表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
2/2

後編

待ちに待った日が来た。

昨夜は襲撃を警戒して、眠れなかった。

隈ができてひどい顔だろう。

クルーズ船スタッフにここで下船し、旅行は中止すると告げた。

身内に不幸があったと嘘をついて。

昨日から嘘ばかりついている。

今日の嘘は、隈の効果もあって、お悔みまで言われた。


無事、船から降りられて、その場で脱力した。

助かった......。

オプショナルツアーに向かう人たちが、バスに乗り込んでいくのが見えた。

楽しそう。

あの中にゾンビはいるのかな?


「もうゾンビはいないよ。私が片付けた。」


いつの間にか、あの吸血鬼が日傘をさして立っていた。


私は固まった。


十字架もニンニクも効かない?


「個性的なTシャツだね。

十字架はね、確たる宗教心がないとダメなんだ。

宗教心、持っている?」


いいえ、持っていません。


「それと、そのニンニク、ものすごく臭いよ。

私じゃなくても皆嫌がると思う。」


いいんです。皆に嫌われても、命さえあれば。


「流れる水や日光が苦手なんじゃ......」


「荷物に故郷の土を入れた棺を紛れ込ませた。

他にもこの方法でうまくいった奴がいたからね。

それにこの日傘、遮光率がすごく高くてね。

昼でも問題なしだよ。」


そうですか。よかったですね。


「ところで何の御用ですか?」


「ゾンビの顛末を知りたいんじゃないかと思って。

あの戦い、すごくよかったよ。

危なかったら、助けようかと思ったけれど、私の出番はなかったね。

モップ、最高!」


見てたのか。助けもせずに。


「花火の晩の女性は?」


「大丈夫。ちょっとだけ献血してもらって、記憶を消したから何も覚えていないよ。」


「いろいろと教えてくださって、ありがとうございました。

では、さようなら。」


とにかく吸血鬼から離れよう。


「そのニンニクだけは、はずしたほうがいいよー。」


という声を振り切って、タクシー乗り場へ急いだ。

近くの駅から新幹線に乗ってなんとか自宅に帰り、死んだように眠った。


旅行を中止してすることもなくなった休日、健康診断に行くことにした。

命大事、健康も大事。

つくづくそう思う。


何度やっても採血は苦手だ。

血を見るのがダメなので、最初からずっと目をつぶっている。


「はい、終わりです。」


なんか聞いたような声がする。

恐る恐る目を開けた。

げげっ!

吸血鬼がいた。

何で?


「看護師の募集があったので、応募してみたんですよ。

人手不足なのか、すぐ採用してもらえて、ラッキーでした。

意外と近くだったんですね。

今後ともどうぞよろしく。」


履歴書とか面接、どう誤魔化したの?

チャームとか、吸血鬼の力を使った?


「僕の魅力ですかね?」


今後ともってどういうこと?

乗船名簿で住所を調べたのね。

こうなったら転居と転職を考えなくちゃダメかしら?

......忙しくなりそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