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進路希望表

20


あいつが教室を出た後、学級委員長に話しかけられた。

「今日の日直休みだから、出席番号次の須藤君が今日日直なんだけど、先生の所から日誌もらって来てくれない?」

「わかった。」

俺はすぐに職員室へ向かった。


「失礼します。」

職員室の中に入ると、あいつは先生と話をしていた。一瞬、あいつがこっちを向いたような気がして、思わず足を止め棚の横に隠れた。


「第一志望、世界征服って何だ?相田、ふざけて書いていいと思ってるのか?」

と言う、先生の声が聞こえた。

「いえ、ふざけてるつもりじゃなくて……」

あいつは全然弁明になってない弁明でテンパっていた。

「いいか、進路が決まっていなくても、今後は真面目に書くように。」


「…………先生。」

「何だ?」

話を聞いていると、突然大きな声であいつはブチ切れた。

「先生!私は大真面目です!世界を征服したいんです!支配したいんです!」

先生は一瞬引いて、何とかあいつをなだめよう試みた。

「わかった!わかった!わかったから、それはそっちで勝手にやってくれ。進路希望票には書くな!わかったか?」

先生にそう言われ、あいつはがっかりしてショボくれた。

「……はい……わかりました。」


「わかったなら、もういいから教室戻りなさい。」

あいつは下を向きながら、職員室を出て行った。俺が棚の横にいる事にも気づかず。

「先生、今日の日直が休みで、出席番後次が俺なので日誌ください。」

「ああ、須藤。これ、頼むな。」


先生はあいつの進路希望票を机に置いて、俺に日誌を渡した。机に置かれた進路希望票が、ふと目に入ってしまった。マジだ…………マジで世界征服と書いてある……。

「マジかよ……。」

あまりに信じられず、本心が口からこぼれた。

「あ、こらこら見るな。相田のやつ、普段は真面目なんだけどなぁ……たまにやらかすんだよ」

たまにやらかす…………?これはなかなかやらかしてますよ先生。


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