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第14話 異質の部屋


 ロンドは、俺とルーナに頭を下げて


「ごめん」

「「!?」」


(え?)


 ロンドが俺たちに対して、こんな行動をとるとは思ってもいなかった。


「今回、俺のせいでルーナさんが連れ去られてしまった。本当にごめん」


 すると、ルーナは少し怒りながら


「メイソンに助けてもらったからいいよ。でも謝る人が違うんじゃない?」

「悪かった。メイソン」

「あ、あぁ......」


 もっと早く謝ってくれていれば......。今更謝られたところで、どうでもよかった。だからこそ気持ちよく「うん」と言えなかった。その時、ルーナが肩を叩いてきて


「メイソン、ルッツはどこにいるんだろう?」

「う~ん。ルーナはルッツ様の魔力を感じないの?」

「......。ここら辺だとは思うんだけど、わからない」

「そっか」


 ハッキリ言って、リーフしかルッツ様の居場所を知らなかったため、現状どうすることもできない。するとロンドが


「なんの話だ?」

「......」


 俺はルーナの方を向くと言った。


「弟がここに囚われているの。だから助けなくちゃいけない」

「悪い、俺が殺しちゃったから......」

「いや、あれが最善だったと思うから気にしなくていい」


 あの時ロンドがリーフを殺していなかったら、今どうなっていたかわからない。もしかしたら、アイテムを使って俺たちが知らない力を使っていたかもしれないし、仲間を呼ばれていたかもしれない。


「まずはここら辺を探そうか」

「う、うん」


 三人でここらへんを探索し始めるが、あたり一面に瓦礫が多すぎて探すに探しきれなかった。


(クソ)


 もっとあの時考えて、行動をしていれば......。そう思いながらも、瓦礫をどかして行きながら何か手掛かりがないか探す。


(あ、もしかして)


 リーフが座っていた椅子の周りを漁り始めると、下の階につながる階段を見つける。俺は二人を呼んで階段を指さす。


「ここ......」

「......。行ってみよ」

「あぁ」


 階段を下っていくごとに徐々に空気が重くなっていった。


(......)


 スタンピードとは違う空気の重さ。そう実感させられるほど違う雰囲気があった。そして、一つの扉にたどり着く。


「開けるぞ」

「うん」

「わかった」


 扉を開けて中に入る。


(!?)


「ひ、ひどい......」


 そこには、数えきれないほどの人がよくわからない液体と一緒にガラスの中に入っていた。


 そして俺たちが徐々に奥へ進んでいくと、一体の生物と出くわす。それを見たロンドは茫然としてルーナは膝を崩しそうになっていた。


「あ、あれ......」

「あ、あぁ」


 先ほど人が入っていたガラスの数倍は大きく、その中にはドラゴンが入っていた。

なんでこんな場所にドラゴンがいるんだ? いや、今はそんなことどうでもいい。


「まずはルッツ様を探そう」

「うん」


 ドラゴンを後にして、もう少し奥に進んでいくと一つの扉を発見する。俺はすぐに開けようとするが、鍵がかかっていて開かない。


 ロンドが扉に斬りかかるがびくともしなかったため、俺は魔剣グラムを取り出して


「みんな距離を取って」

「「うん」」


 二人がそう言って、距離をとったのを確認してからグラムに波動拳を付与させて、力を抑えつつ扉に斬りかかる。


 すると、扉が真っ二つに切り裂かれた。そして中へ入るとそこにはルーナとうり二つの男性が結晶の中で眠っていた。


「ルッツ!」


(あれがルッツ様なのか)


 ルーナはすぐさまルッツ様に近寄るが、ルッツ様は目を覚まさない。


「メイソン......。どうすればいいの? わからないよ......」

「......。ちょっと待って」


 俺は、ルッツ様の体にあたらないようにグラムで斬りかかるが、欠片が少し出来ただけであった。


(流石、固有スキルか......)


 その時ふと思いつき、欠片を呑み込みつつルッツ様に略奪を使用する。


宝石ダイヤロック


 すると、宝石ダイヤロックが徐々に無くなっていき、ルッツ様が出てくる。その時、ルーナがルッツ様を抱きしめながら問いかける。


「ルッツ! ルッツ!」

「......」


 ルッツ様の反応が無いままルーナが何度も問いかけると、数分後にルッツ様が目を開けた。


「姉さん?」


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魔眼の英雄~「無能の雑魚」と勇者パーティを追放されたので、勇者の裏側で英雄として成り上がる。え?今更戻って来いと言われてももう遅い。



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