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進学先は異世界でした ~俺の異世界学園生活記  作者: 於田縫紀
#20 次の遺跡

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105/216

§105 次の遺跡到着!

 七月二十七日周二。

 今年の七月は二十九日までだから夏休み終了まであと三日という日の朝食後。

 俺とアン先輩は改良した浮遊機に乗って森の上端ぎりぎりを飛行していた。

 浮遊機は推進器を二つ追加したので風さえ無ければ遅いながら空を飛べる。


「これより上はやっぱり危険ですか」

「ちょっとでも強い風が吹いたら逆らえないのだ」


 目的地は上位高等学校付近にあると思われる遺跡跡。

 森や林の中は下草等で歩きにくい。

 それに穴があったら降りるのも大変だ、

 だから改良した浮遊機で上から移動している。


 ただこんな右も左もわからないような森の中。

 既に俺は自分達が今どの辺にいるのかわからない。

 まあアン先輩はわかっているようだけれども。


 元々カウフォードは森林状の平地を必要な処だけ切り開いて造っている街だ。

 意図的に森林部分を残している処もある。

 そのせいで建物以上に森林部分が多い。


「まもなく上位高等学校の裏付近なのだ」

「よくわかりますね」

「前席には方位磁石を着けておいたのだ。あとは方向と距離さえ間違えなければ問題無いのだ」

 いやそれ方向音痴には無理ですから。

 勿論口には出さないけれど。


 そして目の前の木々が一気に途切れた。

「到着、予想通りなのだ」


 俺達の学校にあったのと同じような大穴だ。

 ただこっちはもっともっと深い。

 展望台の高さより更に更に深い。

 しかも下に明らかに人工の構造物が見えている。

 コンクリとか石系統だけれども形からして明らかに人工だ。

 しかも入口っぽいところとかもあるし。


「予想通りというか、予想以上ですね」

「確かにそうなのだ。取り敢えず降下して調べるのだ」

 そんな訳でゆっくりと降下を開始する。


「浮遊機で来て正解でしたね」

「ふふふふふ、こんな事態も一応考慮内なのだ」

 本当かな。

 でもアン先輩、見かけは小学生だけれど実際色々考えているしな。

 多分本当なのだろう。


 ゆっくり降りていき、中央のちょっと出っ張ったところの横に着地した。

「うん、降りても問題無さそうなのだ」

 アン先輩が足を踏みしめて確認する。


 俺もゆっくり降りてみた。

 足下は固く頑丈そうな感じ。

 上を歩くくらいは問題無い感じだ。


「それにしても随分深い場所ですね」

「確かにそうなのだ。でも元々地中に作られている感じではあるのだ。窓らしい物も無いのだ。地上への通路もおそらく以前はあったと思うのだ。おそらくここを掘り起こした際、ここから上の通路は無くなったのだと思うのだ」


「何の為に」

「隠蔽魔法と同じなのだ。不用意に人を近づけない為の対策なのだ」


 なるほど。

 俺達のように浮遊機とか飛行魔法を使うか、遠隔移動魔法を使わないと来ることが出来ない訳か。


「さて、入口はどうなのだ」

 早速のぞいてみる。

 うちの学校のと同じようなタッチパネルがあった。


「またこれなのだ」


 パネルに触ってみると文字が表示される。

『IDとパスワードを入力して下さい。カードキーがあれば翳して下さい』

 前の遺跡と全く同じだ。

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