§32 いろいろ限界寸前でした
ラインマインも何か言葉を考えている様だ。
ちょっと間を置いた後、口を開く。
「普通は強靱種の血が出ている女の子って、女の子として見て貰えないんだよ。お互い強靱種同士なら別だけれども。だって思い切り抱きしめられたりしたら間違いなく死んじゃうくらい腕力がちがうんだよ。
だから知っている人は私を女の子としては見てくれない。それが普通だけれどな。違う?」
「そう言われてもさ。俺は他の世界から来たからそんなの知らないし関係ない。
それにラインマインは可愛いし綺麗だ。性格だっていいし。意識しない方がおかしい位だと思うぞ」
本気でそう言い返してしまう。
ちょっと本音が出すぎかもしれない。
でも俺は本当にそう思うから。
ラインマインにそんな事を思わせたくないから。
「本当にそう思う?」
「勿論」
「なら試してみるね」
次の瞬間、俺はラインマインに抱きしめられていた。
柔らかい身体。
何かいい匂いがするような気がする。
触れている全ての部分が熱い。
「この状態で本気で腕に力を入れたらホクト死んじゃうんだよ。それでもそんな事言えるの?私が怖くないの?」
「何で」
別の意味でかなりぎりぎり。
でもここはきちんと答えないといけない。
「ラインマインだとわかっているから別に怖い事は何も無いな。別の意味で意識し過ぎておかしくなりそうだけれどさ」
「これでも?」
抱きしめる力が更につよまった。
本当の密着状態。
色々もう限界に近い。
「怖いと感じるのは無理だな。ラインマインだから」
それだけは言っておく。
でも頭が本気でぼーっとしそうだ。
わかるはず無いのにラインマインの身体の色々を感じる気がする。
ドキドキし過ぎた心臓の音が伝わりそうな位の密着度。
風呂上がりの身体が余計に熱くなる。
発熱しているのは接触している場所全部。
汗の匂いとちょっと違う酸味のある匂い。
「変なの。でも、ありがとう」
そう言ってラインマインは腕をほどいてくれた。
ほっとするような残念なような。
でもちょっと思いついたことがある。
頭がぼうっしているせいか勢いで実行。
「お返し」
今度は僕からラインマインを抱きしめる。
ぎゅっと軽く力を入れて。
「お返し。余計にドキドキさせてくれた罰」
そう言ってから腕を放す。
やり過ぎた。
俺の方が我慢可能な限界だ。
「ごめん、やり過ぎた」
一応謝っておこう。
「ううん、ありがとう」
ラインマインがそう言って。
そしてちょっと考える様な間の後、口を開く。
「これで次は意識しないで済みそうかな?」
そう言えばその話から始まったんだった。
でも答はもう俺自身わかっている。
「無理な感じだ」
今後はさっきの色々な感触まで思い出してしまうんだろうな。
そして余計ドキドキするのだろう。
多分、きっと、でも間違いなく。




