↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

第4話 学院生活初日


 今日から授業が始まる。

 物語とは違う運命を辿ることに私は少しだけ成功しつつあった。

 クラスはアサギクラスとだいぶ頭の良いクラスに入ることができたし、物語のルナのように寮生活初日からひどい嫌がらせを受けていない。

 ルームメイトは陰気でも陰湿でもなく、陽気で優しい少女だった。

 今もその少女―ケイトと共に登校している。


 「こっちの道で合ってるっすかね?」

 「多分?」


 私が疑問系なのはいくら大好きな小説であっても見たことがない場所だからだ。

 好きであってもわからないものはわからない。だから疑問系なのだ。


 「あ⋯待って。こっち反対方向かもしれないっす」

 「えぇ⋯」


 隠れ方向音痴二人組は迷いに迷い、3時間もかかってクラスへと辿り着いた。

 ドアを開けると中にはほとんど人がおらず、白髪が混じった髪の男性が待っていた。

 他のクラスメイトはどこに行ったのだろうか。


 「遅れてすみません⋯」


 声に反応して振り向いた男性はなかなかイケオジだった。


 「おや、やっとこの教室に辿り着くことができたのかい。ケイト=マグアリーン嬢、ルナ=フォンテーヌ嬢」

 「すみません、ちょっと⋯いやだいぶ道に迷ってしまったんす」

 「誰にでもミスはありますからね。私は貴(・)女(・)方(・)の担任となりました、リューク=ハミルトンです。よろしく」

 「よろしくお願いします」

 「さあ、授業を始めようじゃないか」

 「え⋯?他の方々は?」

 「ああ、聞いていないのか。アサギクラスは実のところシラサギクラスより頭がいい人を集めたクラスなんだよ。だから人が少ないんだ」

 「な、なるほど?」

 「そういうことならわかったっす!」

 「じゃ、始めるよ〜」


 リューク先生の授業は分かりやすく、面白かった。

 授業の途中で判明したことなのだが、アサギクラスは私たちの他にあと3人ほどいるらしい。だけれど全員が休みだそうだ。

 1日目からそれができるなんて猛者だと思う。


 6限目を終えて学生寮に戻る際、ケイトはよるところがあると言って先に行ってしまった。

 だから1人で帰寮していたのだ、昨日通った中庭の前を。

 

 ―ザバーン


 頭に強い衝撃が走る。

 何が起こったのか理解するのにかなりの時間を要した。

 頭から足まで濡れたせいか、体の芯から冷えている。


 何故だ?

 この小説のストーリーとは違う展開になっているのに。

 何故、このような仕打ちを受けている?


 ルナが持っていたスキルを使い、水を引っ掛けたやつを特定する。

 やはりアイツだった。

 文葉(わたし)の推しカプをメリバに陥れ、ルナが嫌がらせを受けた元凶。

 『聖女アリスの祝福』でのルナのルームメイト、ラナ=アステラス。

 私の中にいるルナが酷く怯えている。

 もしかしたらこのルナは私が見ていた物語通りに亡くなって、時間逆行しているのかもしれない。


 そしてルナのスキルにはもう1つ機能があって映像が見れるのだ、監視カメラのように。

 察しが良い人ならば私でなくても気づくであろう。

 そう、ルナは嫌がらせを受けている際、どんな人がどんな理由で自分に嫌がらせをしているのか分かっていたのだ。

 心優しい彼女はどんな気持ちで過ごしていたのだろう、友達だと思っていた人の裏切りを知った時どれだけ悲しかったのだろう。他人事のように話しているが、自分のことでもあるのだ。

 

 話を戻すけれど、コイツさえいなければ、カリスとルナは心中することはなかったのだ。

 ルナが戻ってきても大丈夫なように、徹底的に潰そう。怒ったハピエン厨兼オタクを舐めるんじゃないぞ?

 私の望みである2人の幸せを見るために―。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます!投稿が遅れてしまい申し訳ありません。誤字脱字がございましたら、報告いただけるとありがたいです。もしよろしければブックマークと★マークを5まで押していただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。