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孤児で奴隷で女の子  作者: おがわん
第二章 僕の日常生活?
42/45

19.忘れていたつもりはないんですが、ちょっと反省ですね。

 あれから3日ほど経ちました。

 買い物イベントとかお風呂イベントですか? ありましたけどスキップです。

 毎回似たようなアプローチをされる側になってください、ちょっと思い出したくないんです。

 どうやら僕の体は意外な程にビンカンであることと、思った以上の声が大きいといわれたくらいでしょうか。どの場面のどういうシュチュエーションなのかは黙秘権を行使させて頂きます。納得してくださいお願いします何にもしませんけど。


 ……ぉほん。というわけなんですが、とうして毎朝こうなんでしょうか?


「ん~、ゆうちゅわ~ん、ぐへへへ、これが幸せ太りってヤツなのね~」


 現在絶賛抱き枕され中です。僕は僕で布団が抱き枕だったみたいですが。


「にゃ~、これはこれで……うひひひ……あぁん♪」


 毎日こんな寝言で起こされるのはちょっと辛くなってきました。いい加減に手を離して頂きたいのですが、とにかくガッチリとホールドされてそれどころではありません。微妙に僕が痛くない程度に加減されてるあたり、実は起きてるんじゃないかと思いもします。見えないのでわかりませんが。


「ぶひひひ…… うひひひ、ひぃ……くか~っ」


 寝てるみたいです一応。なんか一部わざとらしさを感じなくもないんでちょっと不安です。

 時計を……壁にあるのでわかるんですが、現在朝5時。朝刊配達へ行くならもう起きてる時間ですけど、僕の仕事ではなくなったんでしたっけ。長年の生活習慣というのは抜けきらないもんです。


 しょうがないのでなんとか抜け出し……ぱじゃま掴んでるのかこの人。仕方ないから脱いで……うわ、ボタン掴んでる。なんてハイレベル。もしかして脱がそうとしてたんじゃないかと少し不安になります。孝子さん、信じてますからね。うん。


