たて笛を求めて
この小説は何処に向かって走っているの?
大丈夫なの?着地点とか・・いや本当に!
聖騎士とまで言われたフォンが暴走し、たて笛を求めるのには少しばかりのシステム上の問題のせいとフォンの性格のせいだ。
NPCの時間(成長)を止めるには結婚システムを使って【永劫の誓い】を交わさないといけないが、NPCと結婚するにはNPCが18歳まで待たないといけない。
つまりフォンが望む外見のNPCとの結婚はできない。
ならば外見が成長しないプレイヤーと結婚すればいいのではないかと思う人もいるだろう。
しかしそれも【この世界】では無理だ。
フォン達がいる世界である【ファンタジー03】を死後の世界として選択できる年齢は18歳から。
そしてこの世界で使う事ができるベースの体はプレイヤーの全盛期の体からあまり離れた年齢を選択できないようになっている。(これは戦闘行動に支障を出さない為の措置だ。)
つまり外見で幼女はほぼいないと言っていい。
フォンほどの地位ならば幼女のNPCを幼女の時間だけ囲うことも出来るかもしれないが、フォンの性格上それはできない。
というか、そんなやつなら聖騎士にはなれないだろう。
結果、フォンは自分を押し殺し、そして擦り切れた。
いままでは偶然出会った背徳的な匂いのするアイテム【少女のリコーダー】のおかげでまともでいる事ができた。
別にリコーダーじゃなくても良かった。体操服でもブルマでも・・くつしたでも良かったかもしれない。
だけど、ラングという商人がいない今、フォンがそれらを入手することはできなかったのだのだ。
・・・
「フォンさん、あんた何やってんだ?あんたなら言えばたて笛の1つやふた――」
「うるさい!」
ラングは現在牢屋から連れ出されある地下倉庫に軟禁されていた。
そこにはフォン以外にも特に贔屓にしてもらっていた隠密のクロウや聖僧侶のムラウサがいる。この3人の実力は折り紙つき――多分だがアウロラのトップ10には入るだろう。
(アウロラは何時からロリコンの巣窟になったのかね。まぁ、その原因の一部は俺のせいなんだろうけどさ)
ラングはため息をついた。拘束はされていない・・というか、かなりの高待遇だ。
ソファーやらジュースやら色々用意してくれているんだが、格上プレイヤーに囲まれて視線を一身に受けるのは中々に居心地が悪い。
「俺達が望むのは新しいたて笛だ。ラング、それだけなんだよ。」
フォンの目が血走っている。他の2人も似たような物だ。どうしてこうなった。
しかし何と言うか、みんなに期待してもらっている所悪いんだけどもうたて笛を盗んで使う事って不可能なんだよな。
エルモア学園は今回の一件を重く見たのか、たて笛をユニーク設定した。
もう所有者の意志で譲らない限り使用する事ができないようになっている。盗む事自体は出来るかもしれないが、使用する事はできない。
所有者以外は空気の壁に阻まれて口の部分をペロペロする事もできない。
それをするには所有者の許可がいるのだ。その事をラングはフォン達に伝えた。
フォン達の顔が絶望に染まる。
もうペロペロできないのだ。無理も無い。
「な、なんとか出来ないのかラング!?」
フォンは縋る様な目でラングを見る。
そんな聖騎士の姿にラングは困ってしまった。そしてうっかり口を滑らせてしまう
「そうだなぁ、エルモア学園がユニーク設定を解けば使用する事はできるようになるだろうけど、そんなの無理だしなぁ。」
ラングは空気が変わったのを感じた。




