2026年 誕生日スペシャル 守田木乃香編「休日、全力で壊れる日常」
今日は少しだけ、いつもと違う一日。何も変わらないように見えて、ほんの小さな違和感だけが、朝の空気に混ざっている。
それは気のせいかもしれないし、ずっと前からそこにあったものかもしれない。
ただ一つだけ言えるのは——
今日は、ちゃんと続いていくということ。
守田の朝は早い。
まだ外がうっすら暗さを残している時間帯、キッチンの明かりだけが小さく浮いている。
「さ、今日も準備しなくちゃ」
誰に向けるでもない声を落として、守田はエプロンを結んだ。
朝食の準備。それはもう、考える前に体が動くくらいには習慣になっている。
鍋に火をつけて、味噌汁の具を切る。並行してウインナーを焼く手つきにも迷いはない。静かな朝に、一定のリズムだけが流れていく。
「全く。たまにはお父さん手伝ってくれたっていいのに」
ぽつりとこぼれた声は、返事を待つこともなく湯気の中に消えた。
守田の両親は、彼女が幼い頃に離婚している。今は父と二人暮らしだ。
ただ、その父も朝は早い。出勤は五時前後で、守田が起きる頃にはもう家にはいない。
今日のように休日出勤も珍しくない。
家の中のことは、ほとんど守田の役目になっていた。洗濯も掃除も、食事の準備も。気づけばそれが当たり前になっている。
それでも、別に不満というわけではない。
「ま、案外こういうのも楽しいけどね」
小さく笑って、ウインナーをフライパンの中で返す。
ジュッという音だけが、静かな朝に響いた。
ふと、手が止まった。
壁のカレンダーに視線が向く。
五月十日。
「……あれ?」
ほんの一瞬だけ動きが止まる。けれど次の瞬間には、またいつもの調子に戻っていた。
「ま、いっか」
そう言って軽く笑い、再び手を動かす。
いつも通りの朝。いつも通りの準備。
守田木乃香の一日は、変わらないまま始まっていく。
一人で朝食をとっていると、スマホが机の上で小さく震えた。
ブー。
振動がそのまま腕に伝わる。
「誰だ?」
手を伸ばして画面を開くと、表示されていた名前に目が止まった。
「桜咲?」
通話をオンにする。
「おはよぉ!!そしておめでとう!!!」
いきなりの大音量に、守田は思わずスマホを耳から離した。
「う、うるさいなぁ、朝から騒がないでよ」
「ごめんて、それより誕生日おめでとう!」
「あー、それはありがとう」
軽く返しながら、箸を動かす。
誕生日といっても、特別なことをするわけではない。いつも通りの朝で、いつも通りの一日になるはずだった。
「で、どこ行くか決めた?」
「え?」
思わず間抜けな声が出る。
「え?じゃないよ。守田が行き先決めるって言っといて、全然決めないんじゃん。わざわざ電話してるのに」
「え、そんな話してたっけ……」
記憶にない。
「もしかして、忘れてたなんてないよね?」
「も、もちろん!」
即答したものの、自分でも少し怪しい。
「え〜、じゃあ早く教えてよ。茅野も待ってるよ」
「か、茅野さんも?!」
さらに情報が増える。
どうしよう、と視線を泳がせたその時、カウンターの隅に何かが置かれているのに気づいた。
「チケット……?」
「ねぇーまだ?前私が言った候補のところでいい?」
スマホを耳に当てたまま、守田はそれを手に取る。封筒の中には、一枚のチケットが入っていた。
音之宮〜期間限定スペシャルカラオケ招待券〜
「カラオケ……!!」
思わず声が漏れる。
「え、何?なんて言った?」
「カラオケ!カラオケだ!カラオケ行こう!!」
「うわぁびっくりした。そんな大声出さないでよ」
「それさっきまでの自分に言える?」
電話越しで、桜咲と茅野の笑い声が混ざる。
守田はもう会話の細部にはあまり意識が向いていなかった。
チケットの裏を返す。そこには、少し癖のある字で一言だけ書かれていた。
今日ぐらいは、友達と一緒に楽しんできなさい。父より
一瞬、手が止まる。
「……なにそれ」
小さく呟いてから、ふっと息を吐く。
そしてスマホを握り直した。
