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Go high Go! We are MiASYS!  作者: 黒龍
2年目
95/558

93:満身創痍

 簡易更衣室から自分の衣装やいろんなものを手にして、控え室に戻り、いすにドサッと腰をかける。


「あ゛~」


 ずっと我慢していた膝の痛みは、いすに座った瞬間、限界を向かえ、私の口からはとんでもない声が漏れる。


「み、美桜ちゃん、大丈夫!?」


 ピリピリとも、ズキズキともとれる膝の痛み。顔が歪んでいることが自分でもわかる。


「どうも、今日は限界みたいですね。帰れるとは思いますけど、痛みがひどいですね。ちょっとの間だけ安静にしてれば大丈夫だと思うんで、少しの間、このままにさせてください」


 歪んだままの顔で言っても説得力がないか。だけど、動けないんだから仕方がないよね……。はぁ、調子に乗らなかったらよかった。


 そんなことを思いながら、アイスバックに氷を少しだけ詰めて膝にあて、マジックバンドでずれないように固定。このまま帰る準備をするか。ものすごく痛々しいけど……。


「美桜ちゃん、無理しないほうが……」

「大丈夫。早く帰ってゆっくりするほうがいいから。とりあえず、このアイスバックが隠れるように衣装のワンピースドレスに着替えてくるね」


 足を引きずりながら、更衣室に向かい、真っ白のワンピースドレスに着替える。

 丈自体は足首まであるし、アイスバックも隠れてるし、足を引きずること意外は何とかなると思う。

 さぁ、何とか片付けは終わりかけ。何とか帰れそう。


「中川ちゃん、今日は一緒に帰ろうか」


 声をかけられたのは林さんから。


「二人とも荷物が多いでしょ?それに、私も萌奈ちゃんの家のほうだし、電車は混んでるだろうし、なにより、中川ちゃんに無理はさせられないよ」

「じゃあ、萌奈はお言葉に甘えさせてもらいます」


 即答した萌奈ちゃん。こりゃ、私も断れないな。


「……それじゃあ、私もお願いします」

「じゃあ、決まりね。車は出すし。帰る準備が出来たらいってね」


 なんだか、甘えちゃってるようで少し申し訳ない。でも、林さんの顔は心配そうにしてなかったから、今日はお言葉に甘えちゃおうかな。甘えるのはあまり好きじゃないんだけど。


「萌奈は帰る準備できました!」

「あらそう。早いわね。中川ちゃんはどう?」

「もう少しだけ待ってもらっていいですか?あとカチューシャと医療用品だけ直したらそれだけでオッケーなんで」

「医療用品って……。あれ、美桜ちゃんの自前なの?てっきり、借りたものだと思ってたけど」


 私の大きな荷物を見ながら萌奈ちゃんが言う。


「はい、そうですけど。私の中じゃ必需品ですよ。しっかりと用意してからライブに挑んでますから」

「だから、荷物が多かったんだ。メークもあまりしないのに、萌奈より荷物が多いから、何が入ってるんだろうって思ってたけど」

「あれっ?朝言わなかったっけ?そんな記憶があるけど。まぁ、とりあえず、これだけいつも持ち歩いてますからね。ライブの日は、これくらいないと怖いですから。今日みたいに何が起こるかわかりませんし」

「活動し始めたときからしてることじゃないでしょ?誰かに言われたことがあるの?」

「そうですね。同年代で活躍している競泳のトップ選手のやり方ですね。疲労回復のやり方をいろいろと教えてもらってます。意外と役に立ってたりしますよ」

「立つステージは違っても、役に立つことがあるのね。さっ、準備はいいかしら?そろそろ帰ろうか。薫はやることがあるからっていって先に帰ったわ。たぶん、男性陣も帰ったんじゃないかしら?」


 もう帰っちゃったんだ。まぁ、みんな忙しいからね。明日は久々のオフデーだけど。まぁ、私は、膝のケアに丸一日使うかな。自主練習する場所もないし、どっちにしろ、今日のライブで盛大に疲れたし。

 そんなことを思いながら、少し大きめの手提げかばんに隙間なく詰める。

 よし、大丈夫そうだね。忘れ物もなさそうだし。


「ごめんなさい、お待たせしました。私も帰る準備できました」

「よし、じゃあ3人でご飯食べてから帰ろうか。ライブ中は何にも食べてないでしょ?せっかくだし、女子3人で行こうよ」


 林さんのせっかくのお誘いなんだから言っちゃおうか。おなかも空いてるしね。

 つれていってもらったのは、林さんの行きつけのお店。おしゃれな感じで、深夜までやってるみたい。

 普段からこういったところは行かないからなぁ。おしゃれ女子には程遠いなぁ。なんて思いながら……。

 萌奈ちゃんの家に戻ってスマホを見ると、ミアシスのメンバーからグループトークにメッセージが入っていた。


『お疲れ様~!さっすが美桜、こんなに派手にやってくれるとか聞いてへんで!』

『うまいことやってくれるわ。さすがやな、リーダー』

『もう由佳感激!』

『お疲れ。ダンスもボーカルも完璧すぎるやろ。ほんまに美桜姉なん?』


 みんなからのねぎらいの言葉が。ただ、最後の亜稀羅のは少し余計と思ったけどね。

 さぁ、一人ひとり返したいけど、もう眠たいし、まとめて返しとこうっと。


『みんな、ありがとう。みんなの協力があったからここまで出来たと思ってる。本当にありがとう。迷惑かけるかもしれないけど、これからもよろしく』


 こんなものでいいだろう。あ~あ。疲れた。湯船に浸かって膝のマッサージとかしたいけど、シャワーだけさっと浴びて早めに寝ようか。明日はオフだし、マッサージとか施術とかしてもらおう。

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