最終章 暴走モードの茜さん〜星に息づく者たち
最終章 暴走モードの茜さん~星に息づく者たち
「お兄ちゃん、これはどういう事よ」
茜が急に怒り出した。その発端は、僕がヒトリとチスイを紹介した時だ。あれ、なんか空気が急に重くなったと思ったら、茜が怒り出したのだ。
「だいたいね、私というものがありながら、嫁とはどいう事よ。それも子供もいますって。おかしいでしょう……」
茜ってこんなキャラだっけ。長い間冬眠していて、まだ本調子じゃ無いのかもしれない。あとでお父さんに冷凍睡眠の後遺症について聞いてみよ。
それにしてもいつまで続くのか、言葉を挟みたいが、火に注ぐ油になるかと思うと、怖くてそれもできない。ただじっと我慢する僕。
それを助けてくれたのがお父さんだ。
「カズキ。ちょっと来てくれ」
その一言で、茜の口が止まり、その隙を逃さまいと僕は席を立ち、お父さんのところへ行った。
「茜悪い、ちょっと用事があるから行ってくる」
茜はプイッとそっぽを向く。
僕はやれやれと思いながらお父さんの後に続き部屋を出て行った。
「お前も大変だな」
先頭を行くお父さんが振り向きもしないで面白そうとでも言いたそうに明るく言う。
「ねえ、お父さん。冷凍睡眠による後遺症みたいなのあるのでしょうか」
お父さんの背中に向かって言う。
「うーん、それは無いな。肉体的なものなら無いこともないかもしれないけど、精神的なものはないな」
「そうか。そうだとすると何だろう」
「カズキ、お前案外鈍感なんだな」
振り向きニタニタ笑う。その顔にイラっとして、
「どう言う事だよ」
「いや、何でも」
とぼけるお父さんに腹が立ったが、用事のことを聞いて見た。
「ああ、それなんだが……。アメリカの北部で不審な動きがあってね。カズキに見て来てもらいたいのだ」
「不審な動きって、何だよ」
「宇宙と地上を頻繁に行き来している船があるんだが、それが、何か知りたい。まさかと思うが、地上を侵略する橋頭堡を築いているとなると、話が違う」
お父さんの言っていることは分かる。ここは僕たちの土地だ。今更、地上を捨てた人たちが、土地を求めてくるのは侵略者とみなしてもいいだろう。それは許せない。それがもし侵略であるならぶっ潰す。それがこの星で息づく者の総意だと思う。




