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進学先は異世界でした ~俺の異世界学園生活記  作者: 於田縫紀
#10 魔法の街シルダ(2)

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53/216

§53 他世界人?の爪痕

 翌日。

 取り敢えず午前中から昼食まではバザール巡り。

 これはメルとラインマインのご機嫌取りという面もある。

 昨日の博物館の件があったので、俺達の意見を通しにくかったのだ。

 俺やアル、アン先輩の希望は図書館直行だったけれど。


 そんな訳でまずは魔法関係以外の物のお買い物。

 何せここには色々な物が並んでいる。

 巨大熊の毛皮なんて使い道がよくわからん物とか。

 川鱒の燻製なんていかにもの物とか。


 そして意外なことに洋服屋さんが結構あった。

 主に女性の服を扱っているようだ。

 スカートとかブレザーとかコートとか、現代日本に近いシルエットの服だ。


 ゴムとかファスナーとかは存在しない。

 でもボタンやベルトという概念は存在している模様。

 シルダは魔法だけでなく、落ちてきた人間の総本山的な面もあるのかな。

 そんな印象を受けた。


 そして目新しい洋服に張り切る女性陣。

 メル、ヘラ、ラインマインは思い切り立ち止まってしまったわけだ。

 アン先輩はあまり興味が無い模様だけれども。


 中学生用の洋服サイズが無いだろうと思わないでくれ。

『見本のデザインの服、貴方のサイズに合わせて一刻で仕上げます。安心の総魔法仕上げ!』

 そんあ恐ろしい案内板があったりする。

 だから三人とも鏡の前で各自会わせてみたりアルと俺に似合うか聞いてきたり。

 もう大変な状態だ。


 そこで俺はある服を見つけた。

 色は白色。

 素材こそ残念ながら綿なのだが、表面がつるつるで防汚魔法がかかっている模様。

 前はボタン式でえりがある長袖で裾が長い。

 俺がいた世界からこの世界まで伝わったのか、他の世界で平行進化したのか。

 

「アン先輩、これをあわせてみませんか」

「別に新しい服などいらない。単に着ることが出来ればいいのだ」

「そういう人に最適な服です」

 ちなみに白衣だ。


「俺の元の世界では医者や研究者がよく着ている服です。そういう頭脳労働者の作業服みたいなものですね。作業服だから汚れてもいいし、このデザインだから中に何を着ていようと構わない」


「なるほど、合理的なのだ」

 アン先輩、乗ってきた。

 よしよし。


「本当なのか」

 アルは疑わしげ。


「本当だ。一般的ではないけれど研究者はよく着ている」


 アン先輩、金属を磨き上げたらしい鏡の前で色々試している。

「うむ、合理的なのだ」

 気に入ったらしい。

 いそいそと注文テーブルへ。


 ちょっと悪乗りしたかな。

 銀正貨一枚分ほどかかっているし。

 でもまあいいや。

 あの実験室とアン先輩には似合うだろう。


 そしてラインマインが十着目くらいの服を持ってきた。

「ねえ、これどうかな」

 デザインは……

 おいおい、セーラー服そのものじゃないか!

 疑問を持ったので店の人に聞いてみる。


「これってどう見ても他世界から落ちてきた人がデザインしたように見えるのですけれど」

「いやあ、お目が高い。実はここの半数以上は五十年前、シルダの地に落ちてきたイズモ氏が描いたデザインを基にしたものでして」

 店員がにこやかに答える。


「その方は今、何処にいらっしゃいますか」

「イズモ氏はお亡くなりになりましたよ。落ちてきた当時が四十代でしたから」


 なるほど、イズモというのか。

 明らかに日本人風の名前だな。

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