34/99
番外編・小さな小さな呟き
あたしは
『うつくしいこえ』
そうよばれていた
森の中でとびながら
尊いいのちのために
ただ 歌っていた
気がついたら違う森で、風にあおられて木にぶつかって乾いた大地におっこちたのよ!!
二本足に救けられたけど
羽は元に戻らなくて
四つ足に食べられかけて箱に入れられた
今は ただ 歌うだけ
二本足が喜ぶから
あの四つ足は許さないわ!あれはどうも匂いで意志を伝え合う種族で、あたしにはどうしようもないのよね
細長いのは話が通じそうだけど、どうも年寄りくさく無関心
だからもうあたしはただの歌を歌うだけ
最近二本足の子供が
あたしの歌を真似る
あたしを呼ぶときに
へたくそに ピルル
口をとがらせて
高くほそい音をだすもんだから
たまに一緒に歌ってあげる
飛べなくても
そこそこ楽しいわ
知能は
ピルル>モップ>ロボ
鳥は影薄いですが。