「行く!絶対行く!」
「守田さん。プレゼン会議まであと二時間ほどです。準備進めましょう」
「あぁ、そうだな」
日程表へ目を落としたまま、守田は短く返す。
「そう言えば、娘さん、木乃香さんでしたっけ?今日誕生日なんですよね」
「あぁ、そうだが」
「たまには父親らしいことしてあげてもいいんじゃないですか?」
「父親らしい、か……」
そこで初めて、手が止まる。
数秒考え込んだあと、
「……資料は?」
「はい?」
「プレゼン用の資料だ。昨日持ってただろ?」
「え?昨日、確認するからって持っていきませんでした?」
机の上を見回す。
「……まずいな」
カラオケルームに、勢いだけは満点の歌声が響く。
「~~~~~っ!!!」
「ひぃ、ひぃ、ふぅ……!」
「ラマーズ法?」
守田のツッコミが飛ぶ。
マイクを握る桜咲は、まるで全力疾走直後みたいな顔をしていた。額から汗が流れ、肩で息をしている。
「五曲も連続で歌うからだよ」
「喉大丈夫?」
守田も茅野も、さすがに少し心配そうだった。
そして、画面に表示された点数は——
42点。
「よ、四十二点……」
「また四十点台じゃん」
「う、うん……まだ、今度こそは……」
桜咲の喉は、完全に限界を迎えていた。
「音之宮の最高クラスの機材使ってこれは逆にすごいよ」
「いや、まだいける、私は!」
「いや、座って」
立ち上がろうとした桜咲を、茅野が即座に止める。
そのまま桜咲は、ゆっくりとソファへ崩れ落ちた。
「次、茅野さん歌う?」
「私は歌わない」
即答だった。
「えー」
「えー、じゃない」
守田は苦笑しながらタブレットを操作する。
次は何を歌おうか。
ランキング画面を流していたその時、ふと、一位の曲に目が止まった。
戸手悠仁 『真夜中ブギー・トランペット』
「戸手?」
「守田さん、知らない?」
茅野が少し意外そうに顔を上げる。
「いや、戸手さんは知ってるよ。この曲も」
「ならいいけど」
「長野県出身の歌手だよね。“幻声”って呼ばれるくらい歌上手いって有名な」
「な、なに……戸手……?」
桜咲が会話に入ろうとする。
「喉痛めるからしゃべらないで」
「ひどくない?!」
即座に茅野が止めた。
守田はもう一度ランキング画面を見る。
「でも、この曲が一位なんだ」
「デビュー曲だしね。有名なのはわかるけど」
「今さら急にって感じはするかも」
理由を考えても仕方ない。
ただ、なんとなく歌いたくなった。
「……まぁ、いっか。久々に歌いますか!」
守田はマイクを手に取り、再生ボタンを押した。
軽快なイントロがスピーカーから流れ始める。
『真夜中ブギー・トランペット』
長野県出身の人気歌手、戸手悠仁のデビュー曲。
独特なリズム感と跳ねるようなメロディ。
守田はマイクを片手で軽く回す。
戸手悠仁。
圧倒的な歌唱力で知られる長野県出身の歌手。
男女、発声、歌い方、声質——様々なボーカル表現を、一人で完全再現してしまう異常な才能の持ち主。
デビュー曲『真夜中ブギー・トランペット』も、女性ボーカルとして歌っている。
画面にカウントが表示される。
3。
2。
1。
その瞬間——守田の声が重なる。
「~~~♪」
「……え?」
最初に固まったのは桜咲だった。ついさっきまで騒がしかった部屋の空気が、一瞬で静まる。
守田の歌声は、想像していたものと少し違っていた。
上手い。
ただ、それだけじゃない。
声が軽い。
柔らかく跳ねるようで、それでいて音程が全くブレない。
高音へ上がる瞬間も無理に押し上げる感じがなく、自然に抜けていく。
まるで最初からそこにその音があったみたいに。
「……」
茅野が黙ったまま画面を見る。
守田はそんなこと気にした様子もなく、楽しそうにリズムを取っていた。
足先で小さくテンポを刻み、時々笑いながら歌っている。
それなのに、妙に耳へ残る。
サビに入る。
一気に音域が跳ね上がる難所。
普通なら外しやすい場所。
けれど守田は、その高音をあっさりと抜けた。
「うそ」
