↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Go high Go! We are MiASYS!  作者: 黒龍
2年目

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

96/670

94:沙良、テンションが乱高下する

 8月にあった日本水泳協会からのオファーを受けてからあっという間に4か月が経った。その間に、沙良と一緒に歌詞づくりを進めていたけど、点ができるだけで、何か一つの線にならなくて悩んでいる。


「なんか、あれやな。何か一つなくて、納得いくもんができひんな。なんなんやろうな」


 部活を引退した沙良は、半年前にAO入試で専門学校への進学を決めていて、放課後は時間があるほうで、振り合わせの時間になるまでは、会議室にこもって、二人で「あぁじゃない」とか「こうじゃない」とか言いながら、結局、点になる言葉だけ出て、線になることはなく終わることがしばしば。

 何かきっかけがあれば一気に変わるんだろうけど、まぁ、難しいよね。


「あぁ!あかん!今日もなんも思いつけへん!なんでもええからレースかなんか見たらええんやろうけど、こんなん、いくらたってもできひんで」


 しばらく変わらない状況が続いていて、沙良のフラストレーションは限界寸前。とかいう私も、結構ストレスは溜まっている。


「……あれ?こんな雑誌あったかな」


 沙良は、テーブルの上の置いてあった雑誌を見つけると、中をペラペラとめくりだした。


「あぁ、美桜と新星エースの対談か。……あっ!美桜!あれや!スプリント超特急の大神遊菜さんとアポイントとられへん!?あの人取材したらなんか行ける気がする!」


 雑誌をぱらぱらとめくって、私と競泳選手の大神遊菜ちゃんと対談した時の紙面を見て、沙良が吼えた。


「急に大きな声を出さないでよ。ビックリするじゃない」

「ごめんって。でもさ、うちらからトップ選手に話聞くのもアリやろ?」


 まぁ、それもそうか。たしかに、ここまで詰まってるなら、最後の悪あがきとしてやってみて、なんとか仕上げてみようか。


「わかった。ちょっと連絡とってみる。幸いなことに、遊菜ちゃんと連絡先を交換してたし、向こうサイドも私たちのファンみたいだし」


 確か、先々月だったと思う。対談の日、入り時間の1時間も前から私に会うことにワクワクしてまっていたらしいし。私と会った後、跳ね上がってうれしそうにしていた。そのことは沙良には少し黙っておくか。

 沙良に「ちょっと外すね」とだけいって、会議室の外に出て遊菜ちゃんに電話をかけてみる。


『もしも~し』


 相変わらず元気な遊菜ちゃん。電話越しでもしっかりと声が届く。


「あっ、遊菜ちゃん?久しぶり~。元気にしてた?」

『もちろん!そっちは?まぁ、声を聴く限り、元気そうやね。で、どうしたん?』

「特にないんだけど、久しぶりにご飯行かない?いけたらいいなぁって思ってさ。あの対談以降、一緒にご飯行ってないしさ」

『確かにそうやなぁ。ほんなら、このあとは?練習終わったらいつでもいけんで』


 いつまでも無邪気な遊菜ちゃん。この調子なら、ご飯の時間もあっという間かも。


「じゃあさ、練習終わりに行こうか。ちょうどほかのメンバーの関係でテスト休みだし、時間は合わせられるよ」

『ほんなら、7時に天満宮の駅の改札の前でもかまへん?記録会前やから、練習が軽めやねん。やから、時間はいくらでもとれるで』


 記録会前か。ちょうどいいタイミングかも。これはあとで話を聞いてみるか。


「わかった。そしたら、7時に天満宮の駅ね。ごめんね、忙しいときに」

『全然よ~。ほんならまたあとで』


 遊菜ちゃんがそれだけ言うと、電話が切れ、プー・プーと無機質な音が私の耳に残った。

 そして、会議異質の中に戻り、頭を抱えている沙良のもとに。


「沙良、今日、6時半に上がるよ。遊菜ちゃんとご飯行くことになったから」

「マジで!?そんな間柄なん!?えぐすぎるって!い、いきなりはヤバいやろ」


 沙良の焦りっぷりを見るのもおもしろい。まぁ、これで進めば文句はない。


「わかってると思うけど、オファーのことはまだ話しちゃダメだからね。まだ公表されてないんだから」


「わかってるって。仕事の話はせぇへんつもりやし。いやぁ、でも、スプリント超特急の大神遊菜に会えるとか……。もう、最高すぎるやろ。こんな幸せ、いきなりはあかんて」


 ここにきて、沙良の調子が一気に狂ったように感じた。気のせいだと信じたいところだったけど、目の奥がハートになっているあたり、たぶん、このあと、なにかしらの影響があるんじゃないかと思う。

 そこから、時間になるまで、沙良はずっと上の空だった。


「田村さん、お疲れ様です。このあと用事があるんで帰りますね」

「おう、休みの中お疲れさん。またよろしくなぁ~」


 と、いつも通りの田村さん。緩い感じは1年以上一緒にいるけど、さらに遠慮なく緩くなってきているように感じる。

 とりあえず、このまま電車で1駅だけ乗って、遊菜ちゃんとの待ち合わせ場所に行くか。


「やっとやなぁ~、いよいよやなぁ~」


 とずっと私の隣でつぶやいている沙良。ウキウキなのはいいんだろうけど、何か趣旨がずれているように感じる。

 そんなこんなでウキウキ気分の沙良を連れて、集合場所に。まだ時間までは10分ほどあるか。近くのコンビニでカフェラテだけ買おうっと。


「沙良、なにか飲み物いる?」

「あっ、うちもほしい。リプトン飲みたい」


 ほんと、沙良はJKそのままよね。まぁ、私が大人っぽすぎるというのもあるのかもしれないけど。


「あっ、美桜ちゃんやん、ヤッホー」

このお話でFly High ~Take your Marks~ とちょくちょくコラボしていきますw

お楽しみに〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。