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進学先は異世界でした ~俺の異世界学園生活記  作者: 於田縫紀
#24 私は知りたい

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120/216

§120 遺跡の中へ

『移動魔法!』

 あっさりとあの異質な空間に出た。

 床はビルの床等にある合成樹脂っぽい感じ。

 壁は石っぽいが不明な素材。

 そして壁の一面にパネルがあり、そして小さな操作卓がその前にある。

 パネルの反対側には見覚えがあるパネル付きの扉。

 そして。


「ようこそいらっしゃいました」

 ほっそりした身体に銀色の長髪、白い肌、整った顔立ち。

 若干無表情気味な感じがレマノさんに少し似ている。

 ただ明らかに違って印象的なのは緑色の瞳。

 両目とも緑色だ。


「最初に断らせていただきますが、私の目は魔眼ではなく色素異常です。魔眼の能力はありません。貴方と違って」

 俺が聞くより早くそう説明する。

「普段は面倒ですので魔法で隠しています。こんな風に」

 彼女は右手を軽く振る。

 瞳の色が薄い焦げ茶色になった。


 魔眼の持ち主で無くても相当な魔法使いだというのはわかる。

 監視魔法や転送魔法を使い、おそらく移動魔法も使える。

 アン先輩以上の使い手である可能性は高い。

 口調も手紙と比べると大分まともだ。

 話し方はレマノさんに近い感じだな。


「さて、一方的に私が貴方を知っているのはフェアではありません。ですから軽く自己紹介を致しましょう。私はリーグレ、ここの上位高等学校の二年生です。

 さてホクト君、ここへ来ての感想はどうですか?」


 やっぱり高校生だったかと思う。

 自己紹介も信用していいだろうと感じた。

 なので彼女の問いに俺は正直に答える。

「まさかこんな方法で入れるとは思いませんでした」

 実際、誘われるまでIDとパスワードがわからなければ入れないと思い込んでいたのだ。


 彼女は軽く頷く。

「それは半分だけ正解です。実は魔法移動ではこの部屋以外には入れません。カウフォードにある四箇所の遺跡の何処に移動を試みても、必ずこの部屋に転送されます。つまりこの部屋以外へ行くにはやはりIDとパスワードが必要なのです。でも、この部屋だけでも充分に調べる価値はあります」


 彼女は操作卓を右手の先でポンポンと叩く。

「この操作卓でここに保存されている資料の概略を検索して閲覧できます。それだけで教科書や社会に出回っている歴史が偽物だという事がわかるのです。試してみますか?」


「例えばどんな感じですか」

 操作方法がわからないので逆に聞いてみる。


「まずは事前準備として、ここでの現在の年月日を出しておきます」

 彼女が操作卓を叩くと画面上に小さな窓が現れる。

『四〇二〇年九月一八日』


「これがここの機械が認識している今日の日付です。この国の暦と月日が違いますが、これは使用している暦の違いのようです。この暦で過去の記録を確認します」


『三四七四年、スタニスラス』

 彼女はそう操作卓で打ち込む。

 新たな窓が画面上に現れた。


『三四七四年五月七日、管理者会議が『調和』法案を可決。これに対抗してスタニスラスらが『真の調和』法案を提出するも否決される、これに抗議するスタニスラス及び同支持者らにより同年五月三〇日『明日都の乱』が発生。国家治安隊魔道部隊により同年六月一五日までに乱は鎮圧されるもスタニスラス始め幹部及び扇動者の一部は西部へ逃走』


 続いてリーグレは『国家治安隊魔道部隊』と打ち込む。

『三四〇三年から三五二七年まで存在した治安組織の実働部隊のひとつ。実働隊員は全員左目に魔眼ユニットを装着しているのが特徴。魔法鎮圧及び隠密鎮圧に威力を発揮した。三五二七年国家体制の変更により治安隊が解体されたことにより消滅。ただし魔眼ユニットを持つ者はその後百年近くの間各地区にて体制維持に動いているのが確認されている』

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