桜咲が小さく声を漏らす。
ビブラートも過剰じゃない。
技術を見せつけるような歌い方でもない。
ただ純粋に、“歌うことを楽しんでいる”。
それだけなのに、不思議と聴き入ってしまう。
戸手とはまた違う、守田の歌には守田の空気があった。
明るくて、軽くて、どこか温かい。
カラオケルームだということを、一瞬忘れそうになるくらいには。
間奏に入る。
「いやー、この曲やっぱ楽しい!」
さっきまでと変わらないテンションで笑う守田。
そのギャップに、桜咲は思わず頭を抱えた。
「なんでその感じでそんな上手いの……?」
「え?」
「いや、“え?”じゃないから!」
「そう?」
本人にはあまり自覚がないらしい。
再びメロディが始まる。
守田はまた自然に歌へ戻った。
音程は安定しているのに、どこか自由だった。
譜面通りに正確、というより、“気持ちよさ”で歌っている感じに近い。けれど、その自由さが不思議と崩れない。
むしろ曲そのものを軽やかにしていた。
ラスサビ。
一番盛り上がる場所。
守田はマイクを握ったまま、楽しそうに笑う。
そのまま最後の高音を真っ直ぐ抜けて——
曲が終わった。
数秒、誰も喋らない。
静寂。
やがて画面に点数が表示される。
99点。
「うわ、惜しい!」
最初に反応したのは、歌った本人だった。
「そこ?!」
桜咲が即座にツッコむ。
「いやでもあと一点じゃん!」
「いやいやいや、普通そこまで行かないから!」
「そういうもの?」
守田は本気で不思議そうだった。茅野は小さく息を吐いて、ソファにもたれかかる。
「……なるほどね」
「何が?」
「カラオケ100点常連って、こういうことなんだって思っただけ」
守田は照れたように笑った。
けれど次の瞬間には、もう次の曲を探し始めている。
その姿があまりにもいつも通りで、桜咲はとうとう笑い出した。
「誕生日の主役、自由すぎるって……!」
次は何を歌おうか。
タブレットを操作しながら曲を探していると——
突然、机の上に置いていたスマホが震えた。
ブー、ブー。
「ん?」
守田が画面を見る。
表示されていた名前に、少しだけ目を丸くした。
守田田羽
「……父さん?」
休日の昼間に電話をかけてくるなんて珍しい。
「どしたの?」
「え、誰?」
「あ、ごめん。ちょっと電話出るわ」
守田はマイクを置き、そのままカラオケルームを出る。廊下は部屋の中より静かで、さっきまでの音楽が遠くに感じた。
通話をオンにする。
「もしもし? 父さん、急にどうしたの? こっち今友達と——」
言い切る前に、父の声が重なった。
「……資料、そっちにないか?」
「え?」
いつもの低い声。けれど、どこか妙に切羽詰まっている。
「プレゼン用の資料だ。家に置いたままになってないか」
「いや、知らないけど……」
守田は少し困惑しながら答える。
電話越しに、慌ただしい物音が聞こえた。
誰かの話し声。紙をめくる音。遠くで鳴る電話。父のいる場所だけ、まるで別世界みたいだった。
「……まずいな」
小さく漏れた声。
その瞬間、守田はなんとなく察した。
「あー……なくしたんだ」
「なくしてない。見当たらないだけだ」
「いやそれ世間一般ではなくしたって言うんだよ」
「木乃香」
「はいはい」
思わず笑いそうになる。けれど父の声には、冗談を返す余裕すらあまり残っていなかった。
「今どこだ?」
「音之宮」
「音之宮?」
一瞬、父の声が止まる。
「……そうか」
「え?」
「いや、なんでもない」
短く返したあと、父は小さく息を吐いた。
「楽しんでるところ悪かったな」
「別にいいけど」
「……だが、あの茶封筒がないとまずい」
「知らないよ...って、茶封筒?」
電話越しで、ほんの少しだけ沈黙が落ちる。
「ん?なんだ?」
「待って、その茶封筒って大きいやつ?」
「そうだが」
「それなら持ってるよ」
父の声のトーンが上がる。
「え?ある?今?」
「チケット持ってく時、下にあった袋とかも一緒に持ってきたんだよね。カラオケ関係のやつかと思って。まぁ、めんどくさいし中身見てなかったけど」
