せないまま転移魔法で帰っちゃって」


「いやいや、謝らないで! こっちは助けてもらったんだし!」


「そのまま黙って持っててもよかったのに、ちゃんと返すのがショウ君らしいというか……」


「いや、小心者なんで」


 非常時だったとはいえ、人ん家から勝手に持ち出して、それを自分のものにするとか最悪だし。


「じゃ、僕からお願いなんだけど、それで古代遺跡を再起動できたら教えてくれる?」


「は、はい!」


 アズールさんのチェックが入ることになったし、俺としてもあとのことはお任せしますで。


「あそこは厄災がらみの施設じゃないとは思うけど、一応ねー」


「なるほど!」


 ニーナ曰く、第七洋上中間港っていう港湾施設らしいし、復活したらどこかに船が見つかりそうな気がするんだよな。

 そういや、前に大型魔導船をくれるって話があったけど、ああいうのがどこかに隠されてるかも?


「じゃ、これで終わりでいいかい?」


 マスターシェフさんの言葉に皆が頷いて、事前の打ち合わせは終わりとなった。

 俺やマスターシェフさんは食事会に、作る方で参加するわけだけど、


『サバナさんはこの後どうされるんでしょう?』


 とミオンから声をかけられたので、そのまま尋ねる。


「あ、この島を見学させてもらう予定です」


「私や白銀の館のメンバーで案内するつもりよ。もちろん、ショウ君の作った女神像がある教会にもね」


「あ、はい……」


ラズ&シャルも登場する書籍7巻、本日(6/17)発売です!

https://dengekibunko.jp/product/322510001125.html

https://syosetu.com/syuppan/view/bookid/9108/

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