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孤児で奴隷で女の子  作者: おがわん
第一章 僕の学園生活?
10/45

10.するってことはされる覚悟も必要らしい(混乱中につき意味不明)

「は~いユウ。元気? ってあっちの世界ってそういう服装がスタンダードなの?」



 一瞬何の事を言っているのかわからなかった。何しろ直前まで服をはぎ取られて散々な目に……ってあれ?

 どう見ても、というかどう触っても僕に伝わってくる感触はアスファルトのジャリジャリした感覚とは程遠いスベスベとした大理石のような滑らかな石の感触。その冷たい肌触りが僕のお尻に直接伝わって、直前まで動き回っていた僕の体に心地よい。


 ……お尻!?


 って僕今もしかしてすっごいかっこしてる!? 肌Yですかっ!? 正確には違いますけど殆ど裸Yですかっ!?


 反射的に股を閉じる。何しろM字開脚というヤツだったに違いない。ちなみに直前までは雌豹のポーズよろしく腰を持ち上げて胸が下につくようなポーズだった気がする。いやそんな情報どうでもいい。どうでもいいったらいい!


「そうよね、流石に女の子がそういうポーズしてちゃぁお姉さんだって悪い気はしないものね~ってちょっと、貴方本当になんでそんなに怪我ばっかりしてるのよ? もしかして召喚条件に含まれてるとか言わないわよね!?」


 状況だけ考えれば助かったんだとは思うけど、この時の僕は恥かしさしか頭に無くまともな思考をする余裕は欠片もなかったのだ。というかなんとかしてっ!



----------



 途中、窓から差し込む月明かりを見て、どうやらこちらも夜なんだなと考えていた。時差みたいなものがあって、地球の夜はこっちの昼みたいに思っていたんだけどそれは間違いのようだ。何か条件でもあるんだろうか? いやこちらの一日が地球の24時間と同じとは限らないのか。


 こんな妄想に逃げ出したくなるくらい、僕は追い詰められていた。というかもう逃げたい。いくら裸Yスタイルは破廉恥だとはいえ、こうもいじくりまわされる、しかも女装!? いや僕はもう女なんだから関係ないのか。でも精神的に男として育った以上やっぱり抵抗があるわけで。そこを解って欲しいのですがお姉様からしてもそんな反論は無視されるようです。


「私のお古だけどまぁいいわよね? 子供着だけどとっておいてよかったわ~。ちょっと私に似合わないかな~と思ってたけど、これくらい可愛い系だと今の貴方にピッタリよね♪」


 フリフリ。正にフリフリ。ピンクのワンピーズの裾や袖、胸元等にこれでもかっ!ってくらいのフリル&リボン。正に夢見る少女です~って感じしかしません。ご丁寧に頭にまでリボン止めです。いや最初は包帯でも捲いててくれてるのかと思ったらこれでした。


「そうそう、ショーツもサイズ的に問題ないかしら? 調整できるから大丈夫と思うのだけど」


 しょーつっていうか、ちょっとカルチャーショックだったんですが、こちらの下着って「紐と布の組み合わせ」が基本のようです。紐で結んで布で隠すみたいな?


 つまりですね。今履かせてもらっているコレなんですが、なんと、えっと、フンドシみたいなものなんです。


 いや、別にお爺ちゃんとかがしてそうな赤フンみたいななっが~い布とかじゃなくて、もっと短いっていうか、言われないとわかんないだろうってくらいの短さしかないんですが、確かにフンドシなんです。トランクス派な僕としては非常に珍しいっていうか履きにくい。正直やめたいんですが、これしかないと言われるとどうしようもなりません。


 ちなみにブラはしていません。特に抵抗も無いというかする方に抵抗があるので遠慮させて頂きました。まぁサイズ的にも必要無い気がしますが、本来ならするべきだと強硬に主張なされました。いやこんなの見て興奮する殿方なんて…… え? いるんですか? マジ?

