第二十五章 世界の覇権争いの始まり
安土城の天守から琵琶湖を見下ろしながら、
信忠は静かに地図を広げた。
それは――
日本、アジア、南蛮、そしてヨーロッパ全体を描いた巨大な地図だった。
柴田勝家が息を呑む。
「殿……これは、もはや戦国の地図ではございませぬ。
世界の地図にございます」
信忠は頷いた。
「日本は南蛮の脅しを退け、
アジア同盟網を築き、
巨大経済圏を形成した。
ならば次は――世界の覇権だ」
丹羽長秀が驚愕した。
「殿……日本が世界の覇権を争うおつもりか」
信忠は迷いなく答えた。
「そうだ。
世界は二つに割れ始めている。
日本を中心とした新秩序と、
南蛮世界の旧秩序だ」
■世界の反応
●オスマン帝国
「日本の鉄砲は南蛮製より優れている。
日本と交易すれば、軍事力が増す」
●ペルシャ
「日本の絹と陶磁器は南蛮製を超えている。
日本は新しい交易の中心だ」
●インド
「日本の銀貨は信用できる。
日本との交易は利益が大きい」
●シャム
「日本は南蛮を抑え、アジアを守る国だ」
●明
「日本は新しいアジアの盟主となる」
世界は次々と日本との交易を拡大し、
日本を中心とした新秩序が広がり始めた。
■南蛮世界の危機感
ポルトガル
「日本が世界市場を奪っている……!」
スペイン
「日本製鉄砲が世界を席巻している……!」
宣教師
「日本は南蛮の影響力を消し去ろうとしている……!」
南蛮世界はついに理解した。
日本は世界の覇権を狙っている。
■南蛮世界の反撃準備
ルソンの商館では、南蛮勢力が最後の会議を開いていた。
「日本はアジアを支配し始めた」
「日本製鉄砲が世界へ広がっている」
「日本式銀貨がアジアを席巻している」
「日本の物流網がアジアを繋いでいる」
「このままでは、世界は日本のものになる」
スペイン総督が静かに言った。
「日本を止めるには、もはや外交でも経済でも足りぬ。
必要なのは――軍事力だ」
ポルトガル商人が震える声で言う。
「しかし、日本の陸軍は強大だ……」
宣教師が低く笑った。
「陸では勝てぬ。
ならば――海で勝つしかない」
彼らはついに“世界規模の海軍力”を日本へ向ける決断をした。
■安土城の軍議
安土城の政庁で、信忠は重臣たちを集めた。
勝家が言う。
「殿、南蛮世界は海軍力を増強しております。
大砲を備えたガレオン船が増え、
インド洋・南シナ海で動きが活発にございます」
利家が続けた。
「殿……これは、世界規模の戦の前触れにございます」
信忠は静かに言った。
「戦は避けたい。
だが、世界が日本を敵とするなら、
日本は世界と戦う覚悟を持たねばならぬ」
長秀が問う。
「殿……どうされます」
信忠は迷いなく答えた。
「日本は海軍を作る。
世界と渡り合える海軍を」
勝家が息を呑む。
「殿……ついに海軍を……!」
信忠は頷いた。
「世界の覇権争いは、陸ではなく海で決まる。
日本は海を制し、世界を制する」
■日本海軍の創設
信忠はすぐに命令を発した。
「日本式の大型船を建造する」
「大砲を備えた軍船を作る」
「堺・長崎・敦賀に造船所を建てる」
「海軍を統括する“海軍奉行”を設置する」
宗久が驚愕した。
「殿……これは、日本が世界と戦える海軍を作るということ……!」
信忠は静かに言った。
「南蛮世界は海を制している。
だが、日本が海を制すれば、
世界の覇権は日本のものだ」
■信忠の宣言
安土城の天守で、信忠は重臣たちに向かって言った。
「日本は世界へ進む。
陸を整え、海を整え、
鉄砲を売り、絹を売り、銀貨を流し、
世界市場を日本の手に収める。
そして――海軍を持ち、世界の覇権を争う」
勝家が深く頭を下げた。
「殿……これは、戦国のどの天下人も成し得なかった天下にございます」
長秀が続けた。
「殿は日本を守るだけでなく、
日本を世界へ押し出すお方にございます」
信忠は静かに言った。
「父上……私はあなたの夢を超えます。
日本を世界の中心へ進ませます。
これが、織田幕府の天下です」
琵琶湖の風が安土城を揺らし、
新しい時代の始まりを告げていた。
世界の覇権争い――
それは、信忠が“世界の舞台”へ踏み出す決定的な一歩だった。




