↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
197/303

「回転の矢」


ロイスはゆっくりと目を覚ました。頭を強く打った衝撃で人格はまるで別人のように変わっていた。穏やかだった少年の面影はなくなり、乱暴な口調で話す新しい人格が目を覚ます。

「いてぇ……。」

ロイスは頭を押さえながら立ち上がった。

「ここどこだよ。」

見渡す限り森だった。屋敷も炎も何もない。

「俺の名前は……ロイス。」

名前だけは思い出せる。しかしそれ以外の記憶がひどく曖昧だった。自分がどこの家の人間なのかも、さっきまで何をしていたのかも思い出せない。

「まぁいいか。」

ロイスは歩き始めた。森を進んでいると突然胸の奥が熱くなる。

ドクン。

右手が勝手に光った。

「何だ?」

一本の矢が現れる。その矢は高速で回転していた。

「へぇ、面白ぇじゃねぇか。」

試しに木へ向かって放つ。

ギュォォォォン!!

矢は凄まじい勢いで飛び、木を貫通した。

「俺は…この力で勝ってみせる」

ロイスは何故かはわからないがバトルロワイヤルの事、能力の事を理解していた。

それから数日間、ロイスは森で生活した。木の実を食べ、川の水を飲み、生き延びた。その間にも何人もの参加者が襲ってきた。

「死ね!」

「悪ぃな。」

ロイスは笑いながら回転する矢を放つ。

矢は相手の武器ごと吹き飛ばし、相手は逃げ出していく。

「弱ぇな。」

そんな生活を続けていたある日だった。

森の奥で一人の少年を見つける。

その少年は美しい顔立ちをした十歳くらいの子供だった。その隣には十七歳くらいの少女がいる。

「新人か。」

ロイスは木の上へ飛び乗った。

「ちょっと遊んでみるか。」

弓を構える。

能力を発動する。

回転する矢が生まれた。

「当たれ!」

ギュォォォォン!!

矢は一直線に少年へ向かう。

しかし。

カキィィン!!

矢は弾かれた。

「……は?」

ロイスは目を見開く。

「俺の矢を弾いただと?」

少年もこちらへ視線を向ける。

その目は驚くほど冷静だった。

ロイスは思わず笑う。

「面白ぇ奴じゃねぇか。」

もう一本の矢を番える。

「今度はどうだ!」

ギュォォォォン!!

二本目の矢も放たれる。

だがその矢も少年によって弾き返された。

ロイスの口元が自然と緩む。

「最高だぜ。」

そう呟くと、ロイスは木から飛び降りた。

少年の前へ姿を現す。

これがサナージュとの最初の出会いだった。

面白ければブックマーク評価お願いします

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。