↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/28

第二十章 南蛮勢力の反撃

安土城の政庁に、長崎からの急使が駆け込んできた。


「殿――南蛮船が、長崎沖に集結しております!

 その数、十隻以上……!」


柴田勝家が目を見開いた。


「十隻……!?

 交易船ではなく、武装船か」


使者は震える声で続けた。


「はい……大砲を備えた“カラック船”が複数……

 さらに、スペインの“ガレオン船”まで……

 まるで、戦の準備をしているように……!」


政庁の空気が一気に張り詰めた。


丹羽長秀が低く言う。


「殿……南蛮世界が本気で日本を屈服させに来ております」


信忠は静かに立ち上がった。


「……ついに動いたか」


■南蛮世界の会議

その頃、ルソンのスペイン商館では、

ポルトガル商人・スペイン総督・イエズス会宣教師が集まっていた。


「日本は危険だ。

 鉄砲を自国で作り、硝石を秘匿し、

 アジア諸国と同盟を結ぶとは……」


「日本がアジアの中心になれば、

 我らの交易網は崩壊する」


「織田信忠は、信長以上に厄介だ。

 このままでは、日本が南蛮世界を支配する側になる」


「日本を従わせねばならぬ。

 武力で圧力をかけるしかない」


彼らはついに“武力による威圧”を決断した。


■安土城の軍議

安土城の政庁では、重臣たちが集まり軍議が開かれていた。


勝家が言う。


「殿、南蛮船は大砲を備えております。

 日本の船では太刀打ちできませぬ」


利家が続けた。


「陸戦なら勝てますが、海戦は……」


信忠は首を振った。


「海で戦う必要はない。

 南蛮世界は日本を脅すために船を集めた。

 だが、上陸する気はない。

 彼らは日本の陸軍力を恐れている」


長秀が頷いた。


「殿……では、どうされます」


信忠は静かに言った。


「南蛮世界は“武力で脅せば日本は屈する”と思っている。

 ならば、屈しないことを示すだけでよい」


勝家が息を呑む。


「殿……まさか……」


信忠は地図を指差した。


「長崎に軍を送る。

 ただし、戦わぬ。

 港に堂々と布陣し、

 『日本は脅しに屈しない』と示す」


利家が驚いた。


「殿……それは、戦より難しい策にございます」


信忠は微笑んだ。


「だからこそ、我らがやる」


■長崎の対峙

数日後、長崎の港には織田軍一万が整然と布陣した。

槍隊、鉄砲隊、騎馬隊――

陸戦なら南蛮軍を圧倒できる精鋭だ。


港の向こうには、

大砲を備えた南蛮船十数隻が並んでいた。


南蛮人たちは驚いた。


「日本軍が……逃げない……?」


「大砲を向けているのに、怯えていない……?」


「これは……脅しが通じぬということか……?」


織田軍は一歩も動かず、

ただ静かに港を守っていた。


その姿は、南蛮世界にとって“恐怖”だった。


■信忠の言葉

信忠は長崎の丘に立ち、南蛮船を見下ろした。


「南蛮世界は日本を脅しに来た。

 だが、日本は屈しない。

 日本は日本の国だ。

アジアの中心だ。

 南蛮の植民地にはならぬ」


その言葉は、長崎の風に乗って港へ広がった。


南蛮船の代表が叫んだ。


「信忠殿!

 日本は南蛮の保護下にある!

 従わぬなら、砲撃するぞ!」


信忠は静かに言った。


「撃てばいい。

 撃てば、南蛮世界はアジア全土を敵に回す。

 琉球も、シャムも、ルソンも、朝鮮も、明も――

 日本の同盟国だ」


南蛮人たちは息を呑んだ。


「……アジア全土を敵に回す……?」


信忠は続けた。


「日本は孤立していない。

 南蛮世界こそ孤立している。

 それを理解するなら、交易を続けよう。

 対等な国として」


南蛮船は沈黙した。


そして――

一隻、また一隻と帆を上げ、長崎沖から離れていった。


南蛮世界は、日本を脅すことができなかった。


■信忠の決意

長崎の港を見下ろしながら、信忠は静かに呟いた。


「父上……日本はもう、南蛮に怯える国ではありません。

 日本は世界と対等に渡り合う国です。

 これが、私の天下です」


波が静かに寄せ、

長崎の港は新しい時代の始まりを告げていた。


南蛮勢力の反撃――

それは、日本が“世界の中心へ進む”ための試練だった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。