父の喋るスピードが上がる。
「木乃香、すまんが、それ、会社まで持って来てくれないか?」
「え〜めんどくさいなぁ」
「た、頼む。それがないと、本当に終わるんだ」
父の必死の頼みに、守田は押された。
「もう、仕方ないなぁ。いいよ」
「おぉ、ありがとう。で、場所は、分かるか?」
「昔、迎え行ったこともあるし、分かるよ」
「そうか、頼む。あと、一時間ほどで会議なんだ。急いでくれ」
「ちょっと待って、ここから父さんの職場って、めっちゃ時間かかるんだけど」
言い終わる頃には電話は切れていた。
「...はぁ」
静かにため息をつく。
「ごめん、用事できて、もう帰らないといけなくなった」
「え?もう、まだ一時間だよ」
桜咲が喉を痛めてるのにも関わらず声をさらに高くする。
「そうなんだ」
茅野は割とあっさり受け入れていた。
それも彼女らしいが。
守田はそうして音之宮を後にした。
しかし、どうしよう。音之宮から父の職場まではかなりの距離がある。
バスやタクシーも頭をよぎるが、休日のこの時間はどちらも期待できない。
スマホで交通状況を調べる。
「げ、渋滞えげつない」
守田は思わず顔をしかめた。
国道は完全に混雑していた。休日特有の流れの悪さで、車列はほとんど動いていない。
これでは、まともに移動することすら難しい。
そして、会議まではあと一時間ほど。
「……仕方ないか」
小さく呟いた次の瞬間。
守田は地面を強く蹴った。
そしてそのまま、父の職場へ向かって走り出す。
守田の父の職場は、すでに慌ただしい空気に包まれていた。
「守田さーん。会議もうすぐ始まりますよ」
「あ、はい、すみません」
周囲の社員たちは次々と会議室へ向かっていく。時計の針は、容赦なく予定の時刻へ近づいていた。
「まずいな……これは間に合わないぞ」
父は資料の入った封筒の行方を思い返しながら、小さく舌打ちをしたその時だった。
ドタドタと、廊下の奥から走る音が響く。
「……?」
次の瞬間。
バンッ!!
勢いよく扉が開いた。
「木乃香!!!」
息を切らしながら飛び込んできたのは、守田だった。
「ハァ……ハァ……と、父さん、これ……だよね?」
手には、しっかりと例の茶封筒。
「あぁ、それだ!ありがとう!」
父は即座にそれを受け取る。
「そ、そう、それな、ら、良かった……」
守田はその場で膝に手をつき、大きく息を吐いた。そしてそのまま、力が抜けたように床へ倒れ込む。
「って、おい、木乃香……しっかりしろ、木乃香!!」
父の声が上がる。
全身は汗でびっしょり濡れていた。息は荒いままだが、どこか表情だけは妙に満足そうだった。
そのまま、木乃香は気を失った。
薄い音だけが、遠くで揺れていた。水の中に沈んでいるような、輪郭のぼやけた感覚。
声がする。
「……まぁ、可愛い子」
どこか嬉しそうで、でも少しだけ戸惑いを含んだ声。
そこに、別の声が重なる。
「俺の……俺の子なのか?」
「そうよ。あなたはこの子のパパなんだから」
「パパ……」
その言葉だけ、やけにゆっくりと落ちていく。
「なんでそんな恥ずかしがってるの?」
「いや……なんでもない。それより」
少しだけ間が空く。
息を整えるような沈黙。
「この子の名前、決めてるのか?」
「もちろんよ」
優しく、迷いのない声。
「名前は——」
一瞬、世界の輪郭が強くなる。光が差し込むように、言葉だけがはっきりと浮かんだ。
「木乃香」
「ハッ!!」
守田は目を覚ました。
見上げた天井は、知らない場所のものだった。
「ここは……?」
ぼんやりとした視界のまま、辺りを見渡す。どうやら社内の休憩室のようだった。静かで、少しだけ空気が冷たい。
視線の端に、人影が見える。
「父さん……?」
そう思った次の瞬間、その人物は——
椅子に座ったまま、すやすやと眠っていた。
「寝てるし……」
思わず呆れた声が漏れる。
「父さん!!」
「うわぁっ!!」
情けない声とともに、父は勢いよく飛び起きた。
