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Go high Go! We are MiASYS!  作者: 黒龍
1年目
25/558

23:美桜さん、翔稀に愚痴る

「メンバーにもよるんじゃない?自由にさせていたら伸びるなら自由にやらせるだろうし、細かいところを見た方がいいなら、そっちでやるだろうし」


 そこは本当に私たちが決めることでもないし、大きく心配するところでもないと思っている。

 ただ、堅苦しい雰囲気より、和気あいあいと楽しい雰囲気で活動できるなら、その方がいいんじゃないかとは思うけど。


「まぁ、そうだよな。俺たちが心配することじゃないな。で、美桜はどこが苦手なん?」

「えっと、言ったら〈フラトゥ〉のサビ全部。振り付けは問題ないんだけど、ブレスのほうが続かないの」

「そうか。そういえば、リリイベでも途中で切らしてたな。肺活量がえげつないお前でもまだあかんねや」

「なんかね、最近、体力も落ちてる気がするんだよね。体重も5キロ痩せたし」

「マジかよ。ちゃんと食ってんのかよ」

「食べたいんだけど、食欲がわかなくて食べられないのよね。動いてるし、食欲がわくはずなんだけど、ストレスでやられてるって言うか。翔稀はそんなことなかった?」


 翔稀は和歌山から出てきていて、高校は大阪。さすがの遠距離通学は物理的に無理らしく、寮に住んでいる。と本人から聞いていた。


「俺は、今は高校の寮に住んでるから、最初の一ヶ月はなったけど、それ以外はないかな。高校の最初の一ヶ月でけん制しあうもんな」

「私の場合、それだけじゃないんだよんね」

「ほかに何かあるん?」

「学校とミアシスとでキャラが真逆なんだよね。意識してるつもりはないんだけど、それが無駄にストレスを貯めてる理由だと思うんだよね」

「さすがにそれは何も言われへんわ。意識してへんねんやろ?ストレス解消できる方法探したら?」

「ストレス解消ね。気兼ねなく泳げたらそれでいいんだけど、写真部とか新聞部に追いかけるから余計ストレスがたまるんだよね」

「そんな部活あるんや」

「なんのために活動してるのか全く分からいけど。それに珍しいのかわからないけど、しつこいし」

「話したらええやん」

「一回、マジギレしたよ。それでも全く効果ないような気がして。あきらめたところはあるんだけど、どうも納得がいかないところがあるんだよね」


 そして、この前あった出来事を愚痴のように翔稀に話す。


「それでもあと半年だけじゃなぇか。それまで粘れば勝ちだろ?」

「それまで耐えれるかどうかだけどね。学校では、中川美桜=アイドル、だけど怖い。みたいな方程式が出来上がってるし」

「そんなイメージは全くねぇけどな。どっちかと言えば、真面目でがむしゃらな姉貴みたいなイメージはあるけどな」

「そんなこと言ってくれるの、翔稀だけだよ~。さすがミアシスのサブリーダー」


 そういって、翔稀に抱きつこうとするけど、さらっとかわされる。これは毎度やるオチで、わかってからは、私も倒れない範囲でやっている。


「まっ、気楽にストレス解消の方法は考えなあかんな」

「ちなみに翔稀は何かしてるの?」

「特に何もしてねぇよ。ストレス感じたら、速攻ものに当たるし」

「あんたも危ないことするね」

「それが俺のやり方やし。とりあえず、美桜の悪いところ見てやろうか?それで改善できるところがあれば改善して、楽にしたらどうや?」


 話を切り替えるようにしょうきが軽く動き出す。


「そうしようか。インストで歌いながら行くよ。そうしないと本番さながらにならないし」

「オッケー。とりあえず、サビ前からは入れや」


 翔稀に指示された場所から始めることにした。


「そうだな……。なんて言うんだろうな。あきらめてはないよな?」

「うん」


 そんなつもりは何一つない。だって、どうにかしたいとは思っているんだから。


「聞いててちょっと苦しいなって言うのは感じた。声のブレも少し大きいし。やから、ステップを少し小さくしてみたらどうや?別に、ダンスだけのグループやないんやしダンスはダンサーに任せや」

「大きすぎる?そんな感覚はないんだけど……」

「たぶん、その無意識が疲れにつながったんかもわからんな。俺も気付けへんかったん悪いと思ってる。やから、ちょっとステップを小さくしたらええんちゃって話やねんけど」

「無意識ね。……それなら、立ち位置以外ステップ無しでもライブはいいかもしれないけど、翔稀はどう思う?」

「う~ん。そうやな。ちょっとダサいかなって思うところはあるけど、ボーカルやし、羽ばたく歌やから、か弱い声聞くより、ダイナミックな方が俺はええと思う」


 そう。この曲はタイトル通りで、大きく羽ばたく描写が何度も描かれるから、ダイナミックに行きたい。

 となると、できることなら、振りありで行きたいけど、声が細くなるのは、さすがに気が引ける。


「そう。なら、ちょっと亜稀羅と相談してみる。もしかしたらほぼぶっつけ本番になると思うけど」

「ミアシスのダンサーの対応力の高いダンサーがそろってるんやで。心配することなんかないわ」

「ふふっ、頼もしい。じゃあ、とりあえず、亜稀羅が来たら相談しながら行くね」

「あぁ、わかった。頼むぞ」


 そこから亜稀羅と相談して、この曲に関しては、ダイナミックな声量を出すために、ボーカルの振り付けを変えて明日の本番を迎える。


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