手紙
ルイとの出会いから3日後〜
あれから3日立った。いつも通り朝食後、自室に戻り家庭教師が来るまでの時間自習していると窓の外から「コンコン」と叩くような音がした。
怪訝に思い窓際に行くと紙で創られたような鳥が窓を叩いていた。
こんなことができるのはおそらく…ルイくんだろう。家の周りにある対敵防御魔法を潜り抜けここまで手紙を運べるとは只者じゃないな…
呆れ半分感心半分で窓を開き、木鳥を部屋の中に入れると私の手の上に止まり一通の手紙に変わった。
封を開き手紙を読むと丁寧なルイ君の文字が書かれていた。
【レイシアへ 先日は大したおもてなしもできなくて申し訳なかった。前に話してた魔法の件だけど、使える属性を教えてくれたら相性のいい魔法式を教えられると思うから教えてほしい。それと来年の魔法学院の入学式に必要な杖を今度作ろうと思ってるんだけど、もし良かったらレイシアの分も一緒に作れるからまだ用意してなかったら教えてね。じゃ、また今度会える日を楽しみにしています。 ルイ】
なんだかんだで面倒見がいいんだな。ルイ君って。杖が必要なのか〜まだ入学準備品の書類は我が家に届いてないから分からなかったんだよね。他に必要なものもあるのかルイ君に聞いてみよう。持つべきものは友達だね。ほんと!
初めてあった時よりも饒舌…というか手紙だと饒舌になるタイプなのかな?魔法のことも聞きたいし近いうちにまた会いに行けるかお母様に聞いてみよう…!
あ、ルイ君にも予定聞いとかないとな。
早速返信しようと思い、ルイ君からもらった木鳥のタネにほんの少し魔力を込める。すると1枚の白い便箋に早変わりした。
ものの数分で返信を書き終わり便箋から手を離すと、便箋が鳥の形…木鳥になり開け放った窓から飛び立っていった。
「はは、改めてチートよね……。」
この世界では攻撃に使える魔法と守護に使える魔法が主で、魔法が使える人は1000人に1人。それも自分でモノを作り遠隔操作できる魔法なんて聞いたことが無いし、それが七歳の少年だなんて誰が思うだろう。これが知れ渡れば国から囲われるのは必須だろう。
友達…前世の私には友達と呼べる人はかなり少なかった。
仕事に明け暮れ人々を救い、家に帰ってゲームで現実逃避。この世界で初めての友達だもんね、前世からの知識と経験で汚い権力者たちから絶対ルイ君を護る!!
そう心に決めたのであった。