 といっても世間的な需要などう考えてもお姉様みたいな外見とサイズのようです。というかどう見てもD~Eくらいありそうですし。下着をつける(というか無理矢理着せ替え人形ごっこさせられた)時にお姉様も下着姿だったんですが(僕がこちらの女性用下着について全く理解できなかったので実践しながら教えてもらった)、反則級のプロポーションの良さです。腰とかキュッとしてるくせに胸とかお尻とかボッ!っていうかしっかりと主張した、どうやって体形維持してんだか意味不明です。余計な脂肪の一切が無いスレンダーボティなのにまな板じゃないって理解不能です。脂肪細胞仕事しなさすぎです。


「……はっは~ん、気になる? ねぇねぇ気になる? 色々苦労があったのよ~、主にレベル上げだけだけど」


 レ、レベル上げ? も、もしかすると……


「なんとなく察したと思うけどスキルよ? [体形維持]がLv3まで行くと自分の好みの体型を維持できるようになるの。美容系スキルって取得条件が面倒なことも多いし意外にここまでしてる人は少ないわね」


 う~ん、スキル万能世界。そうするとスキルさえあれば何でもできちゃう不思議世界なのかもしれないなぁ。……僕も取ろうかな……


「ユウの場合ってさ、素でAPPが高いからこの手のスキルは逆に不要よね。多分APP補正で外傷とかもあまり目立たなくなるはずだし」


 打ち身とか青あざとかはシステム?的に『醜い』と判断されるみたい。といっても剣とか爪とか斬りつけられた場合はどうにもならないそうだけど、HPさえ回復させれば傷口もほとんど残らないくらいに綺麗に消えるだろうと言われた。

 確かに散々殴られた割には青あざなんかは出てないし、少し赤く腫れる程度で収まっている。頬のところなんか化粧でもしたかのようになっているあたりが演出なんじゃないかと思えるくらい。ここまで来ると恩恵ってよりも別の意図を感じそうになる。正直怖いよこんなの。


「まぁともかく、今日はそこそこ余裕もあるし、あれからどうしてたかとかも聞きたいし、ちょっとお茶でもしながら今後の相談でもしましょうか」


 そういうと僕の手を取って別の部屋に連れ出そうとするフィリー姉様。多分だけど間違いなく、彼女が僕にとっての救いの女神である事実には変わりが無さそうだ。



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 お茶にしようと言われて少し心配になったけど、普通に紅茶っぽい何かにクッキーみたいな甘いお菓子をお茶受けに、という日本でも比較的メジャーな『お茶する』だった。僕としては緑茶&お団子の和風スタイルも捨てがたいのだけど、こちらの流儀に従う方がいいのだろう。第一甘いものを頂けるのだから何も文句はない。


「あれから色々あったのよ~、ユウが強制送還されちゃった原因はわからないけど、どうやら貴方は『あちらの世界に繋ぎとめる力』ってのが大きすぎるみたいなのよね。本来なら主人たる私の命令無しに目の前から消え去るなんて芸当はできないはずなんだけど、起こってるんだからどうしようもないしそれはいいの」


 隅に積み重ねてある本の山や書き留められたメモの束からしてお嬢様の苦労具合を憶測することができる。単独で僕を召喚できるくらいだし、実はかなり優秀な人なのかもしれない。


「で、従者命令を拡張して強制力を上げることでどうにか次元踏破を可能としたわ。本当は私がそっちに行ければ良かったんだけど、ユウの反応を見ながら調整しないと難しいっぽくてね。急に呼び出すことになっちゃったけどゴメンなさいね」


 珍しく、というか初めてじゃなかろうか? フィリー姉様が僕に謝るだなんて。


「そんで色々試した結果、『効果時間を限定』させることで一時的に術の効力を上げることに成功したわけ。ってそうそう、これを忘れちゃダメよね。はいユウ。これを身に着けてて頂戴?」


 と急に僕の目の前にフィリー姉様の胸がドアップにっ! ってあうん、なんかネックレスかけられました。シルバーのプレートの両端にチェーンが繋がっているもので、プレートに小さいけど宝石が埋め込まれていいて綺麗に輝いています。



「そのプレートの石にだけど、召喚時間の残りがわかるようにしておいたわ。MPを注ぎ込むと正確な残り時間がわかるようになってるからちょっと試してみて」


 MPの回復が非常に遅いのだけど、この手のものは確認しておくに限る、というわけで言われたように宝石部分に触れてみると、どうやら自動でMPを消費するようです。そこまで大量じゃないから多分1とかでいいのかもしれない、ちょっと安心。


「え~~っと、残り167時間? ってこっちの世界でも一日って24時間なんですか?」

「24時間? 何それ? 一日って12刻でしょ?朝と夜で6刻つづ」


 どうやら時計の概念はあっても時間の管理は別っぽいです。流石に現代社会程に時間を精密に知らなくてもいいからでしょうか、非常に大らかなのかもしれません。

 とりあえず、167÷24=6あまり23。つまり今回呼び出された方法のタイムリミットは7日間ってことでしょうか?


