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「茜、茜」
肩を揺らされ、目が覚め、誰だろうと顔を上げる。するとそこには上半身起こしてこちらを見ているお兄ちゃんがいた。
「お兄ちゃん」
あまりに嬉しくて、お兄ちゃんに抱きついた。そんな私の頭を兄いちゃんは優しく撫でた。しばらくそうしてから、
「茜、ちょっといいか」
お兄ちゃんは、抱きついている私をそっと手で押して離し、
「これをやろう」と、金色の指輪を差し出した。
とっさのことで何が何だかわからなかったが、頭が回ると、ひょっとしてお兄ちゃんも私のことを……、どきりと心臓が高鳴り、顔が熱くなるのが分かった。
「ありがとう」
私ははやる気持ちを抑えつつ、指輪を左手の薬指にはめた……。
そこでハッと目が覚めた。どうやらいつのまにかベットに寄りかかりながら寝ていたようだ。それにしてもリアルな夢だった。まだ鼓動が高鳴っている。
あまりにリアルな夢だったので、何かの啓示か、と思い布団を捲り上げ、お兄ちゃんの手を開いて見たら、そこに夢で見た指輪があった……。
陽の明るさに目覚めた僕は、だいぶ寝たなと感じた。そして、時計のない事に不便を感じた。そうだ、父さんに言って時計を作ってもらおう。そんな事を考えている時にふと指輪がない事に気がついた。
ベットの上には無い。ならばと床を隈なく探すが無かった。
リビングへと下りていくとソファーで両親とヒトリがくつろいでいた。チスイは液晶テレビに映るパンの顔を持ったアニメを、床に座って熱心に観ていた。
母さんが僕を認めると、
「カウンターの上にサンドイッチあるから食べなさい」と言って、立ち上がり、豆のコーヒーを淹れてくれた。
僕は言われたとおりカウンターの方へ行き、スツールに座り、ラップに包まれたサンドイッチを食べ始めた。そこへ出来立てのコーヒーをもらい一口すする。どちらも美味しいし幸せな気分になる。
食べ終わり、残りのコーヒーを飲み干してから、
「お父さん」と声を掛ける。
「え、何ですか。もう一度」
それを無視して、
「昨日もらった指輪が無くなったけど……」
それを聞いて、
「そうか、それは面白いぞ。可能性があるな、行ってみよう」
お父さんが立ち上がり催促する。それにつられ飛行船へと向かった。
飛行船の中にあるカプセルの前で、お父さんが何やらキーボードを操作する。すると大きな音がしてカプセルが開いた。
ドキリと鼓動が高鳴りカプセルの中を注視する。冷気による視界遮断が薄れていくと、人のような形が現れてきた。
「お父さん」
僕は興奮し、嬉しさについ声を弾ませると、お父さんは後ろを振り向きニコリとしてハイタッチのポーズ。当然僕はその手をポンと叩いてしまった。
(後のことだが、お父さんはこの事をみんなの前で言いふらし、僕は何度も赤面する事になってしまった)
茜は高校の制服だろうか着ていて眠っていた。その左手の薬指には見覚えのある指輪があった。




