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Go high Go! We are MiASYS!  作者: 黒龍
1年目
54/558

52:機材トラブル

 この曲は、ミアシスの専用曲で、どこのグループもカバーできないようになっている。なんせ、歌詞のなかに『ミアシス』という単語が入っているから。

 そして、ミアシスが6時からスタートしたかった理由は、この曲の冒頭に『夜の6時 周りが薄暗くなる頃に』と入っているため。

 この歌詞がミアシスの出番を6時にしている理由。


 そんな曲を沙良と2人でメインを歌い、亜稀羅のバックコーラスで進んでいった〈サンキュー・フォー・ビジッティング〉は、冒頭に沙良が歌い出したことで少しざわついたけど、それ以外は無事に曲が終わる。


「ということで、改めましてミアシスです!よろしくお願いします!」


 これを言って歓声を受けると、改めて、ライブをしているんだな。と実感する。


「さて、今宵のマジックライブは楽しんでいただけていますでしょうか!」


 ここで大きく歓声が上がると、お世辞だとしてもホッとするよね。


「それじゃあ、ここからさらにぶち上げていくんでよろしく!〈フライ・トゥ・ブルー・バード〉」


 なんで、こういう大事なときに限って翔稀に盗られるのかな。っていつも思っちゃうよね。

 そんなことを思いながらも、流れてきた前奏に振り付けを乗せていく。

 当初、セットリストを決めるとき、この曲を茶々パレードさんとのコラボ曲に振りありでやろうとダンサーが提案してきた。

 ただ、ボーカルのどちらかは入らないといけないんだけど、そうなると、サビの振り付けもしないといけない。それなのにボーカルが不完全のままパフォーマンスをするわけには行かない。

 ということで、ボーカル陣が振り付けを変えて、ミアシス単体でパフォーマンスするセットリストに入れることになった。

 スタミナ切れを気にしなくていいんだったら、コラボ曲のセットリストに組み込んでいたんだろうけど。


 そんなことを思っていると、唐突に音楽が途切れた。

 もちろん、みんな困惑して顔を見合わせているし、場内もざわつき始めている。

 なんだろうと思い、音響室を見ると、田村さんが慌ただしく動いていて、目があった私に頭の上で×印を掲げた。


「えっと、すいません。少しだけ確認してくるのでお待ちください」


 そう言って、一度下手袖に向かい、無線機で田村さんとコンタクトを取ろうとする。


「美桜です。田村さん、どうしました?どうぞ」

『美桜か?わりぃ。機材トラブルやわ。もしかしたら時間かかるかもしれへん。行けそうやったらまた○印作るし、あかんかったら、×作るわ。ちょっと場から繋いでくれへんか』

「了解です。とりあえず繋ぎます」


 とりあえず、ちょっと嫌な雰囲気になりつつあるな。それに、ここからどうにかしないといけない。……どうするか。


 ちらっとステージを見ると、ミアシスのメンバーが急に音が切れたことにたいしてそれぞれが話していた。

 そして亜稀羅と目が合う。


 ……それだ。


 とあることを思い付くと、目が合ったままの亜稀羅を手招きで呼ぶ。

 不思議そうな亜稀羅は首をかしげたまま下手袖にやってくる。


「どないしたんや?」

「機材トラブルだって。続けられるかはやってみないとって田村さんが」

「まじかよ。ほんならどないすんねん」


 ここで思い付いた案を亜稀羅に伝える。


「うまく行くかわかんないし、亜稀羅にそれだけのことができるかわからないけど」

「それくらいできる。っていうかやるしかないやろ」


 そういうと亜稀羅は、下手袖においてあるアコースティックギターを手に取ると、チューニングを始める。

 その姿を見て、私はギターを立てるやつを2つ手に取り、ステージに戻る。

 そんな姿を見ると、やっぱりメンバーも観客もポカンとしている。

 そして、場内に状況を伝えようとして気づく。

 マイク忘れた。


「沙良、ごめん、ちょっとマイクかして」

「その前に、この状況はどういうことなん?」

「それも全部説明するから」


 そういうと、沙良は不満そうな顔をして、マイクを口元からイヤモニとともに耳からはずして、私に差し出してくれる。

 私は、ありがと。とだけ返して、場内を向く。


「えっと、ご案内いたします。先程、〈フライ・トゥ・ブルー・バード〉の途中で音源が切れてしまいました。どうも、音源を流す機材にトラブルが発生してしまったようです。申し訳ありません。今、復旧作業を急いでいますが、ずっと話し続けるというのは、トークが苦手なダンサー陣に負担をかけることになるので、少しばかり新しいことにチャレンジしたいと思います!」


 私がそういったと同時に亜稀羅がイス2脚と私のマイクを持ってきてくれた。

 どうやら、チューニングを終わらせてくれたみたいだ。

 またしれっと下手袖に戻る亜稀羅を横目に、さらにハンドレスマイクを返し、自分のマイクで話を続ける。



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