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進学先は異世界でした ~俺の異世界学園生活記  作者: 於田縫紀
#15 学園都市の秘密

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§86 歴史の謎とハンバーガー

 扉の前からもとのようにぐるりと回って地下道への入口に辿り着く。

 魔法で再び今の通路を土で埋めて、そして元来た道を戻る。


 実験棟へ帰る途中、アン先輩に色々話を聞いた。

 例えばこの遺跡を発見した経緯。

 ある生徒がこの学校に進学した際、走査魔法が使えない場所がカウフォード内に数カ所ある事に気づいたのがはじまりだそうだ。

 その生徒は二年後技術研究会の会長になり、新入生のアン先輩にそのことを話す。

 その結果部長と部員の二人だけでここへ来る方法を色々探して回る事に。

 付近に徹底的に魔法探知をかけた結果、あの実験棟からの通路を発見。

 更に大穴の中で会長が空間走査魔法を使ってあの入口を発見。


「ここ以外にもカウフォード内に数カ所、同じような場所があるとあの人は言っていたのだ。更にカウフォード以外にも同じような場所があるような事も聞いたのだ」

 そしてアン先輩自身の記憶にも似たような場所がある事を俺は聞いた。

 俺が落ちてきた場所の近く、実家の本家の地下奥深くに。


「ただこの遺跡の件についてはまだ他の部員には言わないつもりなのだ。だからホクトもしばらくは話さない方針で頼むのだ」


「わかりました」

 階段を登りながら俺は頷く。

 ここは確かにちょっと異常だ。

 触れない方が正解なのかもしれない。

 そんな雰囲気を俺も感じる。


「それではまた、なのだ」

 実験棟で欺瞞魔法を元に戻したところでアン先輩と別れた。


 俺は寮の自室に帰って歴史の教科書を開く。

 何か参考になることはないかと思いながら頁を捲る。

 でも歴史の教科書の何処にもそれらしい記述は全く無い。


 あるのはお決まりの歴史の記載だけ。

 石器時代から始まって稲作が始まって各地域に豪族が出来て。

 海外との交流が無い代わり他世界からの大量流入が何度かある程度。

 五百年くらい前にこの島を中心とするこの国の統治体制が完成して以後そのまま。

 あとはゆっくりとした変化で現代に繋がっている。


 何か全てが色々が嘘くさく感じる。

 全てが嘘の土台の上に出来ている様に感じる。

 今のこの国の技術水準や魔法水準は全て嘘なのだろうか。

 でも調べる手立てはすぐには思い浮かばない。


 こういう時にネットがあればいいのにとつくづく思う。

 この国だと図書館で調べるのが精一杯。

 自宅で検索するだけでかなりの情報が集まる日本とは違うのだ。


 何だかやる気が無くなって机からベッドへ。

 ふて寝というか昼寝。

 そう言えばこの国に来てから昼寝をしたことが無かったな。

 何せ朝早く夜も早い健康的な生活を続けていたし。

 充分な明るさの照明が無いからしょうが無いのだけれど。


 ◇◇◇


「ホクト、起きろ」

 ???

 俺は今眠いんだ。


「お土産もある。乗り物の報告も」

 何だろうと思って目を開ける。

 いつの間にか眠っていた様だ。


「もうすぐ皆集まる。だからホクト、起きろ」

「メルか!」

 目が覚めた。


「メルか、今どこにいる」

「帰ってきた。今は食堂」

「わかった。すぐ行く」


 魔法の『個別放送』だ。

 俺は髪だけ例のヘアブラシで整えてから、急いで食堂に向かう。

 まわりはまだ明るい。

 何の鐘くらいの時間だろう。

 夕食が始まっていないから十二の鐘(PM4:30)よりは前だな。


 どの辺にいるのかはすぐにわかった。

 テラス席の横にあの自転車が置いてある。

 見ると既に俺以外の技術研究会の面子が揃っていた。


「どうだった、アム往復」


「楽勝だよ」

「あんなスピード感は初めて。特に帰りは怖かった」

 どっちの言い分も良くわかる様な気がする。


「あとで自転車の点検もしておかないとな。それであの乗り物は?」

「シルダに持って行く。量産出来るか調べる。しばらくかかる」

 まあそうだろうな。


「それはともかく、サンドイッチの新作が一杯出ていたよ。おかげでまたとんでもない混み方をしていたけれど」

 既にいくつかが出ているのでその成果はわかる。

 野菜サンドもマヨネーズの香りが僅かにしている。


「取り敢えずお父さんがある程度満足できるものが出来たって言っていた。お母さんは渋い顔だけれどね。また客待ちが酷い事になったから。

 それでこれがこの前教わった知識の回答だって」

 ラインマインは俺の前に明らかにハンバーガー風の物を出した。


 どこぞ風に言うとダブルチーズベーコン月見バーガーだ。

 ちゃんとバンズにはゴマが散らしてある。

 食べてみると納得。

 これは旨い。

 市販品のビッグ●ックなんてもんじゃない!


「寄越すのだ」

 二口食べたところでアン先輩に横取りされた。

 更にアン先輩が二口食べたところでヘラの手に。


 俺は何となく心の中の霧が晴れていくのを感じだ。

 そう、俺は今の状態が気に入っていたんだ。

 この国、この世界の今までがどういうものであったとしても。

 そう思い直せた。

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