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百鬼徒然  作者: 葛葉龍玄


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覚──サトリ──

 最近大学近辺で、不審者が出るという話が耳に入ってきた。

 なんでこんなに不審者だの妖怪だのがよく出る大学なのか……。

 まぁ、僕の所為でもあるんだけど(青行燈を参照)

 特にひどい被害はないが、色々話しかけられて、最後には被害者が怖くなって逃げてしまうという。

 なんでも。

「カクゾサラウゾ」

 と言うらしい。

 一体何が目的なのか。

 人間と言葉を交わす怪異はある。

 花子さんもこちらから声かけして呼び出す。

 赤マント、赤いちゃんちゃんこなどは向こうから声をかけてくる。

 しかし、話を聞く限りもっと人間に近いやり取りをしてるみたいだ。

 今の所大きな被害は出てないが、なんとなく嫌な予感がする。

 そして、僕の嫌な予感は大体当たる。

 同じ大学の女子生徒が行方不明になったのだ。

 毎度対応遅い大学だけど、ようやく重い腰を上げた。

 もちろん保護者は捜索願いを出しているし、テレビなんかでもチラリと報道された。

 ただ、僕にはそれが人間の仕業じゃなかったとしたら、なんの怪異なのか全く分からずにいた。

 しかも、その不審者の被害は減らなかった。

 地域でも、警察でもパトロールをしたり、人通りが少ないところは立っていたりする。

 それでも。

 第二、第三の行方不明者がでた。

 被害者はみんな女性。

 一体なんなのだろうか。


 祖父曰く。

 姿がわからねぇ妖なんざ多々いるさ。

 動物と見間違えることだってある。

 だが、本質を見誤るな。

 違う事件が頻発して、犯人は複数だとは限らねぇ。


 本質。

 人間に声をかける。

 人を攫う。

 僕は話しかけられただけで済んだ女子に話を聞いてみた。

こちらの思っていることを言い当てる。

 気持ち悪いと思えば「今気持ち悪いと思っただろう?」と言った風に。

 そこまで聞いて、ようやく正体がわかった。

 犯人は覚だ。人の思考を読みイタズラをするという。

人の思考を読み、人と同じ様に話し、さらには人をさらう、

 そして覚は年月が経つと、やまこや攫と呼ばれる怪異になり人間の女性をさらって子を産ませるという。

 覚も攫も、カクと読み、さらに攫はサラウと読む。

 この妖怪は最初から人をさらう妖だったのだ。

 そして子供を宿した女性は人里にて妖怪の子を産み、育てなければ殺される、と。

 行方不明の女性たちのその後は、僕にもわからないが、彼女たちはいったいどうなってしまったのか。



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