生まれ変わり──ウマレカワリ──
生き物は死んでもまた別の形でこの世に生を受ける。
人間は母親の胎内では前世の記憶を持っているが、出産時のツラさでその記憶をなくしてしまうという。
輪廻転生。
本当にそれはあるのだろうか。
昔、家族で従兄弟の家に遊びに行った時のこと。
どうせなら、と集まれる親戚を皆んな呼んでさわごう!
というようなことがあった。
下は幼稚園児から上は87歳の年寄りまでが久々に顔を合わせた。
その親戚の一人に、若くして旦那さんを亡くし、未亡人となったが、旦那さんの忘れ形見であるという男の子を育てている女性がいた。
男の子は旦那さんそっくりで、皆んなから「旦那の生まれ変わりみたいだね」と言われていた。
なんとなく僕は累ヶ淵を思い出した。
怖い話の定番の、次は僕を池に落とさないでね、で終わる話しもある。
もしこの子が旦那さんの生まれ変わりだとして、前世の記憶を持っていたら、現世に残した妻に、一体どんな事を伝えるのだろうか、と。
祖父曰く。
人間は何度も生まれ変わっちゃ、また前世からの縁で再会するもんさ。
「袖触れ合うも他生の縁」って言うだろ?
ほんの少し通り違っただけでも過去世、来世の縁が繋がってるのさ。
それがもし、家族ほど親密な関係なら今までとこれから、どんな関係になるのか、な。
そして夜。
僕は何となく眠れずに家の庭に降りた。
月がとても綺麗で、街灯がなくても明るい夜だった。
しばらくボーっとしていると、少年に声をかけられた。
あの未亡人の子だ。
昼間は大人しい男の子だったが、今の目つきは人間のものではない光が宿っていた。
「君、視える人だろ?」
その声は子供とは思えず、明らかに成人した男の声だった。
「亡くなった旦那の生まれ変わり。というよりは『片われ』だな」
僕は金縛りに合い、動くことも声を出すこともできなかった。
「俺たちはもともと双子だったが、俺の方は死産だった。そして兄が生き残った。だから俺は魂だけ、兄の中で一緒にいたのさ。兄も喜んで受け入れてくれたよ」
そこに子供を探してか、未亡人が姿を現した。
未亡人も声も出せずに固まっている。
旦那さんは優しくて家族思いだと、みんなが話していた。
「俺は兄が今どうしてるのか、奥さんに伝えに来たのさ」
僕は耳を塞ぎたかったが、身体は動かない。
「あいつなら、今地獄にいるよ。俺の代わりにな」




