40章 夢という名の小さな目覚め
これはきっと、あたしが見た夢のはなし。
千年間を眠り終えたあたしは、朝の光を浴びながら目を覚ますの。
世界はすっかり様変わりしていて、あの頃の面影なんてどこにも残っていない。
建造物も、自然も、文化も、空も、なにもかもが新たな世界。
あたしは、自分が夢を見ているんだと思って、再び目を閉じる。
だって、千年間の幽閉を終えた夢なんて何回も見てきたから、きっとこれもそうだと思って。
そんなあたしの前に、誰かが現れるの。
懐かしい温もりと共に、その人はあたしの頬に触れて。
あたしの名前を、優しく呼んでくれる。
その感覚がとても夢だとは思えなくて、あたしは瞳を開けていく。
世界はすっかり変わってしまったけど。
あなたは全然変わっていなくて。
あたしも全然変わっていなくて。
あの日の続きが始まったかのよう。
ううん、それは始まり。
千年間止まっていた時間が、また動き出したの。
こんな夢を見てもいいよね。
だって、あたしは千年間、あなたと会うことを待ち続けていたのだから。
「おはよう、宗一」
あたしは、
あなたを力いっぱい抱き締めて、
夢のおわりを、知ったの。
「おはよう、詞音ちゃん」
そう言って、あなたは、
いつもの笑顔で、優しく笑った。
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