 えっと、このっ っと、うにゃ! なんか変な声出ましたけどとにかく脱出です。

 ……はぁはぁ。なんとかズボン一つで済みました。とりあえず朝食の準備でしょうか。今日は和風でいきますかね。



----------


「どうでした?」

「ザ・旅館の朝食って感じだったわ~。ナイスでグ~よ」

「ありがとうございました」


 やっぱり美味しいと言って貰えるのはいいですね。


「っていうか味噌汁大変じゃなかった? 出汁入りじゃないの買って来ちゃったから」

「昆布も鰹節もありましたら結構簡単でしたよ。お豆腐とワカメの超定番ですし」

「ふつう一番出汁とかやらない子のほうが多いんだけどなぁ」

「でも本にはそう書いてありましたし?」


 とりあえず本の通りに作るだけなんですけどね。まぁちょっと加減はしますが。

 既に8時半を回っています。珍しくスーツに着替えてバッチリ決めている孝子さん。昨日までと違ってちょっとカッコイイですね。


「……ん~、まぁそういうことにしときましょ。昨日言ったとおりこれからちょっと出てくるから留守番よろしくね」

「はい。了解しました」

「お土産何がいい?」

「……う~~ん、何か……お菓子の材料とかいいですね」


 もう退院して随分たちますし、少しは甘い物が欲しいのです。いえ、僕の欲望というか孝子さんのために……言い訳ですねすいません。


「あぁいいわねぇ、とりあえずお土産兼参考に何か買ってくることにするわ。楽しみにしててね」

「ホントですか!?」

「おぉ、いい食いつき。これは奮発しちゃおうかな♪」


 そんな言葉と笑顔をのこして孝子さんはお出かけしていきました。


 ……


 後片付けしよっと。



----------



 全自動洗濯機なので洗って乾かすまでお任せ。約3時間で終るようです。

 と、掃除機でさささっっと……


 ……


 うん、2時間もあれば終っちゃいますね。ううん。


 ……


 こうなると暇ですね。

 う~ん。


《ピンポ~ン》


 ……何でしょう。呼び鈴の音がします。

 ……う~~ん。ちょっと出たくないですねぇ。

 一応孝子さんにも「居留守使ってもいいから」とは言われていますが、何か緊急だとまずそうですねぇ……


 えっとカメラは、あぁこっちです。

 こういうとき玄関の様子が見れるのはいいですね。ちょっと気楽です。

 ぉおっと、服装的に宅配便の人らしいです。なら宅配ボックスに入れておいてくれるでしょうからいいですね。そのままでも。


 ……そろそろ10分たちますしいいかな。


 うむ、大きなコートだと全身隠れるのはいいんですが、なんだか不振人物っぽくも見えます。まぁいいか。

 っと、あぁこれですね不在表。番号はっと、1234? なんだか手抜きですね。もう少し考えて欲しいものです。まぁ1111よりはましですけど。

 それはいいでしょ、取り急ぎ荷物を…… ダンボールですか。大きさ的にあまり重くは…… ありゃ、案外重い? うぅん。まぁなんとかなり、ま、うん何度か休憩しながら行きましょう。



----------



「はぁはぁはぁ。ふぅ」


 テーブルにダンボールを置きつつ水を一杯。いやぁちょっと疲れました。

 結構重かったです。10kgくらいはあったかもしれません。

 ……僕STR増えてるんですよね? ちょっと情けない気がしますが……まぁいいや、えっと宛名は、僕宛?

 差出人は……住所は書いていませんが、一言「代表より」とだけ書いて有ります。うぅん。代表といったら多分お一人だと思いますが、これはどうしたものかと……


《ぴ~ぴ~ぴ~》


 携帯から音がします。えっと、あぁメールの着信のようです。というか誰が選んだんですかこの着音。たぶん声優さんの声だと思いますが、妙に可愛い声ですよ。一瞬なんだかわかりませんでしたよ。

 えっと、差出人は……代表さん? 丁寧にメールアドレスも『daihyo@anywhere.somewhere.gr.inc』って。明らかに偽装っぽいんですが、それっぽく胡散臭くしてあるあたりが微妙ですね。えっと……


 『ダンボールの中にある手紙の指示に従うように』


 うぅん。益々謎ですね。とりあえず時計みたいな音とかしないか…… しません。そんなもんですか。えっと中身は……黒い箱? と上に白い手紙です。

 どうやらプリントアウトしたようで、直筆とかではない感じですね。サインとかもありません。何気にいい匂いがします。ちょっといい香水を付けている人なのでしょうか? まぁこっちの手紙の内容はっと……


 『これはビーコンのような装置です。自室の机に置くように。毎週土曜の23時にフタが開くので、そこにシルバードラゴンネックレスをはめ込む事で正常動作します。こちらの経過時間は2・3分に短縮されているので居ない間のことは気にしなくて大丈夫。孝子の前以外では使わないように』


 ……ほぁ!?


 イヤ待ってください。なんで『ドラゴンシルバーネックレス』って言葉が入ってるんですか!? 誰にも見せずにアイテムボックスに仕舞ってあるのに!? えぇえぇ!? どこかで調べ……いやいやどういう理屈なんだか意味わかりませんよ。


 おちつけ僕。とりあえずこんな時の[鑑定]です。えっと……



~~~


ビーコン・マーカー


次元踏破における補助具。動作には一定のMPが必要。設定日時になると使用可能になる。登録者以外の使用は不可。


< 使えばわかるから心配しなくていいよ >


~~~



 ……なんだこの適当な最後の文章……


 と、ともかく。指定時間にならないと動かないものであることはわかりました。

 書いてあることが真実とは限りませんが…・・・いやいやどういう理屈で……


 うぅん。サッパリわかりません。そもそもこの『ビーコンのような装置』はどこから入手したのでしょう? なんだか間違いなくあちらの世界の物のように思えます。ついでに言うと差出人はそのことを知っていて、ついでに僕も知っていることを理解しているようです。というか何故……?



