20、波乱の合コン
「ああーやっぱり行かないでくれ!」
「当日になってそれは無い。だから来た時にいいの?って言ったのに。」
「合コンに行くなんて、桃は可愛いから色んな男から言い寄られるじゃないか!」
朝からこんな感じだ。いつもより早くやってきて、最初は普通のワンピースに露出が多いと言い出して、ん?ってなったのだけどそれから何を着ても、可愛いからだめ、胸が大きいのがバレるからだめとか訳の分からない話を始めて結局、1時間前から駄々をこねている正直可愛い。
「壮真じゃあ合コン終わったら連絡するから迎えに来て!ねっお願い!2次会行こうって言われても断るから。」
「パンツスタイルだぞ。首はつまってる服にしろよ。」
「分かった。じゃあジーンズにノースリーブのYシャツにするこれならいいでしょ?ほら着替えて来ましたよー。」
「腕が出てる。」
「いや夏だからね。暑くてまいっちゃうよこれ以上着たら。」
「胸が目立つ。」
「あのね大きいのはどう頑張っても夏服だと隠れないの!私も嫌だよ!いつもジロジロ見られるし。でもこれも壮真のものだよ。」
「俺の。」
急に伏せていた顔をあげてこちらを見る。あっ変な事を言ってしまった。やばい。
「桃じゃあ触っ。」
「だめ。」
「俺のなのに?」
「だめ。」
「桃、じゃあ行っちゃだめ。」
「ぐっじゃあちょっとだけ。」
その後私はへろへろになるまで触られる事になった。壮真は腰が抜けた私を支えながら耳にキスをしている。
「ねえ合コン行かないの?」
「っ行きます!」
「本当に可愛い。俺幸せだ。じゃあ帰り連絡してね。」
「はいはい。」
よかった何とか間に合いそうだ。電車に乗って待ち合わせの駅で降りる。始めて降りる駅なので周りを眺めていると、マコちゃんが現れたもう1人の友達と一緒だ。
「桃ちゃんありがとう。咲ちゃんとはそこで一緒になったの。じゃあ行きましょうか。」
帰りたい。合コンって行った事なかったけど見ず知らずの人の話を笑顔で聞いて美味しくもないご飯を食べる。わー帰りたーい。男の子3人は国立大の文系で1つ上らしい。3人とも顔はまあまあいいけどなんだか遊んでそうだ。
「桃ちゃん可愛いね。この後2人で飲まない?」
「私達まだ19歳なのでー。」
「えー大人っぽいねー。じゃあご飯は?」
「ごめんなさい。お母さんが作ってくれるのでー。」
「そっか。じゃあ。」
「ごめんなさい、トイレに行ってきます。」
はー疲れる。彼には申し訳ないが時々胸を見て話す時点で無理だ。そういえばあのナンパ男は胸がどうのと言う割に胸を見られてるって感じた事ないな。
「桃ちゃん大丈夫?あの男ずっと胸見てない?私も話す時ずっとそうだった。」
「マコちゃんあの人本当に苦手。」
「うん、でも私が今話してる人は顔もかっこいいし話も面白いしいいよ。えっと佐久間さんだよ。でも私は国分さんがいいかな。」
国分さんは1番チャラそうな感じの人だ。佐久間さんの方が良さそうなのに。
「さあそろそろ席替えじゃないかな。戻ろう。」
それ程化粧が崩れていないので、仕方なく薬用リップだけ塗り席に戻った。席替えがもうされていて次の向かいの席は佐久間さんだ。ついでに新しい水も入れていこう。おしゃれなカフェで何とかウォーターと言ってパインとかオレンジ、ミント等が入った水があるのだ。
「桃ちゃんだよね。僕、佐久間俊樹。俊樹って呼んで。」
「俊樹さん、よろしくお願いします。」
「桃ちゃんって見かけによらず遊んでる?それとも彼氏持ち?」
「どうして?」
なんだこいつ急に喧嘩売ってんのか?
「いや髪が動くと見えるんだけど左の首の上の方にあるのキスマークでしょ。」
「えっ。」
「あれ気付いてなかったの?じゃあやっぱり彼氏持ち?」
「すみませんトイレで見てきます。」
「うん行っといで。」
壮真の野郎!電話しよう。
「はい。桃どうした?」
「どうしたじゃないでしょ!何でキスマークなんて!」
「えっ見えないところにしたつもりだったけど。」
「髪がなびくと見えるって言われたわよ!馬鹿!」
「だって心配だったから!」
「恥かいちゃったじゃない!もうすぐ終わるから!」
「ああごめん分かったよ。」
電話を切る。本当にもうどうしたものか。さすがに相手に失礼過ぎる。
「もし本当に彼女を作りたくてきてる人ばっかりだったら失礼じゃない。」
「そうだね。君は彼氏がいるのに恋人がいない振りをしているのだからね。僕らは君達を奢るし今日はとんだ災難だね。他の奴が知ったらどうなる事か。」
「俊樹さん!」
急に背後に現れた挙句、独り言まで聞かれてしまった。
「ええそうですよ。」
「すみません黙っていてください。」
「えーどうしようかな?」
「お願いします。1つだけ言う事を聞くので。」
「なんでも?」
「何でもではありませんが。」
「じゃあ1度デートしよう。」
「無理ですね。」
「バレたら。」
「じゃあ持ち帰らせてください。」
「おーい桃ちゃんって。」
「わかりました行きます!」
「はーいじゃ連絡先交換しようか。」
泣く泣く交換し席に戻った。どうしてこんな事に、絶対に壮真が悪い。皆、それぞれ2人で遊ぶようだ。カフェの前で解散となった。
もう2度と合コンなんて行かない。




