冒険者ギルドで
読んでいただいでありがとうございます!
学校に着き、商法クラスBの部屋に入るが、誰もいない。
まあ、コルク先生が言っていたし、当たり前かな。
クラス部屋は誰も居らず、シーンとしている。
そういえば、昨日は筋トレしてないな。
僕は日課にしている筋トレを昨日は入学手続きと授業で怠っていたことを思い出す。
寮だと出来ないし…後で先生に聞いてみよう。
とりあえず、誰か来るまでクラス部屋でやろうっと。
まずはラジオ体操風準備運動をして、いつもの筋トレメニューを実行に移した。
◇ ◆ ◇
ギィ、バタンッ
部屋の扉が開く音がする。僕はササッと筋トレを辞めて扉が開いた方を見る。すると、クラスの子がこちらを見てポカンと口を開いて呆然としている。
「や、やあ、おはよう。」
僕は若干引きつった笑顔で、ごまかそうとした。
「…おまえ、何してたんだ?」
不思議そうに僕に訪ねて来るクラスメイト。
たしか、名前はマレーマ、そうマレーマ・ルーレットと言ったかな?さすがに、能力値は全部忘れたけど、たしかそんな感じだったはずだ。
「マレーマくんだよね?体を鍛えてるんだよ。」
「は?体を?何のために?」
「いざって時のためにだよ。僕はほら体力が少ないから…」
「ああ、そういえばそんな状態だったっけな。」
昨日の僕のステータスを思い出そうと目が斜め上を向いて思い出している。きっと、呪いのせいでほとんど覚えていないんだろう。
「まあ、そのなんださっきまでやってたんなら、まだやってればいいじゃん。」
「ああ、誰か来るまでやろうと思っていたからもういいんだよ。」
「へー、ふーん。そう。」
…
会話が続かないっ!
「マレーマくん、結構早くに学校へ来るね?」
「ああ、まあ今日は二日目だし、学校くるっていう感覚がわからなかったんだよな…そういうお前も早いじゃんか。」
やっぱり、そういう早くきちゃった人も居るよな。
「僕もそんな感じだよ。だからいつも日課にしている体を鍛える運動をしていたんだ。」
「…お前変わってるな。」
なんだかんだ、マレーマくんと会話をしていると、どんどん人が入って来た。
「まあ、なんだお前「ルークだよ。」……ルーク、お前結構ヤバイぞ。お前の能力値の話は、昨日だけで色々なところで聞いたからな。」
まあ、そうなってしまうだろうな。
「ありがとう。なんとなく僕もそうなるとは思ってたんだ。」
「ふん、忠告はしたからな。せいぜい気をつけろよ。じゃあな。」
マレーマくんはそういって、自分の席へ座って目を逸らした。
まあ、それはわかってるんだけど…今はどうしようもないよ…
まだ、降りかかっている火の粉は無いから対策って言っても、警戒と筋トレをするだけしかなかった。
◇ ◆ ◇
時間になったのか、グラガ先生が来た。だが、まだテンドや他の2人は来ていない。
「さあ、今日も市場の出し物考えるように。」
「あの、グラガ先生。まだテンドやリッジ、スタマーが来ていないのですが…」
「ルーク、質問する時は声を掛けるて許可を確認するか、手を挙げるようようにしなさい。」
「すみません…」
「次から気をつけなさい。…この市場の出し物は各グループで話し合い決めるものだ。」
「グループの者が来ないのは、複線クラスに参加しているかここに来ても意味がないからであろう。その点についてこちらから干渉することはない。自分たちで決めて行動しなさい。」
そういえば、昨日、集まるのは5週間後と言っていたっけ…
昨日決まったことについて、既に動いているのだろうか。そうすると、僕も動いておいた方がいいかな。
クラス部屋に来ている者はグラガ先生に企画を相談するためらしい。既に出し物が決まっている僕のグループは、相談する必要がないみたいだ。そのため、今日の予定を繰り上げて、昼間から街へ行くことにした。
まずは街で冒険者ギルドを訪ねて見よう。場合によってはお金が稼げるクエストでも受けよう。
◇ ◆ ◇
街を歩いて冒険者ギルドっぽい建物を見て回るが、それっぽいところが見つからない。
こんなことなら、コルク先生に場所も聞いておくんだった…
闇雲に探していても仕方がないので、僕は冒険者ギルドの場所を道行く人に聞いてみることにした。
「すみません、道をお尋ねしたいのですが、少しよろしいでしょうか。」
