SSパッケージ 3
倉田正己と大嶋愛生は順調に目的を達していた。
「よし、中学校も終わり。何にも起きないもんなんだな。田舎の学校の警備しょぼすぎ」
倉田はエレキギター用のギグケースを肩に掛けながら、白い息を大きく吐いた。制服姿になる必要もなく、年末間近の祝日、既に陽の落ちた田舎に学生は皆無と言ってよく、全ては杞憂に終わった。
あと一ヶ所。そこさえ順当に終えることが出来たなら、任された大役の一つは果たされるのだ。
「急ぐぞ大嶋。ちんたらしてたら、リーダーに後ろから叱られる」
「はい。急ぎましょう」
消えそうな声を大嶋が発した――その時だった。
「やっと追い付きましたよ。『SSパッケージ』の皆さん」
中学校の校門を堂々と出て、田畑の広がる田舎道を歩き始めた、その瞬間だった。
待ち構えていたかのように、一人の少女が立っていた。倉田や大嶋よりも歳は下だろう。背丈もさほど高くなく、倉田とそう変わらないくらいか。
二人は、この少女に見覚えがあった。
「おや、付いて来たんすか。わざわざ北陸分所から? それはご苦労様なことで。会うのは久しぶりっすね。その短い髪は、出海……夕夏さんでしたっけ。随分髪を乱してるっすね」
倉田は額の汗を拭えないまま、しかし軽い口調で話しかけるが、対する少女――出海の表情は、空の色と同様に暗い。
「もしかして、お目当てはこの肩に掛かってるものっすか?」
出海は頷くことさえしなかった。
倉田は後ろを気にしながら、額の汗をようやく拭う。
「おっと。あんたにはバレているようだ。さてと、これからどうしようか」
倉田のこの一言に集約されるように、これは『SSパッケージ』にとっては想定外のことだった。
この瞬間、事態は確かに動いていたのだ。互いに、予期していなかった形で――。
ようやくの邂逅!次回もよろしくお願いします!




