第8話 大事なんだ。
・・・今は8月の31日の夜。
明日はグレード審査会に卒業式がある。
すでに10名の卒業が決まっている。
その中には流の名前もあった。
美奈都は少し寂しそうだった。
「流もこの学校からいなくなってしまうのか・・・。」
2階のベランダから夜空を眺めていた。
確かに流と美奈都は特別仲が良かった。
もちろん俺とも仲が良かった。
そんな奴がいよいよ卒業となると結構寂しいものだ。
今までいろいろなことをやってきた。
8時間耐久でテレビゲームをやっていたり。
海に行ってスイカ割りならぬキュウリ割りをしたり。
夜に廃墟に行って蚊に刺されて喚いたり。
夏祭りの帰りに公園で花火したり。
結構いろんなことをやった・・・が・・・。
楽しい時間というのはあっという間に過ぎてしまうもの。
別れの時は刻々と迫ってきた。
美奈都は本当に寂しそうだ。
俺も寂しくないと言ったら嘘になる・・・。
しかし眠りにつくしかないんだ・・・明日はもう・・・。
そして迎えた朝。
俺たちのグレード審査会だ。
なんとみさちもグレード4、下手すりゃ今日で卒業だ。
俺たちだってグレード3、早ければ来年の3月にここを去る。
でも不思議とここを出たくない。
まだここで過ごしていたいと思っている俺がいる。
審査会が終わると昇級・残留・降格の3つのボードが貼り出される。
つまり次のグレードがわかるのだ。
そして昇級のボードには流と・・・俺と美奈都が入ってる。
つまり俺たちはグレード4、残留や降格でもしない限りは
3月で卒業することになる。
みさちは残留だった。
一方の真昼はというとみさちと同じく残留だった。
ちなみに彼女はグレード3、俺たちの一つ下となる。
しかし俺たちが3に昇格して半年で1つ上がるとは・・・。
これまで9月の審査会では上がることがなかった。
つまり1年に1度昇格されていたことになる。
ちなみにさっきからグレードグレードいっているけど
どうやらグレードごとにいろいろな特典がある。
2になるとテレビを見ることができるようになる。
逆に言うと1の時はテレビはつかない。
というか1〜4までそれぞれ家のゾーンがあって
1だとネットもテレビもつながらない為退屈なのである。
まぁ俺は美奈都と一緒だったからそこまでではなかったが。
3になると2階建てになる。
ちなみに1は仮設住宅、2は1階建の普通住宅になっている。
4は防音設備などが整った少し豪華目の2階建てになる。
ついでにいうとグレード4は20名までとなっている。
グレード3は30名であとは制限がない。
まぁこういうシステムも当然のことながらここならではのものだ。
ここ以外でこんなシステム聞いたことがない。
そして迎える卒業式。
といっても俺と美奈都は出てないけど。
普通の学校と違って卒業生以外は基本自由なんだ。
でも卒業式が終わってみると流の姿はいない。
何も言わずに去っていった。
流を探していると卒業生の一人が話しかけてきた。
「流くんがあばよって・・・。」
流らしい。
まさにあいつらしい去り方だ。
あばよ流!