「ふむ、君は学校の生徒かな?どこへ行きたいんだ?」
「はい、冒険者ギルドを探しておりまして…」
「おお、そうか。私もちょうど冒険者ギルドに向かうところだったのだ。どれ、ついて来ればよかろう?」
「ありがとうございます。」
僕は道行く人がたまたま冒険者ギルドに用事があるらしく、ついていくことにした。
偶然ってすごいなぁ…
道中、道を聞いた人から色々と話しかけられる。
「私の息子も今年から学校に入ったのだよ。」
「そうなんですね。」
「ああ、商法部門に入学してね。色々と学んで早く私の後を継いで欲しいものだ。」
「この学校なら立派な商人になれると思いますよ。」
「ハハッ、なかなかよくいうものだな。」
「いえいえ。」
もしかしたら、同級生の可能性もあるかも。
「さあ、着いたぞ。ここが冒険者ギルドだ。」
「はい、ありがとうございます!」
「うむ、して名はなんと言うのだ?」
「私はルークと言います。もしかしたら、お子さんと同じクラスになっているかもしれませんね。」
「何!?ルークと言うのか…」
突然、名前を伝えた瞬間にとても驚かれてしまった。
もしかしたら、今日マレーマくんが言っていた能力値の話が街の方まで広がっているのかもしれない。
情報って早いな…
「ふむ、そうか。」
なんか一人で納得したようだ。
「それでは、私はこれに失礼する。息子と会うことがあれば仲良くしてやってくれ。」
「はい、ぜひこちらこそお願いします。お子さんの名前はなんというのでしょうか?」
「テンドだ。テンド・オーシャンという。」
「え、テンドくんのお父さんだったんですか!?」
「そうだよ。息子を知っているのかね?」
「ええ、同じクラスなんですよ。」
「そうだったか、案内をしたのもちょうど良かったという事だな。」
まさか、テンドくんのお父さんと会うことになるとは…
「まあ、私は用事があるからそろそろ失礼するよ。」
そう言って、テンドくんのお父さんは冒険者ギルド内へ入っていった。
僕も冒険者ギルドへ入らなくちゃ。
中へ入ると、受付がカウンターになっていて、他には丸いテーブルが1つあるだけだった。
あれ?冒険者ギルドって言ったら、もっと荒くれがたくさん居て、居酒屋兼用の依頼票なんかが破れかかっている雰囲気の部屋だと思ったんだけど…思ったのと違うな〜…
と考えていると、さっき連れてきてくれたテンドくんのお父さんは、何やら受付と話をしてカウンターの後ろに通されていた。
「あの!ちょっといいですか?」
「あれ?どうしたのかな?ぼく。」
「ここに登録すると、仕事が貰えるって聞いたんですが…なにかありませんか?」
「え、仕事?坊やが?」
「あれ?無理なんでしょうか。」
「うーん、今は何かあったかな?あ、登録はもう済んでるのかな?」
「いえ、まだです。これから登録したいのですが…」
「登録料として、1ロン貰うけど、あるかな?」
「1ロンって、お金ですか?」
「え?お金の知識も無いのに、冒険者ギルドへ来たの?」
「生活に必要になったもので…」
「それじゃあ、普段は誰も選ばないけれど…最初の50回は紹介した仕事の報酬50%を貰うという登録手段もあるよ?どうする?」
無一文なんだ、選べる状況じゃ無い。
「それでも良ければ登録したいです。」
「わかったよ。それじゃ登録の証にこの1アンにこちらで管理している番号を刻みつけるよ?」
「お願いします。」
文字を書く手段が少ないからだろう、傷を付けることで管理しているようだ。
「じゃあ、その1ロンを半分に割るからちょっと下がってて。」
「え?なんで割るんですか?」
「え?ああ、理由は2つあるよ。」
お姉さんは、僕は全く知らない子供だったことを再認識したのか詳しく教えてくれた。
「1つは、コインの価値を無くすためだよ。昔はコインに番号のために傷を付けたのに、それを削って普通のコインのように見せかけて、お店で使う輩が居たんだよ。」
それで何度も登録して金を稼いだ連中がいたらしい。
姑息な手を使う輩が居たもんだ…
「もう1つは、最近出来たばかりなんだけど…割る時に冒険者ギルド特有の魔術で割るんだ。そうすることで冒険者ギルド側の管理が楽になるのと、不正を防止するのさ。」
転生前の世界の割印みたいなものかな?
