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RPG風のなにか  作者: チキン南蛮44
もし、死神と出会えば?
17/27

もし、謎の施設から脱出すれば?

 どうも、イッチだ!

 今から逃げる!以上!


 緑色の粘液が、俺たちを追いかけるつもりだ


 ハスキーは、真っ先に走ろうとするも、どこに行くか分かったもんじゃないのでセンスがハスキーを誘導している


 センスは、確か前に体力がないって言ってたが、大丈夫だろうか


 カイザーは、安定したフォームで走っている


 職員さんは、先頭に立って出入口へ導いてくれる


 心配するべきは、センスの体力と、俺だろう

 俺は少し足が遅くて、粘液と距離が一番近い


「ハスキーさん!!こっちです!!」


「ちょうちょ!」


「ダメです!!」


 …センス、代わろうか?



「イッチさん!捕まりそうでしたら、拳銃を使ってください!」


「分かった!さっそく使ってみる!」


 俺は走りながら、拳銃を粘液に向け、引き金を引く

 破裂音とともに、弾丸が発射され、粘液が弾ける

 弾けた粘液が飛び散り、粘液の塊が小さくなった

 反動で、少しよろめく

 拳銃に限った話ではないが、銃は反動が大きい、だから、下手すれば肩が外れるなど事故が起こると聞いた

 だが、この拳銃は反動が異常なまでに少ない


「この銃、反動が小さすぎないか?」


「それは、宇宙研究所産の、初心者でも扱いやすい反動を極限まで減らした拳銃だからね」


 現代の技術ってすげーって思った瞬間だった

 まぁ再現はもう不可能だけど


「…いや待て、逃げてるけどさ、あの粘液って何なんだ?」


「あれは…相当危険なAだね、肌で直接触ると、内臓を侵食されて死ぬよ」


 マジかよ、こわ



「お!ぼたん!」


 ハスキーが無警戒にボタンを押す

 センスが、もはや言語にならない声でハスキーに何かを言う


 突然、鉄の塊がゆっくり動き出す音がする

 気が付けば、赤黒い汚れが付いたシャッターが下りてくる

 シャッターが封鎖すれば、粘液は追えなくなるだろう

 それが分かったのか、粘液は速度を速める

 シャッターが下りる前に、シャッターを潜り抜けるつもりだろう


「攻撃!攻撃してください!

 もちろん遠距離の攻撃です!」


「あ、あぁ、わかった」


 俺は拳銃を構え、粘液に向け撃つ

 何発ものの弾丸は、粘液を弾く

 弾丸の推進力は、粘液を後退させる

 しかし…


「やっべ、弾尽きた」


 シャッターはもう間に合いそうにない

 粘液がシャッターを潜り抜けるその瞬間

 大きな、何か鎖の様なものが断ち切れる音がして、同時にシャッターが勢いよく落ちる

 粘液は押しつぶされ、もう動かない


「あー、だいぶシャッター劣化していたからね

 多分シャッターはもう上がらないと思うよ」


「そっか、とにかく、あの粘液は心配しなくていいんだよな?」


「いや、またそのうち動き出すと思う

 だけど見た感じ結構時間がかかると思うな」


 なんだ、早く脱出すればいい話か


「なら、今のうちに帰りましょう」


「そうだなセンス」



「おい、なんだあれ」


 俺の視線の先には、出入口前でたむろする限界を超えて痩せこけた巨人が居る

 四足歩行で、頭の毛が薄い、そして…


 独り言がうるさい、ぼそぼそ言っているのがなんか耳に残る


「あれは…厄介ですね、ちょっと危険なAです

 ですが、私が居るので戦えば勝てると思います」


「え、俺たち死なないか?」


「気を付けて戦えば、死者は1人までで済むと思いますよ」


「カイザー、職員さんは俺の回復魔法を知らないから、それを含めたら死者はいなくなると思うぞ」


「とにかく、戦いましょう、死者が出ないなら、安心して戦えますね」


 職員さんは、槍を取り出します

 その槍は、緑色の粘液に包まれています


「…職員さんのあの粘液、触ってるけど内臓侵食されないのか?」


「あぁ、Aから抽出した武器や防具は、特徴を引き継ぐけど

 装備者にとってデメリットになる効果はなくなっているんだよね

 まぁ、なくすために抽出職員たちが血反吐まき散らして研究していたらしいけど」


「ブラック…ブラックでいいのか?」


「私は抽出職員になったことがないから分からないけど

 基本どこの部署もブラックって聞いたよ

 そろそろ、一回話を終えて、戦いましょう」


 職員さんは槍を再び構える

 それに続いて俺もダガーを取り出す

 ハスキーとカイザーもそれぞれ動き出しやすい体勢になる

 センスは、多分別のことを考えながら槍を構える

 …センスの考えていることが分かったかも



 Aがこちらに気づいたようで、吠えてくる

 人間に似たAでも、知性があるかは別なようだ


「うるせぇ!しね!」


 ハスキーが拳を振り上げ、突撃を仕掛ける

 Aは腕を振り上げ、ハスキーを引っ掻こうとする

 俺はAの手に目掛けてダガーを投げる

 一直線にダガーが飛び、Aの掌から血しぶきが飛び散る

 それと同時にハスキーの拳がAの足に命中する

 Aは叫び声をあげる、苦痛に苦しんだ訳じゃない、これは逆上した時の声だ

 Aは怒りを込め俺に体当たりを仕掛ける


「隙あり!」


 センスが槍を突き出し、Aの顔面に思い切り刺さる

 しかし、Aの抵抗は終わらず、センスを引っ掻こうとする

 カイザーが飛び出し、Aの腕を掴み地面に叩きつける


「まだ終わりじゃないぜ!」


 カイザーは、Aの腕を踏みにじる

 Aは怒り狂い、もう片方の腕でカイザーを薙ぎ払おうとする

 職員さんが槍を振り、粘液を発射する

 その粘液は弧を描き、Aの腕を壁に叩きつける

 Aの腕には粘液がへばりつく、壁から手を放そうとしても粘液が邪魔をする

 Aはまだ叫び声をあげ威嚇する、しかし、その行為にもう意味はないことに気づかない

 俺たちは、攻撃する手段を失ったAを総攻撃した

 気づけば、Aはぐったりと倒れこみ動く気配はない


「ここまですればもう心配はないでしょう」


「どうもな、早くここを出よう」


 俺たちは厳重な扉をまた開き、宇宙研究所を出た



 コロニーへの帰り道、俺は、気になったことを職員さんに話す


「…職員さんは、これからどうするつもりなんだ?」


「私は…まぁ、戻るのもリスクあるし、イッチさんのコロニーで世話になろうかなって思ってるけどいいかな?」


「もちろん!大歓迎だ!」


「心強い仲間が増えましたね」


「ちきん!」


「あんま足引っ張んなよ?そんなことしねぇってのは分かってるけど」



 コロニーに帰ってきた俺たちは、さっそく成果がないことを嘆いた

 命がけで逃げたり戦ったりしたけど、結局持って帰った物は弾のない拳銃だけ


「いる?これ」


「いらない」


「いらん」


 ハスキーは今、なぜか現れたヨナグニサン(馬鹿でかい蛾)に追いかけまわされている

 一応、装備のおかげで強い職員さんも仲間に引き入れたけど…

 もう、あんなとこ二度と行くか…多分


「ところでさ、イッチ」


「どうした?」


「結局回復魔法使ってなくね?」


「あ」


 第3章 完

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