口止め料はアイスクリーム
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オムライスを食べた後、みんなでリビングでゲームをする事になった。しかし、始まってすぐに1人脱落者が出た。
「ひらりちゃん寝ちゃったね。」
「何かかけるもの持って来る。」
タオルケットを持って来ると、晴は秋と話をしていた。
「秋ちゃんは、ひらりちゃんが春壱とどんな関係か気にならないの?」
「え?彼女じゃないの?」
「やっぱり勘違いしてる~本当は僕の彼女。」
晴はいつも秋をからかっては楽しんでいる。
「えー!?」
秋は驚きというよりは残念という声を出した。
「あー嘘、嘘。晴の彼女でもない。ただのクラスメイトだよ。」
「ただのクラスメイト家に連れて来る?」
秋は諦めていないようだ。
「しかも両親旅行でいない時に。」
晴の一言には否定のしようもない。秋にはちゃんと口止めしておかないと……
「母さんと父さんには絶対言うなよ?絶対だからな?」
「え~どうしようかな~ダッツ食べたいな~」
そう来るか………。
「よし、買おうじゃないか。」
俺はコンビニに行こうと立ち上がると晴も立ち上がる。
「今から買いに行くの?僕も行く。」
二人で駅前のコンビニへ行った。
「ここら辺何もないけど、コンビニだけ近くにあって良かったね~」
「アイス買ってさっさと帰るぞ。寝る時間が無くなる。」
雑誌を見ている晴を捕まえて、アイスを選びに行く。
「え、寝る気あったの?」
「何考えてんだお前。こっちは明日も部活あるんだからな?」
「どうせ午後からじゃないの?」
「だから何だよ?」
晴が立ち読みを始めると長くなる。さっさと帰りたい。すぐにアイスを買って外へ出る。
「でも…………春壱がひらりちゃんの事誘ってくれて良かったな~。」
「誘った訳じゃない。」
帰れなくなっただけだ。原因はまだ、何なのかわからないが。
「でもひらりちゃん元気そうで安心したよ。」
「…………は?元気そうじゃないだろ。」
「そう?思ったより平気そうで良かったよ。」
平気?全然平気じゃないだろ。どうして、晴が何かあった事を知ってるんだ?この晴の様子……この感じ……いつだったか、羽多が俺をふった後も、こんな、悪いことをした子供のような、後悔したような顔をしていた。
「晴……お前、ひらりに何かした?」
先に前を歩いていた晴は足を止めた。そして、ヘラヘラしながら、こっちを向いてこう言った。
「ひらりちゃんがあまりにも無神経な事言うから、僕軽くキレちゃって。」
晴の顔は、苦笑いだった。
「キレた?」
「髪の毛引っ張って、きらりちゃんの事バラしちゃったんだ。」
相田先生の事を……………?
「それでか……。」
「何か言ってた?僕の事ムカつく~とか嫌い~とか。」
「今日は親が出張なんだと。姉さんに迎えに来てもらえって言ったら、今日は姉さんには会いたくないって。帰るつもりなさそうだったから、連れて来た。」
これで納得がいく。ひらりは帰れなかった。おそらく、晴のせいで。
「…………そう……なんだ。」
「なぁ……晴、ひらりは相田先生の妹だけど、お前と相田先生の問題とは関係無いだろ?ひらりに当たるのはもう止めろよ。」
「当たる?」
晴……お前、自覚ないのか?
「お前、それはただの八つ当たりだ。」
「八つ当たりじゃないよ。八つ当たりなんかじゃないんだよ。本当にひらりちゃんにムカついたんだよ。」
晴の火の粉には慣れてる。しかし、俺は何も知らない。いつも後から知らされる。また、俺の知らない所で、二人がややこしい事になってなきゃいいが……。
「人を好きになる事から逃げてる人が、大変だね~なんてヘラヘラしてたから、無性に腹が立っただけだよ。」
春はそう言って下を向いていた。




