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死んでから冒険  作者: トカゲ
アウロラ滞在編
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35/92

スキル3

ヒーローってのはギリギリ登場ってのがカッコイイのでしょうね。

でも余裕を持って登場するヒーローの方が本当はカッコイイのでしょうね。


あ、本文と前書きは関係ありません。

ただ書きたかっただけ。

「さて、さっそくスキルを使ってみようかな。」


俺は【疾風】のスキルを唱えてみる。

フワリと俺の周囲に風が纏わりつく。風が目に見える形で体に纏わりついているのは不思議な感じだ。

触ってみてもダメージはない。

取りあえず走ってみても何時もより少し早く感じる程度だ。


なんとも微妙な感じだが、殴る速度も速くなってるし、思考も少し鋭敏になっているみたいでかなり使えるスキルだった。

周囲にはスライムしかいないから何とも言えないが、モンスターは俺の体の風に当たるとダメージを受けるらしい。さっき走ってるだけで周りのスライムダメージ受けてたし。


【疾風】も【腕力上昇】も確かに便利なんだが、魔力の減りが結構早い。

常時使っていると、今の俺の魔力じゃ5分も持たない。

【疾風】と【腕力上昇】を同時に使ったりしたら3分も持たないだろうな。


どこぞの宇宙ヒーローよりも全力を出せる時間が少ないのが悲しくなるが、魔力は魔力を使うスキルを使い続ければ上がるみたいなので、何とかなるだろう。


日も暮れはじめスライム以外のモンスターもちらほら出てきているが、今の俺には問題ない。

スライムでレベル上げしていた頃ならともかく、今はレベルも上がっている。

夕暮れから出てくるモンスターレベルの平均は6、夜になればまた手に負えない敵も出るが、今なら余裕で倒せるレベルの敵だ。


「う、うわぁぁー!?」


今日は戦闘目的じゃ無かったため、もう帰ろうかと町に向おうとしたら、悲鳴が聞こえてきた。

周りを見渡してみると少し離れた所で明らかに初心者っぽい男がワイルドボアに襲われている。

何で初心者っぽいか?装備が初心者装備一式とかいうNPCから買える激安装備だからかな。

あらかた初めの頃の俺みたいに帰るタイミングを間違えたんだろうな。

俺と違う所は装備と・・あとあの人、パニックになっちゃってるから多分このままだと死ぬな。


俺は助ける為に【疾風】と【腕力上昇】を使用してワイルドボアに向かって走る。

全力で走って来る俺の事に気付いたワイルドボアは意識をこちらに向けてくるが、もう遅い。

俺は右腕を振りかぶり、全力の右ストレートをワイルドボアの右頬にぶつける。

【疾風】で走って来た勢いと【腕力上昇】で強化された俺の右ストレートは予想以上に強力だったらしく、ワイルドボアは回転しながら吹っ飛んでいった。


初心者?がこちらを茫然と見てきている。

こ、これは場を和ませる為にもなんかカッコイイ事を言わなくては!


「ヒーロー参ッ上ォ!!」


―この世界にきて初めて人助けをした後の俺の決め台詞は「大丈夫だったか?」でも「もう安心だぜ?」とかでもなく


「ヒーロー参ッ上ォ!!」


という中々に恥ずかしいセリフだった―



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