「お、木乃香!起きたのか!?大丈夫か?」
「遅いよ、父さん」
「ご、ごめん……」
しょんぼりと肩を落とす父。
守田は小さく息を吐いてから、視線をそらしたまま続けた。
「……でも」
少しだけ声が柔らかくなる。
「父さんがここまで運んでくれたんでしょ?」
「あ、あぁ」
短く頷く父。
守田は一瞬だけ黙り、それからぽつりと呟いた。
「……ありがとう」
視線は合わないまま。
けれど、その言葉は確かだった。
父は一瞬、言葉を失ったように固まる。そして——どこかで聞いた同僚の言葉が、頭の中に浮かぶ。
——たまには父親らしいことしてあげてもいいんじゃないですか
「……木乃香」
突然、父が口を開いた。
「何?」
少し警戒したように守田が返す。
「俺は、お前が生まれてから、一回もちゃんと抱いてやったことなかったな」
「は?」
意味が分からず、守田の声が裏返る。
「だから」
父は少しだけ視線を逸らしながら続けた。
「今、抱かせてくれ」
「ちょ、何言って——」
言い終わる前に。
ぎゅっ、と。
守田の体は父に包まれていた。
「ちょ、ちょっと!父さん!?恥ずかしいよぉ」
「誕生日、おめでとう」
「だからタイミング!!」
顔が一気に熱くなる。
それと同時に、拳が振り下ろされる。
ドンッ!!
「痛ッ!!!!」
見事な一撃が父の腹に入った。
父はそのまま床に崩れ落ちる。
「……やりすぎたかも」
ぽつりと呟く守田。
だが次の瞬間、小さく吹き出した。
「ほんと、何やってんの」
床で転がる父も、苦笑いする。
静かな休憩室に、少しだけぎこちない笑い声が重なった。
しばらく休んだことで、体力もすっかり回復した。
「さぁ、一緒に帰ろう。家で誕生日パーティだ」
父がそう言う。
「父さんが今までそんな祝ってくれたことなかったよね?」
守田が少しだけ意地悪く返す。
「そんなことないぞ」
即答だった。
「てか、プレゼンどうだったの?」
「……資料あってもグダグダだったなぁ」
「ちょ、私が頑張った意味」
思わず声が上がる。
「まぁ、いいじゃないか」
「良くないわ。良くも友達との遊びを潰してくれたわね」
「痛ッ!!」
軽く小突かれ、父が情けない声を上げる。そんなやり取りをしながら、二人は並んで歩き出した。
「てかさ、父さんどうやって音之宮の招待券なんてゲットしたの?」
「ハハハ、それはな...」
会社の明かりが少しずつ遠ざかっていく。外の空気は、さっきまでより少しだけ柔らかい。
二人の親子はそのまま、家へと帰っていった。
守田木乃香キャラクター解説完全版
基本情報
♫ 名前:守田 木乃香
♫ 性別:女
♫ 所属:長野県東縁高等学校 吹奏楽部(二年生)
♫ 担当楽器:ファゴット
♫ 誕生日:5月10日(牡牛座)
♫ 身長:167cm
♫ 血液型:A型
パーソナル
♫ 性格:後輩想いで活発
♫ 好きなもの:キムチ、納豆、トロロ
♫ 嫌いなもの:パクチー、卵料理(アレルギー泣)
♫ 趣味:カラオケ(誕生日は絶対)
♫ 特技:カラオケ(100点もお手のもの)、走ること
♫ 無意識の癖:恥ずかしくなると、思わず手が出てしまう
内面・関係
♫ 音楽へのスタンス:特にない
♫ 響への印象:特にない
♫ 誕生日に対する感覚:友達と楽しめるならなんでも!
※作中に登場した、戸手悠仁の「真夜中ブギー・トランペット」はYouTubeチャンネル「World of Tukimoto」に投稿されています。是非お聴きください。
日常は、いつも通りに流れていく。特別なことなんて起きていないようでいて、振り返ったときにだけ気づく変化がある。
言葉にできなかったものも、形にできなかったものも、そのまま消えるわけじゃない。
ただ少しだけ、残り方が変わるだけだ。
そんな一日も、きっと悪くない。
改めて守田木乃香さん、誕生日おめでとう!!
感想、評価、ブクマ是非お願いします。
次回 誕生日スペシャル 柊木真尋編 5月17日公開。
お楽しみに!!




