虫さん退治2
「・・もう、無理。」
どれ位の時間が経っただろうか?
太陽は沈みかけ、俺の下には虫の残骸が散らばっていた。
遠巻きに虫が蠢いているのが見えるけど、そろそろ帰りたい。
たしか宿の夕食の時間もこれ位に出るはずだ。これどうしたら良いの?
最低品質の安い食事みたいだけど宿代に含まれているらしいので何としてもいただきたいんだが。
もうこれは群がって来ている虫は放っておいて宿に逃げるしかないかな!
宿屋は結界でモンスターは入れないみたいだし、ダッシュで行くしかないか!
そう決めると俺は虫達を完全に無視して走り出した。
「おー、追いかけてくる音がするよ。後、振り向けねぇー!」
ゴロゴロゴロゴロと転がってくる音がする。
威圧感が半端無いです。これ、宿屋の結界が壊れる勢いじゃないの?大丈夫なの?
結界壊れたから弁償お願いしますとか嫌だぞ、俺!
いや、それよりも宿が壊れたから野宿が嫌だな、全身緑の体液でベッタベタなのに風呂に入れないのは嫌すぎる。
でももう俺に戦う気力は残ってません!今だって足ガクガクだもの。
宿の建物が見えてきた。これで大丈夫だ・・多分!
途端に虫達の転がる音が止まる。何だろうと振り向いてみたら虫達が少し後ろで俺の事を睨んでいた。
「おー、結構引き連れてきたねぇ。」
宿の方から声がする。振り向いてみると宿の受付のおばちゃんが出て来ていた。
「そこからモンスターは結界で入れないから安心しな。っていうか凄い格好だね?近接武器で虫と戦ったのかい?」
「えぇ、弓とか魔法とかもってないので。」
「・・・虫は遠距離で倒さないと仲間が集まって来て大変だったろうに。次からは弓でも買ってから行くんだね。」
俺の格好を見て、宿のおばちゃんは呆れたように言った。
聞いてみると、虫系のモンスターは遠距離武器で急所を狙えば時間は掛かるが安全に倒せるらしい。
虫達は痛みをあまり感じないらしく、攻撃しても気付かれないんだそうだ。
逆に近接攻撃等でモンスターの体液を浴びてしまうと、その匂いで他のモンスターが寄ってくるから絶対にやってはいけない事らしい。
・・・ミラさん、教えておいてほしかったです。