「あうん、そっちにもちゃんとした時間の概念があるのね。正直そのへんまで教えないといけないとしたらかなり面倒だと思ってたけど、予想通りユウが優秀な子で助かるわ。それにそのネックレスがあるとちょっと便利なのよ。絶対身に着けていてちょうだいね」


 満面の笑みでそういわれてしまうとどうしようもないんだけど、ネックレスっていうかアクセサリーなんてつけたことないなぁ……似合うのかなぁ……っていかんいかん。なんか女扱われに慣れ始めたってことだろうか?

 それにしても1週間か。そんなに行方不明になってると向こうで色々問題が起きそうだなぁ……


「まぁそれは帰ってから考えて頂戴。正直今の私にはなんともしようが無いのよね」


 そりゃそうなんでしょうが、まぁ今回ばかりは助けられている事実に代わりはありませんし。フィリー姉様に従いましょうか。



----------



「って、レアスキル二つも選んちゃったの! ……ってまぁこれならしょうがないかぁ……ってレベル5って早すぎ! ってスキルポイントおかしくない? おかしいでしょ? 普通レベルアップって1ポイントよ? サービス良すぎでしょレアスキル! 私も今から狙おうかしら……でもあと8つもレベル上げないと……」


 僕のステータスを改めて確認しているようですが、なんだか常識外れなレアスキル効果にばかり目がいっているようです。


「あの、フィリー姉様。なんだかAPPも上昇してたんですけど、本来自然に増えないって話じゃなかったでしたっけ?」


 うん、こっちも気になってたんだ。僕の勘違いならそれでいいんだけど。


「……あ、ほんと。下がることはあれど上がるなんてまず無いって聞いてたのに……これもやっぱりレアスキルの恩恵かしらね。ますます欲しいわね……」


 マジで悩み始めてしまわれました。いや勝手にスキル追加されたりしないからいいけどね。




「さて、それじゃぁまず聞くけど、どうして[MP回復強化]なんて取ったわけ? 今のユウくらいなら寝て起きれば全快するくらいしかないでしょうに」


 どうやら一日1MPしか回復しないこと自体が異常らしい。僕の世界にはMPの元になる要素が極端に少ないからかも、とのことだ。

 あとレベルアップ後のステータスに括弧が付いていた、と言ったら非常に不思議がられていたけど、改めて確認したら括弧が取れていた。このへんもMP回復量の違いとやら影響しているのかもしれない。


 つまり、レベルアップのステータス上昇が遅いのも、MPの回復そのものが異常に遅いことも原因は一緒なのかもしれないそうだ。MP回復プロセスがレベルアップのステータス上昇プロセスと同一って可能性があるとかないとか。


「MP回復薬とか使って強引に回復させれば何かわかるかもね」


 要はステータスアップを促すMPが足りないから問題なのであって、外部から補ってやればいいんじゃないかって話だ。


「色々と言いたいこともあるし、勝手にスキル取ったことにも文句を言いたくはあるけど、偶然とはいえ有用なスキルを得ていることは褒めてあげるわ。まさか[鑑定]にまでスキルを昇華していると思わなかったし、ついでだしこれからの方針とか、ユウにになってもらう役割とか、希望する事柄とかについて話をしましょうか」


 僕の知らない様々な知識、本来ならフィリー姉様の役に立つように選ぶべきだったんだろうが、素人の見立てでは役立てる方法は思いつかない。……なんかAPPに関しては無駄に使われた気がするけど、これはもうしょうがない、諦めよう、どうせ戻ってこないし。


 それよりも今後をどうするかについて考えるべきだろう。幸いにしてまだスキルを得る余地はあるし、僕の希望も聞いてくれるというのだから悪い話ばかりではない。時間的にも余裕があるのだし今のうちになんとかできればなんとか……


「しかしほんと、ギリギリで良かったわ。ダンジョン研修の課題クリアの締め切りが6日後なのよね。本当にギリギリだからユウには頑張ってもらうわよ!」



 ……えっと、つまり…… 僕ってダンジョンに行く必要あるんですかぁ!?


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