注文の多いねこレス 後
めちゃめちゃ遅れました。スミマセン
「久しぶりだな、ねこさん」
「おや。貴方だったんですね。お久しぶりですね」
どうやら俺が入った建物はねこさんのレストランの様だった。ここには以前「別件」で訪れて以来だった。すっかり別の料理店の展開を覚悟してしまっていたが、そんなことはなかった。
「お腹を空かせていることでしょう。さぁ、中へ案内致します。」
俺はねこさんに従ってその長い廊下を歩き始めた。
ただ、俺は一つ不思議に思った。
「そういやねこさん」
「どうかしましたか?」
「あぁ、何だか前来た時と雰囲気が違っているように見えるんだが…」
「はい、このレストランは沢山のお客様に来ていただく為に様々な所に入り口を立てているんです。」
「それが、何の関係があるんだ?」
「はい、ただレストラン本体の位置まではそうそう動かせるものではないので、入り口からレストランまでの距離が長くなってしまう場所があるんです」
「ほう」
「しかも、ここは最近仮に敷設した場所なのでかなり長くなってしまうんです。ですので、退屈して頂かないようにとこの様に装飾してみたのですが......。いかがでしたか?」
「何だかどこぞの小説で見たことあるような展開で一瞬死を覚悟したよね。」
「やはりそうでしたか。やっぱり『あそこ』に頼んだのがまずかったんでしょうか。すみません。」
「いやいや、これはこれでなかなかスリルがあったし、雰囲気もリアルだったから楽しんでくれる人はいるはずだ。」
「そうですか......。なら、暫くはこのままでもよさそうですね。まぁ、クレームが入ったらすぐ取りやめます。」
「あぁ、そのほうがいいかもな。」
「はい、では進みましょう。」
「(......『あそこ』って絶対......。まぁ、奴らにしてはマシなほうか)」
疑問が溶けてスッキリした俺は、ねこさんに案内され、漸くレストランに辿り着けることができた。
~レストラン~
「ふぅ、やっと着いたな。しっかし長い道のりだったな。ワープとかできればいいんだが」
「いくら私がアノマリーでもそんなことはできませんよ?」
「おっと失礼。」
レストランを見渡してみると、前回来た時よりも客が増えているように感じる。ただ、その中に一般人はいない。大体が職員だ。(一般人がそもそも存在を知っているとは思えないが)
俺はここまでずっと歩きっぱなしだった為、空席を見つけてそこに腰をゆっくりと下ろした。そして、ゆっくりと呼吸をした。
「ご注文はいかが致しますか?」
テーブル横にはねこさんがいた。ずっといてくれたのだろうか。俺の注文はもう決まっていた。
「ハンバーグステーキを」
「...かしこまりました」
「ああ、よろしく」
「...『お話』、用意していてください。聞きたいことも沢山ありますので。」
「ああ...。」
そういって、ねこさんは厨房の方向へ姿を消した。
なんだか、久しぶりに「やさしさ」に触れることができた気がする。
とりあえず一旦完結です
次に取り組みます