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幸せは、その手の中に  作者: 散華にゃんにゃん
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第七章 天使強襲 6

「なんで逃げないんですかっ!? 時間稼ぎなんかしたって無駄でしょう!?」

 桃原の目には涙が浮かんでいた。

 白花が一方的に攻撃を受けていたのを途中から近くで見ていたのだが、思わず飛び出してしまったのだ。得体の知れない、化け物の前に。

「無駄じゃ、無かったよ……? 桜ちゃんが、来てくれた」

 白花が微笑みながら言うと、桃原は溜息を吐いた。

「私の力で……どうにかなるんですか……?」

「わかんない」

 白花がはっきりとそう言ったので、桃原は再び大きく息を吐いた。

「ここで私が死んだら、あなたの事、恨みますからね……」

「桜ちゃんが勝てなったら、私も死んじゃうよ?」

 白花の言う通りだ。ここで、あの天使を倒さなければ、桃原も白花も逃げ惑う人々も、みんな死ぬ。


 桃原は竹刀を構え、天使を見つめる。

「もういいです。ヤケクソです。文字通り死ぬ気でやってやります。だから、私がどうすればいいか教えてください」

 白花も天使を見つめる。

「エルシーちゃんの話だと、天使の体内には天力の源になる『核』があって、それを壊せばやっつけられるはず。あの天使の『核』は多分頭の部分、かな?」

「それが弱点という訳ですか……。ところで、『エルシー』とは?」

 桃原が聞き返す。

「あの黒猫ちゃんの事だよ」

「あぁ、そんな名前なんですか」

 白花が話を戻す。

「後、天力についてなんだけど。天力を使って身体能力を上げたり、天力を直接ぶつけたりする他に、天使にも私達能力者にも、『天力の奇跡』って言う固有の能力が備わってるみたい」

「あなたの場合は、天力を見る事ですか」

「そうみたい。天力に目覚めた時に持っていた『願い』とか『夢』が関係するみたいなんだけど……」

 桃原には自らがいつ天力に目覚めたかはわからない。その時に抱いていた事等見当も付かない。

 思い当たる事と言えば、剣道の試合で負け、強くなりたいと思っていた事くらいだ。


 桃原は銀行強盗を倒した時の事を思い出した。

「あの時……、私の想像通りに身体が動いた……」

 先程、白花を守った時の事を思い出した。

「天使の攻撃を思った通りに防げた……」


「桜ちゃんなら、あの天使を倒せる」

 白花が後押しをする。

「あいつを…………、倒す!」

 桃原は覚悟を決め、四足天使に向けて跳躍した。

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