§50 魔具屋で少し休憩中
そんな訳で全員で中におじゃまさせてもらう。
店の奥に休憩所のような場所があって、そこでテーブルを囲んだ。
出してもらったお茶やお菓子をいただきつつメルや店のおばさんの話を聞く。
お茶の味が違うから、きっと違う葉なんだろうな。
でもお菓子はどう見てもおかきとかあられに見えるような。
きっと平行進化という奴なんだろうと自分を納得させる。
「でもモリエール叔母さんが屋内商店街の方にいるとは思わなかった。本店だと思っていた」
メルの台詞。
「今日辺り誰かに会えそうな気がしてね」
そういう勘ってあるよなと俺は思う。
「モリエール叔母さんは未来視」
おいメル、ちょっと待った。
それじゃ会えそうな気じゃなくて未来予知魔法そのものだろう。
「モリエール叔母さんのところは街中で魔具商をやっている。ここは外から来た人向けの支店で街中の方が本店。でも街の外部の人はそっちは行けない。買い物が出来るのはここの屋内商店街と、あとは宿と食堂だけ」
なるほど、そういうシステムになっている訳か。
「まあ外部に公に出来ない技術とか魔具とかもあるからねえ。魔法武器とかは住民でもエリア外に持ち出し禁止だし」
「北の山側には大型の熊がいる。たまに人を襲うので魔法武器が必要」
なるほどな。
ここでは必要だけれど他に持ち出したら危険なんて物もあるのか。
「だからここに置いているのは儀式魔術で使う小道具や、魔力で動く小型の便利道具が主だけれどね。灯具とかバーナーとか。あとは金属製品かな。ワイヤーとか針金とか鍋釜類。刃物はたたらで作った物の方がよく切れるからここには置かない」
その言葉はそのままシルダの街で買うべきお勧めのように俺には聞こえた。
「モリエール叔母さん本人がいるなら話が早い。ここにいる全員にお勧めをお願いしたい」
メルがそんな事を言う。
何、と思ったところで。
「モリエール叔母さんは未来に必要な物の判別もできる。売っている物の値段や品質も安心」
なるほど、確かに。
「でも色々見て回ったり選んだりする楽しみもあると思うけれどね」
売る方の叔母さんがそんな事を言っている。
「それはそれ、これはこれ。それにここで最低限必要な物を入手しておけば余裕が出来る」
「確かにそうだな」
アルが頷いた。
「なら選ばせて貰うよ。ちょっと待っておくれ」
そう言って叔母さんは更に奥へ消えていった。
どうやら奥に倉庫がある模様。
思った以上に大きな建物のようだ。
「元々夜になったら私だけで叔母さんに話を聞きに行こうと思っていた。叔母さんの未来視魔法は精度が高い」
なるほどな。
メルなりに色々考えていた模様。
「私用はどんな物があるのかな。魔法を使えないけれど」
「私も魔法を使えないですしね。アン先輩辺りなら色々使えるでしょうけれど:
「僕もだ」
俺も勿論魔法を使えない。
こういう場合はどうなるのだろう。
お茶とお菓子をいただきつつ、回りの商品を見たりして待つ。
この魔法充填型の色々なら魔力が無くても使えるかな。
ライトとかバーナーとか。
でもライト位しか使い道を考えつかないな。
そんな事を考えていたら叔母さんがカゴに商品を色々入れて戻って来た。
それぞれ俺達の前に並べ始める。




