22、英子ちゃんとカフェ
「英子ちゃん久しぶりー。」
「久しぶり桃ちゃん!合コン行ったんだって?」
「うん本当に行きたくなかったけど、脅されて行ったよ。先にカフェ入ろう。」
「そうだね。ゆっくり話も聞きたいし。」
まさか会っていきなり合コンの話をされるとはびっくりした。カフェに入ると陽が差し込む窓際に案内される。ここはご飯もデザートも美味しい。注文を終えると早速話し始める。
「桃ちゃん、私恋人ができたの!」
「えーいいね!どんな人?」
「同じバイト先の人で何回か張り込みをする内に仲良くなって告白されたの。23歳って言ってた。新卒で今のとこに就職したんだって、私みたいに大学生の時から働いてたみたい。」
「いいね。なんだか素敵。」
「デートもまだだし、仕事は仕事だから特にこれ以上話す事はないんだけど。」
「えーもっと詳しくどんな人か聞かせてよ。」
「うーん結構ぬぼーっとしてるけど、いざと言う時はとても頼りになるの!とっても強いし。それぐらいかな。」
「まあおいおい聞いていこうか。」
「それより合コンの話をしてよ。マコちゃんがあれは浮気するなって言ってたよ。」
「いやしないよ。」
仕方なく全てを包み隠さずに話す。キスマークの話は言わないでおこう。
「あー成程、じゃあマコちゃんにも脅され男にも脅されたのね。」
「うん。佐久間俊樹だって。」
「佐久間俊樹。××大の?」
「うん。そうだけど知ってる?」
「うん知ってるけど。名前だけ。サークル勧誘の時にそこの会報に載ってただけ。」
「へー何のサークル?」
「ミステリー研究会。」
「ミステリー。」
「そうなんだ。とにかく明日12時ここの駅で待ち合わせなのそれで昼を食べて帰ろうと思ってる。」
「桃ちゃんは彼氏がいるもんね。」
「うん。だから早く帰らないといけないの。」
「愛されてるねー。」
「英子ちゃんもすぐに分かるよ。」
「ははは。私も明日デートだから初デート。」
「どこに行くの?」
「私も駅でぶらぶらするよ。それで映画に行くって。」
「そっか。楽しみだね。」
「うん、楽しみだよ。」
英子ちゃんは幸せそうに笑っている。話し尽くした後また駅で解散した。
私は油断していた忘れた頃にやってくると。