昔は父親が家の契約を交わす時に、割印して半分を自分で持って管理する様な事をして居たな。
「自分で作って、自分で割っただけの物が出始めたりね。魔術による管理もしないと、冒険者ギルド側に片方の割印が無くて無くしやがった弁償しろだの言いがかりがひどいんだ。」
冒険者ギルド側にも工夫が色々とこなされてるんだなー…
「これでもまだ悪巧みを考える人はいるんだけど、徐々に減って来たよ。坊やも作ったからには、このコインを無くさないでね。」
無くすと再発行は出来ないらしい。
「なんでそこまでして詐称したがるんでしょうか?」
「さあ?そこまではわからないよ。ランク上位になって名声得たいか、上位クエスト受注したいかじゃない?」
お姉さんが言うには、ランクが上がればコインも1アン→1ロン→1ルバ→1ルドと割コインをして管理するらしい。
ランクが高いと報酬の高い仕事が受けれるようになるとか。
さっき文字を刻みつけてる最中にお金の事を教えてもらったけど、100アン=1ロン、100ロン=1ルバ、100ルバ=1ルドとなり、アンは鉄色、ロンは銅色、ルバは銀色、ルドは金色のコインとなるようだ。
「それじゃ最後に坊やの名前を教えて。」
「ルークと言います。」
「はい、ルーク、ルークっと!!?もしかして、坊やは商法部門の子かい?」
「はい、そうですけど?」
「たしか、能力値が異様に低いんだったよね。」
「ええ、体力が…」
ここにも噂が広まっているのか。
「ああ、体力が低いのか…とすると坊やに受けさせれる仕事は限られるね。」
お姉さんは大きな板を用意する。
「えーっと、今ある仕事はーっと。」
お姉さんが何かをすると、板に文字がたくさん現れた。
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●草むしり(魔術禁止)
●キケの実の収穫
●狼の生け捕り
●オークの肉の確保
●ダンジョン踏破(王指令)
●ドラゴンの鱗確保
●炭鉱の発掘
●俺を倒してみろ(一対一限定)
●魔族の生け捕り(話せる魔族限定)
●新・手紙を届けて欲しい
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「うーん、これはダメだしキケの実も危ないしなぁー。やっぱり草むしりくらいかな?」
冒険者ギルドって色々な仕事があるんだな。
お姉さんがうんうん唸っている。
「よし、坊やが受けれるのはこれくらいかな?」
●草むしり
やっぱりそうなるよね…
僕はお姉さんから草むしりの仕事を受けた。
「これから、坊やにはソウザさんの家に行ってもらいます。報酬は敷地半分以上の草むしりで10アン、完全な草むしりで30アンです。場所は…」
「ありがとうございます!」
明日の食事確保だ!
僕はそう思って、ソウザさんの家に向かった。