《ピリリリリリッ》


 おっと電話です。と、孝子さんでしたか。


『優ちゃんやっと出た~、トイレか何か?』

「いえちょっと考え事をしていたので、すいませんでした。何か御用ですか?」

『大したことじゃないけど。帰りにご飯の材料を買って帰ろうと思うけど何がいいかなぁって相談?』

「僕は別に好き嫌いとかはあんまりないので、むしろ孝子さん的には何か食べたいものありませんか?」

『う~ん、何か食べたい……定番でいうとカレーとかハンバーグってあたりだけど』

「案外お肉好きなんですね~。といってもカレーは結構時間がかかりそうなので、ハンバーグ用にひき肉とか付け合せ用の野菜、ニンジンとか欲しいですね。ニンニクはまだあるので大丈夫ですし」

『うんわかった~、ついでだからカレーの材料とか見繕っておくね~、やっぱ愛情たっぷり煮込んだカレーは最高よね~』

「はいはい、愛情はともかく美味しくなるようがんばりますから」

『へへ~、じゃぁ買い物済んだら帰るからちょっと待っててねぇ~』

「お願いします~、……いやそうじゃなくて実は孝子さん」


《ガチャ》


 うむぅ、聞かれてなかった気がします。

 どうしよう。お米足りないかも。



----------



「大丈夫! 10kg袋で買ってきたから!」


 どさりと米袋を肩から下ろします。なんて男らしい運び方で……スーツでそんなことをするなんてちょっと怖いですよ。

 流石にお疲れな孝子さんをお茶(緑茶)でお迎えしつつ肝心のお米を確認します。

 ツヤツヤ姫というブランド米です。どこのだろう? ツルツル光った感じの米粒が十二羽織をつけています。たぶんこれがツヤツヤ姫なんでしょう。

 米びつが…… 無いかな、まぁ流しの下段にでも入れておきましょう……う、お、重い。というか持ち難い。


 ふぅふぅ、はぁはぁ。いやぁ米袋は強敵でしたねぇ。


「重くて大変だったでしょう。ご苦労様でした~、ってそうじゃないんですよ! 孝子さん孝子さん!」


 すっかり忘れてました。いや流されていただけかもしれません。


「あらどうしたの? なんだか慌てちゃって。ゴキでも出た?」

「え? いるんですか……?」


 やめてくだいわりとマジで。今一瞬恐慌耐性が発動しかかった気配がします。


「いないと思うけど、ほら絶対ってないし」

「いやだなぁ……いないといいなぁ……」

「あははは、大丈夫! スリッパとか常備してるから! じゃなくて越してくる前にちゃんと煙でシュワーなのとかしといたから平気だと思うわよ?」

「それなら良かったです。ちょっと定期的にやりましょう。徹底的に。えぇ」


 僕の定期業務に加わりそうです。絶対仲良くしたくありませんからね。えぇ是非。


「というかそんなことよりなにか別のことじゃないの?」

「あぁそうでした。さっき? 代表さんと言う方からお荷物を頂いたんですが、それが妙なんですよ……」

「あら? もう来たの? 早いのね」


 あれ? 知ってる? どういうこと!?


「知ってたんですか?」

「さっきメールでね。で、それ重要な物らしいから優ちゃんが壊さないように注意しなさいだってさ。まだ直せないだろうしって」

「直せるんですか?」


 黒いだけでどういじっていいかも判らないのに、直せるとかどういう意味なんだろう。


「良く知らないけど、優ちゃんなんとかなるとかなんじゃない?」

「そりゃまた随分適当な。……というか代表さんって何者なんですか?」

「さぁ? あんまり良く知らないわ。追求されるのも嫌いみたいだから聞かないことにしてるし」


 益々謎だらけです。下手にいじって壊すわけにもいきません。そのうち僕でも対処可能ってことは何らかのスキル由来のものの可能性もありますが……


「そうですか、それにしても……」


 実際に土曜日になるまで待つしかないかもしれません。

 想像通りなら、ちょっととんでもないものってことなんですが。うぅん……



 ちなみに本日のハンバーグは孝子さんと一緒に作りました。お揃いのエプロンでちょっと楽しかったです。僕の食べたハンバーグは孝子さんが焼いてくれました。大きすぎたのでお裾分けしたりもしました。「食べさせて~」と強請るあたりコレ狙いですよね、間違いなく。



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